企業経営理論

製品戦略|製品の定義と分類(企業経営理論)

投稿日:2020年12月30日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士試験のカズユキです。

マーケティングではいろんな戦略をミックスして展開します。

よくマーケティングの4Pで表されます。

  • Product:製品
  • Price:価格
  • Place:チャネル(販売網)
  • Promotion:プロモーション

今回は標的となる市場を選定した後に、重要となる製品戦略を解説します。

まずはその中で製品とはいったい何なのか、定義について解説します。

製品の定義とは

製品の定義とは何なのでしょうか?

あんまり考えたことがないですよね(^^)

これに対してコトラーという人が定義づけしてくれています。

 

「製品とは顧客の欲求やニーズを満たす目的で市場に提供されるものすべて」

 

製品は単純に物理的なものではありません。

サービスや人材・場所、アイデア・ノウハウなども含まれます。

ですので携帯電話そのものだけでなく、携帯電話を契約するサービスやうまく使いこなすための講座等も含まれるということです。

また他には、人材の派遣や場所のレンタルといったものも製品です。

 

製品は魅力的なものを生み出す必要があります。

魅力的な製品とはいったい何でしょうか?

機能性に優れていれば良いのでしょうか?

 

これは単純な話ではありません。

機能がたくさんあって優れていても、市場で受け入れてもらえない可能性があります。

例えばパソコンはたくさん機能がありすぎると、受け入れられていないことがあります。

機能が限定的で操作が簡単なほうが良いことも多いです。

 

コトラーの製品3層モデル

製品を開発するときにコトラーの製品モデルについて知っておくとよいです。

コトラーは製品には3つの層があることを指摘しました。

  • 製品の核
  • 製品の形態
  • 製品の付随機能

この3つを解説します。

製品の核

「製品の核」は製品の3つの層で一番中核となる部分です

製品の核は顧客が製品に求める価値を表します。

価値とはベネフィットとも言いますが、顧客の役に立つということです。

 

顧客の役に立つというのは、単純に機能だけではありません。

洋服などは寒さを防ぐ機能が満たされるだけでは、顧客の役に立っているとは完全には言い切れません。

デザインがオシャレでかわいいといったことも中核的な価値です。

 

製品の形態

製品の形態とは製品の核を具現化する部分です。

実際に手に取ったり目にしたりすることができるものです。

それは5つの構成が組み合わさってできています。

  • 品質
  • デザイン
  • 特徴
  • ブランド名
  • パッケージ

これらを組み合わされて中核的な価値を具現化しています。

 

製品の付随機能

製品の付随機能は製品の形態をフォローする機能のことです。

具体的には配送や保証、解説、アフターサービスなどで構成されます。

例えばエアコンを購入した場合、製品は非常に重たいので配送してくれるとありがたいです。

最初の何年かは保証があったり、不具合が起きたときに相談できると安心します。

説明書があると使い方がわかりやすいですね。

 

こうした付随機能があるほうが他社よりも消費者から選んでもらえます。

 

製品の分類

有形財と無形財

製品には形あるものとないものが存在します。

有形財と無形財です。

 

有形財は物理的に存在するものです。

食品や電化製品などが該当します。

 

無形財は形のないサービスが該当します。

マッサージやコンサルタントなど目に見えない価値を提供することです。

 

消費財と産業財

有形財には消費財と産業財があります。

消費財は「最終消費者が個人的な目的のために購入する製品」です。

産業財は生産財とも呼ばれます。

会社が製品を生産するためや事業を行うために消費されるものです。

 

消費財は4つに分類

消費者の購買決定でもご紹介しましたが、製品にはいくつかに分類することができます。

消費者の購買決定について(企業経営理論)

製品の分類には4つあります。

  • 最寄品
  • 買回品
  • 専門品
  • 非探索品

最寄品(もよりひん)の特徴

最寄品(もよりひん)は「習慣的に購入する消費財のこと」です。

最寄駅の「最寄」です。

具体的には食料品や日用雑貨です。

最寄品は購入する頻度が高くて価格が安いのが特徴です。

購買行動は「日常的反応行動」なので、手間暇かけずに購入します。

 

買回品(かいまわりひん)の特徴

買回品(かいまわりひん)は、消費者が比較検討して購入する製品です。

買回品の具体例は、家電製品などが挙げられます。

ですので、最寄品よりも購入する頻度が少なく、価格も高くなります。

購入までの決定は、価格が少し高いのでいろんな製品を比べる「限定的問題解決」です。

 

専門品の特徴

専門品は価格がさらに高く購入する頻度が少ない製品です。

ぜいたく品が該当します。

家とか車などが挙げられます。

購入までの決定は「拡大的問題解決」です。

消費者は製品のことを詳しく知らないので、いろんなことを比較検討します。

買回品よりももっと時間をかけて購入します。

 

非探索品の特徴

非探索財は「消費者が積極的に探さない製品」です。

そのままの意味で分かりやすいですね(^^)

そんなのあるのか!?って感じですよね(^^;)

 

例としては「保険」が挙げられます。

生命保険は待っているだけではあまり売れない製品です。

テレビのプロモーションや友人からの紹介など積極的な販売活動が必要です。

 

製品の品揃え(プロダクト・ミックス)

製品戦略では製品の品揃えを考えなくてはいけません。

製品の品揃えは「プロダクト・ミックス」「製品ミックス」と呼ばれます。

品揃えは製品のラインとアイテムで構成されます。

メガネで例えるとこんな感じです。

製品ライン

製品ラインとは「製品の種類の幅」のことです。

幅が広いということは製品の種類が多いということです。

当然幅が広いほうがいろんなニーズに対応することができます。

大手のようにたくさんのニーズに対応できるよう種類をそろえると「フルライン戦略」となります。

フルライン戦略は市場全体をカバーするぐらいの種類をそろえることです。

ただし維持するにはコストがたくさんかかります。

経営資源が限られている中小企業ではラインの幅は限定的にすることが多いです。

 

製品アイテム

製品アイテムは同じ部類のライン製品の中で色や大きさなどが多いということです。

当然アイテム数を深くすることで、お客さんは好みに合った製品を選ぶことができるようになります。

 

どのようにに品揃えをするかも、マーケティング戦略の一つです。

一般的にはラインを広くするとアイテムを深くすることが難しくなります。

スーパーなどの日用雑貨はライン幅を広くしてアイテムの深さはある程度にします。

逆に専門店はライン幅は限定的にしますが、アイテムを深くしてコアなファンのニーズを満たします。

 

まとめ

今回は製品戦略の「製品の定義と分類」について解説しました。

このような内容を考えることが少ないので、面白い内容だなと思います。

 

製品戦略はマーケティング・ミックスの中でも非常に重要です。

製品・サービスが悪ければ他のマーケティングを頑張っても売れません。

プロモーションを頑張って一時的に売り上げが上がっても継続して売れ続けることは難しいです。

マーケティングの基本である「誰に、何を」を明確にして製品開発である「どのように」を考えていくことが、ヒット商品を生み出す近道です。

考えることは面倒で大変です。

考えても何が正解かわからないことがほとんどです。

しかし議論を深めることで製品のコンセプトや方向性が決まってきます。

議論の中で考え方が深くなります。

小さいことでも良いので、やっていきましょう!

 

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