こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
私はコンサルティング会社で改善活動や評価制度構築、補助金支援等を行っています。
その中で5S活動の支援をしています。
「5Sをすると会社にとって何か良いことがありますか?」
と質問を受けることがあります。
今回は5Sをするとどんな良いことがあるか解説します。
5Sを実施するメリットとは?
5Sを実施するメリットは、
「決まり事を守れる会社になるから」
です。
「それって5Sと関係あるんですか?」
と思われたかもしれません。
ちょっと説明が足りないんですが、理論的に説明することができます。
ある論文が証明してくれます。
無秩序の拡散
2008年に、オランダのフローニンゲン大学の研究チームが「無秩序の拡散」という論文を出しました。
フローニンゲンって人が流れていっているような名前ですね(^^)
正直日本人サッカー選手が移籍するまで走りませんでしが(^^;)
そんなことはどうでも良いですが・・・
この理論は、
「街なかの駐輪場に落書きがあると、その駐輪場の利用者はポイ捨てをしてしまう」
ということを証明した実験についての論文です。
結論から申し上げますと、
「落書きがポイ捨てを誘発する」
という仮説を証明することができました。
研究では落書きがない駐車場と落書きがある駐車場でどれくらいポイ捨てをするか調査しました。
すると
「落書きのない駐輪場」で、仕込まれた紙をポイ捨てした人は33%でしたが、
「落書きのある駐輪場」では、69%の人々がポイ捨てをしました。
このように環境が乱れていると、
「ちょっとぐらい汚しても大丈夫」
という感じになります。
これとよく似た理論に「割れ窓理論」があります。
割れ窓理論
割れ窓理論とは
「人の悪い行動は、無秩序によって起こる」
という考え方です。
これはアメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。
1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうということです。
かつて、ニューヨーク市は犯罪多発都市になっていました。
1994年以降、当時のジュリアーニ市長が、この「割れ窓理論」を実践して、割れ窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化しました。
結果、犯罪が大幅に減少したと言われています。
キレイな街にすれば秩序も守られるということを実践的に証明しました。
だんだんとルールが守れない組織に
このような「無秩序の拡散」や「割れ窓理論」、会社にも当てはまります。
職場環境が乱れていると秩序を保つことが難しくなります。
汚れている職場はそこで働いている人のモラルを低下させます。
「ちょっとぐらい職場を乱しても許されるだろう」
という気持ちになってしまいます。
これは単に職場の整理整頓だけにとどまりません。
「めんどくさいので挨拶なんてしなくても良いだろう」とか
「報連相しなくてもわかっているだろう」
「作業手順を守ると効率が悪いから、ちょっとぐらい破ってもいいだろう」
「腹が立つから会社の指示に従わなくても良いだろう」
という感じになってしまいます。
会社のルールが守れないと、どうなるでしょうか?
当然お客様からの信頼を失ってしまいます。
そうすると仕事がどんどん減ってしまいます。
会社の秩序を守る5S
一方、秩序が維持されている会社であればどうでしょうか。
ひとりだけ秩序を乱すと目立ってしまいます。
自分以外の人がルールを守っていたら、破ろうという気持ちになる人は少ないです。
そのような組織は仕事の品質や納期が顧客要求を満たすことができます。
5S活動は単に整理整頓をするだけではありません。
職場環境をキレイにすると自然とルールが守られる組織になります。
「うちの会社では、決めたことが守られない」
「主体的に働いてくれない」
と嘆いている経営者の方は、一度5S活動を真剣にやってみてください。
組織的に5S活動を実行するには相当労力が必要ですが、効果は抜群です!
ぜひ実践して見てください。
5S活動で組織を変えよう
私は5S活動の重要性をこのブログで発信しています。
また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。
参考書と違い、すぐに実行できるツールをふんだんに盛り込んでいます。
ぜひご活用くださいませ(^^)