コンサル実務 経営・改善活動

目標達成のコツは「関与」「進捗」「変更」

投稿日:2021年7月16日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は目標設定したことが達成できない理由について解説します。

会社では部門や個人に対して目標を設定することがあります。

その時に進捗確認しないと達成できそうな目標も未達成に終わってしまいます。

事例企業を挙げながら、解説します。

 

目標達成ができない会社の特徴

ある会社で新年度になって目標を設定することになりました。

過去にも目標設定をしましたが、だんだんと風化したそうです。

その話をすると、

「目標は立てるけど全然達成できない」

「目標のレベルが低過ぎる」

「当事者意識が足りない」

と言った経営者からの嘆きを聞きました。

 

どのあたりに問題があるでしょうか?

ヒアリングしていくと、3つの問題点があることに気が付きました。

それは、

  • 目標設定は上司が「関与」する
  • 「進捗」を定期的に行う
  • 状況に応じて目標を「変更」する

です。

ひとつずつ解説していきます。

 

目標設定は上司が「関与」する

まずは目標設定に問題があることが考えられます。

目標設定は非常に重要です。

設定を部下に完全に任せてしまうと、適正な目標を設定することはできません。

 

まずは自分たちで目標を作ってもらうようお願いします。

しかし一発で目標が決まることは少ないです。

なぜ目標設定に挙げたのかを丁寧に聞きます。

そして適正な目標になるように、話し合ってください。

 

私が会社の支援で目標設定する時には、かなり時間をかけます。

特に一番最初は4時間×4日間=16時間議論します。その間に修正を加えながら2~3か月ぐらいかけて完成させます。

しかも目標設定ができれば、発表会をしてキックオフ宣言します。

みんなの前で発表することで、会社全体でやるんだという意思表示と当事者の責任意識を高めます。

 

目標設定する時の要件については、過去のブログで書きました。

よければ参考にしてください。

目標設定をする時に押さえるべき3つの要件

 

「進捗」を定期的に行う

意外に多いのが、最初に立てた目標の進捗管理がされていないことです。

進捗確認する機会がないと、目標を達成しようとする行動がおろそかになってしまいます。

進捗確認は部門目標であればミーティングを開催します。

個人目標であれば、個人面談を実施します。

個人の場合はカジュアルな感じで聞くだけで良いです。

重い雰囲気になってしまうと、報告する側も受ける側もしんどいので、継続することができません。

進捗する機会を設けることで「ちょっとだけでもやっておかないと報告できない」と思ってもらえます。

意欲が少ない方でも、進捗を確認する機会があると進めてくれます。

 

所属する社員はいろんな人がいます。

意欲が高い人は、どんどん仕事を進めてくれますが、みんながそのようなモチベーションではありません。

個人のモチベーションに頼った運用では、いつか活動が消えてしまいます。

意欲が低い人はもちろんですが、意欲が高い人もだんだんと落ちてきます。

「なんかやるだけ損だなぁ」

「やってもやらなくても給料一緒だよなぁ」

といった感じで、無気力な社員が増えていきます。

そういったことを防ぐためには、進捗確認をする仕組みが必要です。

 

ではどれくらいのペースで進捗確認するのが良いでしょうか?

私の場合は月一回進捗確認を行っています。

目標を達成するために定期的にどこまで進んだかを確認しましょう。

 

状況に応じて目標を「変更」する

最後に目標は状況に応じて変更してください。

よく「一度目標を決めたら途中で変えることは良くない」と思っている方がいます。

しかし、半年や一年先のことなんて誰にもわかりませんので、計画通りに行くことの方が珍しいです。

立てた目標も実際にやってみないと達成できそうかどうかわかりません。

例えば、不良品の削減について目標を掲げ、1%から0.8%に数値目標を設定したとします。

しかし目標設定から3か月たって、いきなりそこまで削減することが難しいことがわかってきました。

そんな時は、目標をもう少し低く設定しましょう。

明らかに達成が難しい目標をそのまま目指そうとしても、モチベーションが上がりません。

「0.9%ぐらいは目指せそうだから、変更して取り組もう」

といった感じで、変更しちゃってください(^^)

 

ある会社では、どのような不良品があるのか詳しく調べたことがありませんでした。

もし数値目標を立てることが難しい場合は、データの集計から始めます。

そして、データがある程度集まった段階で数値目標を設定します。

例えば、半期ごとに目標を設定している場合は、3か月をデータ取り、もう3か月は目標達成に取り組むといった感じです。

 

逆に目標が低すぎてすぐに達成できそうな場合も、上方修正してください。

こういった対応ができるように、定期的な進捗確認を行ってください。

目標はあまり高くないところに設定して、成功体験を積んでいくことをおすすめします。

達成できたという事実は、自身や意欲を向上させます。

 

まとめ

今回は目標達成をするためのコツを解説しました。

最後にもう一度振り返ると、

 

目標達成のコツは「関与」「進捗」「変更」の3つ

  • 目標設定は上司が「関与」する
  • 「進捗」を定期的に行う
  • 状況に応じて目標を「変更」する

 

内容としては当たり前のことですが、実はあまりできていない会社が多いです。

  • 作成した目標が適正かどうか確かめていない
  • どれくらい進んだか確認をしていない
  • 状況が変わっても目標の設定はそのまま

これだと目標を作成しても次第に形骸化していきます。

 

もし目標達成度が個人の評価に反映される場合、比較的簡単な目標にしておけば評価が高くなってしまい不公平感が生まれます。

 

そういったことがまかり通ってしまうと、全体的に社員の意欲が低下します。

社員の意欲に頼った経営は危ういですが、社員の意欲を低下させないような仕組を入れましょう。

難しい目標に取り組んだ場合、加点するといったことを取り組んでいる会社もあります。

 

最後にお伝えしたいのは、目標を達成しなくても叱責しないでください。

どういった点で目標を達成できなかったかを検証はしますが、計画通りにいかなかったことを責めずに次の目標に活かしてください。

もちろん目標達成した場合は、褒めることが大事です。

みんな少なからず承認欲求があります。

達成したことを認めて、次の目標に進んでください!

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