今回は二次試験の事例Ⅰについて書いていきます。
ご存知の方も多いと思いますが、中小企業診断士の二次試験は記述式です。
一次試験の勉強方法とは全く違います。
難易度が高い一次試験を突破した受験者が80%も落ちるのは、どのように対策すれば良いかわからないからです。
事例Ⅰのポイントは
- 人事・労務のことなので内部環境のことを書く
- 与件分にヒントが少なく、類推することが求められる
- なかなか得点が取りづらい科目
大きなテーマとしては
「強みの維持・強化ができれば競争優位が維持できるので企業が存続する」
そして効果的なトレーニングは
- 過去問の研究
- あるあるトレーニング
です。
少し深堀していきます。
事例Ⅰの内容
事例Ⅰは題目の通り「人事・労務」に関することなので、組織の内部に着目します。
主なテーマとしては4つです。
- 今の経営戦略や経営方針に基づいてどのように経営管理・組織構造・人事制度を整備するべきか
- モチベーションを向上させて組織の改善活動をどのように促すか
- 強み(経営資源)をどのように維持・強化していくか
- 外部環境の変化に対応するため、どのように組織変革を行うのか
もうちょっと凝縮すると
強みを活かして製品・サービスを具現化してキャッシュを獲得する
そのキャッシュを強みを維持・強化に使用して強化する
といった感じです。
つまり
「強みの維持・強化ができれば競争優位が維持できるので企業が存続する」
です。
そのために何をするかを組織の内部にも留めます。
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解答に必要な知識
解答に必要な知識は以下の通りです。
組織構造面
組織の形態や構造
管理体制
組織の仕組みに関すること
組織行動面
組織文化
モチベーション
リーダーシップ
組織メンバーの行動・真理に関すること
人的資源関連
評価、育成、賃金管理、雇用管理、臨時スタッフ管理等
人材系は「茶化」で覚えると対応しやすいです。
「茶化」をカタカナで分解すると
サ:採用
ハ:配置
ホ:報酬
漢字の「茶」になりますよね(^^)
イ:育成
ヒ:評価
漢字の「化」になりますよね(^^)
語呂合わせみたいです。
今でも覚えているくらい定着しています(^^)
事例Ⅰはあくまで内部環境主体です。
外部環境のことを書きすぎると事例Ⅱになってしまいます。
変化する外部環境に対してどういった組織を作るか、人材を確保して士気をいかに高めるかといった回答が求められる傾向があります。
試験の難易度
難易度は高め
事例Ⅰは比較的得点が取りにくい科目です。
二次試験自体の勉強方法が難しい上に解答を導くためのプロセスがわかりにくいです。
ですのでかなり苦労している人も多いです。
事例Ⅰは二次試験の最初に受ける科目ですので、でき次第ではその後の試験に対するモチベーションが変わります。
何とか乗り切らなければなりません。
ちなみに私の二次試験の得点は58点でした(^^;)
60点が合格ラインなので判定はBです。
ちなみに二次試験は得点開示を求めないと得点を教えてくれません。
不合格の場合は判定のみ教えてくれます。
ちなみに判定の目安は
A判定:60点以上
B判定:50点以上、60点未満
C判定:40点以上、50点未満
D判定:40点未満(足切り点)
となっています。
なぜ難易度が高いのか理由を説明します。
与件分にヒントが少ない
集約するとヒントが少ないことが事例Ⅰの難易度を上げています。
どういうことがを説明します。
二次試験は与件文といわれる本文があります。
本文は2,000文字くらいあります。
その文章には企業の創業から現在の状況や社長の考えや今後の思いが書いています。
そして設問が4~5問ぐらいあります。
解答は記述式で字数制限があります。
設問は例えば、「A社の強みは何か?」や「現在の売上が下がっている組織的な要因は?」などがあります。
字数制限は60~160文字くらいです。
文字数がわかるように7ミリ四方の正四角形の中に一文字ずつ書くようになっています。
当然設問は与件文からヒントを見つけ出して書いていくのですが、
「そんなこと書いてあったっけ?」
というくらいヒントが少ないです(^^;)
じゃあどうやって答えるのか!?
ってなりますよね(^^)
そのあたりは次に書いていきます。
類推することが求められる
そうです。
ヒントがないので与件文から推測して書くことが求められます。
しかし妄想ではいけません。
例えば、
「現在の売上が下がっている組織的な要因は?」
といった設問があったとします。
これを妄想で
「リーダーの能力が不足しているので代える」
と与件文に書いていないことを答えては0点です。
あとは
「お客さんのニーズがシンプル機能やデザインに変化してきた」
というのも少し違います。
理由は2つあります。
- 事例Ⅰはあくまで組織の内部について答えを求めている
- 設問の「組織的な理由」という内容に答えていない
です。
1は例外もありますが基本的には外部環境に対して組織内部をどう適応していくかを問われることがほとんどです。
事例Ⅰのタイトルも「組織・人事」になっていますので外部のないようになってくると事例Ⅱ「マーケティング」の領域です。
2は設問の制約条件を守れということです。
設問内容は「現在の売上が下がっている組織的な要因は?」でしたよね。
ということは会社内部について答えなければ設問の解答になっていません。
例えば与件文にこういった内容が記載されていることがあります。
「徹底したマニュアルに基づいて店舗展開してきたが現在は売り上げが減少している」
ということは
「マニュアルが徹底しているので地域性などを反映した柔軟な店舗づくりができていない」
と考えられます。
これが解答の方向性です。
実際の企業においてもブックオフは地域性を反映した店舗展開で成功している事例もあります。
海が近い地域にはサーフボードを取り扱うなどしています。
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おすすめの勉強方法
おすすめの勉強方法は過去の記事でも登場しています。
特にお勧めしているのが
「あるあるトレーニングで想像力強化」
です。
事例Ⅰだけでなく全般的にいえることです。
この「あるあるトレーニング」は二次試験の設問に対して、どのような回答が考えられるか想像することで回答の幅が広がります。
設問に対してどういった回答が考えられるかを訓練します。
いわゆる「あるある」を想像するトレーニングです。
具体的にはスマホアプリの暗記カードを使用して、オモテ面には問題を、ウラ面には回答を入れます。
問題を見ただけで回答を思いつくようになるので、応用力が身に付きます。
まとめ
事例Ⅰのポイントは
- 人事・労務のことなので内部環境のことを書く
- 与件分にヒントが少なく、類推することが求められる
- なかなか得点が取りづらい科目
です。
主なテーマとしては4つです。
- 今の経営戦略や経営方針に基づいてどのように経営管理・組織構造・人事制度を整備するべきか
- モチベーションを向上させて組織の改善活動をどのように促すか
- 強み(経営資源)をどのように維持・強化していくか
- 外部環境の変化に対応するため、どのように組織変革を行うのか
すごく簡単に集約すると、
「強みの維持・強化ができれば競争優位が維持できるので企業が存続する」
です。
そして効果的なトレーニングは
- 過去問の研究
- あるあるトレーニング
です。
難しい事例ですが過去問をやるとおもしろかったりします。
プレッシャーもあり楽しめる余裕はないかと思いますが(^^;)