こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
前回からマーケティングについて解説しています。
マーケティングの解説は結構楽しいです(^^)
頑張って書いていきますので、よろしくお願いします!
今回からは消費者行動のマーケティング・リサーチについて解説します。
マーケティングの最初の段階では、環境を分析します。
環境分析では、消費者のニーズや行動について知っておくことが重要です。
リサーチの方法を学んでいきましょう!
マーケティング・リサーチの方法
マーケティング・リサーチとは売れる仕組みづくりであるマーケティングを行うために必要な情報を収集することです。
リサーチは労力がかかることが多いので、計画的に進めていかなくてはいけません。
リサーチの順番
まず一般的なリサーチの順番を解説します。
リサーチのプロセスとしては以下のような感じです。
- 調査の目的の決定
- 2次データの存在を確認
- 1次データの入手
まずは最初に調査を行う目的を明確にしておきます。
目的を明確にするためには、現状の課題や問題点を抱えているかを把握しておかなくてはいけません。
例えば最近来客が減少しており、お客様が他店に流れていることがわかったとします。
その場合の調査目的は「なぜ他店に流れているか」と調査します。
他店に流れている理由を紐解ていけば、自社のサービス開発に役立てることができます。
次に2次データの存在を確認します。
2次データというのは「事前に入手可能な公開されているデータ」のことです。
マーケティング・リサーチは費用と時間がかかります。
もし自分が知りたいデータが公開されていれば、それを利用したほうが楽ですよね(^^)
2次データは国が実施している統計や調査会社のデータなどがあります。
最近はインターネットでさまざまな2次データを入手することができます。
これらの情報をうまく活用します。
また調査の裏付けとしても使用することができます。
それらを用意したうえで1次データと呼ばれる本調査を開始します。
1次データは自分たちがマーケティング・リサーチを実施して入手するデータのことです。
入手したデータは集計・分析を行います。
それらを入手することで、今後どのような対策をしていくか結論を出します。
データの収集方法
データの収集方法はさまざまあります。
主には3つに分類されます。
- 質問法:調査対象者に質問に答えてもらってデータを収集する
- 観察法:調査対象者を観察して行動や反応を収集する
- 実験法:マーケティングに関する要因を変化させてどのような影響が出るか調査する方法
リサーチの目的に合わせて使い分けます。
それぞれメリット・デメリットがあります。
「質問法」は調査対象者に質問に答えてもらってデータを収集する方法です。
質問法についてはいくつかの方法があます。
これに関しては次の「質問法の種類」で解説します。
「観察法」調査対象者を観察して行動や反応を収集します。
例えば店舗の中でお客さんがどういった動きをするか調査するような感じです。
お客さんの動きを観察することで店舗の導線を調査することができます。
「実験法」マーケティングに関する要因を変化させてどのような影響が出るか調査する方法
店舗の例を挙げると、陳列方法を変えてみて売り上げにどう影響が出るか調査するような感じです。
また、商品説明の内容を変えることで興味を持ってもらえるかどうか調査します。
どうすれば店舗の売上を最大化できるかトライ&エラーしていきます。
次はマーケティング・リサーチのデータ収取方法である「質問法」について、たくさん種類があるので解説します。
質問法の種類
質問法の種類は
- 面接法
- 集団面接法
- 電話法
- 郵送法
- 留置法(とめおきほう)
このような種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを一覧にします。
面接法
面接法は一対一で質問を投げかけて調査する方法です。
質問する側が複数になることもあります。
質問法のメリット
- 図表や写真などの視覚的なツールを活用できる
- 相手の反応に応じた質問ができる
- 質問の回答率が高い
質問法のデメリット
- 一人ずつ面接するので時間やコストがかなり掛かる
- 質問する調査員の力量が必要
集団面接法(グループインタビュー)
集団面接法は質問を受ける人を複数にして同時に質問をします
集団面接法のメリット
- 個別の面接法よりもコストや手間が安い
- 集団内によって発言が活性化する
集団面接法のデメリット
- 面接法と同じで司会者の力量が必要(能力によって結果が大きく変わってしまう)
電話法
電話法はそのままで「電話で質問をしてデータを収取する方法」です。
電話法のメリット
- 比較的短時間で調査できる
- 面接法よりもコストを抑えて調査できる
電話法のデメリット
- 調査員の顔が見えないので、不信感が強く調査に非協力的になりやすい
郵送法
郵送法は調査の用紙等を調査対象者に送り、回答記入ご返送してもらいます。
国勢調査のように、アンケートを送って送り返してもらう感じです。
郵送法のメリット
- 人件費コストが安い
郵送法のデメリット
- 回収率が低い
- 対象者の住所リストを入手するのが大変
留置法(とめおきほう)
留置法は、事前に調査票を調査対象者に配布します。
配布した調査票の記入を依頼し、後日調査員が訪問して回収します。
留置法のメリット
- 郵送法よりも回収率が高い
- 回収時に記入漏れのチェックができるので、漏れが少ない
- 記入に時間がかかる調査ができる
留置法のデメリット
- 調査対象者の家族の意見が影響する
- 調査対象者以外の人が解答する可能性がある
インターネット調査
最近はインターネットで意見を集めることが多くなってきました。
Twitterなどでも質問をすることができるので、個人でも利用している人が多いです。
インターネット調査のメリット
- コストが安い
- 幅広く拡散することができる
- 匿名性が高いので気軽に調査に参加できる
インターネット調査のデメリット
- 匿名性が高いので信頼性に疑問がある
- インターネット利用者に限定されるので、調査対象によっては向き不向きがある
モチベーション・リサーチ
リサーチにはマーケティング・リサーチの他にも「モチベーション・リサーチ」というのもあります。
モチベーションリサーチというのは、
「消費者の購買行動について、その動機を探るための調査方法」
です。
例えば類似した2つの商品があったときに、一方は購入するけれどももう一方は購入しないような場合に調査します。
モチベーションリサーチには
- 深層面接法
- 集団面接法
- 投影法
があります。
それぞれの解説をいたします。
深層面接法
面接者と調査対象者が時間をかけて面接を行います。
一般的な面接法よりも、できるだけ自由に回答してもらいます。
そうしてより深層心理を引き出そうとします。
ここまで話を引き出すためには、より一層の時間や手間がかかります。
また面接者は話を引き出すためのトレーニングが必要です。
調査対象者との信頼関係を築かなければ、本当のことを引き出すこと難しいです。
集団面接法
グループ面接です。
複数の調査対象者を集めて、質問に対して意見を交換していただきます。
グループで会話することによって、個人の面接では得られないような発見があります。
これも面接を仕切る司会者の力量が問われます。
投影法
投影法とは「心理学を使って間接的な質問をすることで調査対象者の本心を探る方法」です。
例えば、
「〇〇ということから連想されることを挙げてください」
このようにある単語から連想される語句を答えてもらいます。
これは「語句連想法」と言うやり方です。
他にも、
「〇〇といえば【 】である」
空欄になっている所を埋めてもらう方法もあります。
これは「文章完成法(文章穴埋め法)」と呼ばれます。
さらに別の方法としては、
「一般的には〇〇のことを××と評価しますが、どう思われますか」
このように第三者の例を挙げて回答してもらう方法もあります。
このような方法のことを「第三者話法」といいます。
呼び名を聞けば、そのままですので簡単ですね(^^)
念のため頭の片隅に置いといてください。
最後に
今回は消費者行動のマーケティング・リサーチについて解説しました。
マーケティングは幅広い意味で使われるので、つかみどころのない用語です。
私も解説していて、わかったようでよくわからないと今でも感じます。
とは言っても、このように解説していくことで明るみになることもあります。
経験則ではわかっていることは多いですが、体系的に学習することで相手にわかりやすく伝えることができるようになります。
自分の伝えたいことが相手にしっかり届くと仕事のミスや生産性が上がります。
ここで取り上げているテーマはどんな業界にも役に立つことばかりなので、一緒に学習できればと思います。
最後まで読んでいただきまことにありがとうございました!