こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
私は5S活動を通じて、課題を解決する力を身につけてもらう仕組みづくりを行っています。
5S活動は
- 整理:不要なものを捨てる
- 整頓:必要なモノが必要な時にすぐに取り出せる
- 清掃:設備や職場の汚れを落とす
- 清潔:整理・整頓・清掃を維持する
- 躾:ルールを守らせる
これらのローマ字の頭文字が「S」なので、そう呼ばれています。
製造業では実践していることが多いですが、中にはできていない会社もあります。
私はそのような会社の導入初期の活動を支援しています。
今回は導入しているのに、真の目的を理解できていなかった会社の事例を挙げます。
ある5Sが徹底できている会社
私が以前訪問したある製造業の話です。
その会社では5年前から5S活動に力を入れていました。
何回か訪問したのですが、掃除が徹底されています。
話を聞くと社長自らが先頭に立って毎日掃除をされているそうです。
当然全社員もそれに従って朝、昼、夕方の掃除をしています。
事務所と工場はいつも綺麗な状態が保たれていました。
社員のみなさんのあいさつも元気がありました。
訪問する時には全員が直立不動で、大きな声で丁寧に挨拶してくれます。
よくあることですが、私のようなコンサルタントが訪問すると、「何しに来たんだ」といわんばかりの視線と控えめな声であいさつされることが多いです。
最初は「すごいな」と思いましたが、あまりに徹底され過ぎていて逆に違和感も感じました。
本音と社内の雰囲気
その会社では目標を作って、改善活動を実施する支援で訪問していました。
ある時に社員さんと電話で連絡を取った際に、ふと5S活動の話になりました。
その時に本音を聞くことができました。
「正直な話、通常業務が忙しいので5S活動はやりたくない」
「社長命令なので、仕方なくやっている」
「従業員のほぼ全員が同じような意見を持っている」
こういった愚痴はいったんで出すと止まりませんね(^^;)
確かに5S活動は実施していたのですが、清掃箇所や方法、時間といった内容が社長から細かく指示されていました。
つまり自分たちで考えて活動するといった感じではありませんでした。
ですので、目標を一緒に作っている時も、あまり積極的ではありませんでした。
明らかに「やらされ感」が漂う雰囲気でした。
「ただでさえ5S活動で忙しいのに、まだ何かやらせる気なのか」
といった感じですね(^^;)
当初、私は5S活動をやっている会社なので、改善活動にも積極的に参加してもらえると思っていました。
この時に「5S活動は上からやらせるだけでは、真の意味で活動の理解は浸透しない」と肌で感じました。
裁量ある活動が自発的な行動を生む
この製造業に欠けていることは、自発的にやろうと思える5Sの仕組みです。
確かに5Sは続いていますが、社長が「今日はここを掃除しろ」と細かい指示があると、自発的に問題を解決しようとする行動を抑制していしまいます。
人は他人から言われたことよりも、自分で決めたことの方がやってくれます。
5Sで組織が変わるためには、継続するだけではなく、自発的にやりたくなる仕組みを導入することが重要です。
5S活動は職場や現場をキレイにする活動なので、新人からベテランまで参加することができます。
この活動をうまく取り入れることができれば、社内の問題を自分たちだけの力で解決できる力が身に付きます。
なぜ身に付くかというと、5S活動の具体的方法をメンバーにゆだねるからです。
職場や現場をどのような姿にしたいのかを、レイアウト図に示します。
そして理想と現実のギャップを明らかにすることで、課題を抽出します。
それを解決するための具体的な行動を書いてもらいます。
更に計画が実行されているか進捗の確認を毎月行います。
こうした活動を続けていくうちに、自分たちの部署で起こっている問題や課題や自分たちで解決していく習慣がついてきます。
習慣を作るには上記のような活動を仕組み化が必要です。
5S活動は誰でもできますが、本格的に取り組めば会社の生産性を向上できます。
ぜひ実践して見てください!
5S活動で組織を変えよう
私は5S活動の重要性をこのブログで発信しています。
また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。
参考書と違い、すぐに実行できるツールをふんだんに盛り込んでいます。
ぜひご活用くださいませ(^^)