こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回は中小企業診断士一次試験でもかなりの難関科目である「経営法務」ついて書いていきます。
いよいよやってきました。
かなり苦手科目にしていました。
本番でも48点でしたので、足切り点にならなかっただけでも良かったです(^^;)
※厳密に言うと、受験者全員に8点加算されたので、56点でした。
まずは経営法務について簡単に申し上げます。
ポイントを3つに絞りました。
- 出題範囲は「知的財産」「会社法」「民法」
- 勉強時間を増やしても得点が伸びにくい
- 年度によっては英文問題など絶望的な難易度になる
こんな感じです。
かなりネガティブな感じですが・・・
私はかなり苦手にしていたので、そういった意識から来ています。
もう弁護士の先生に相談してくれといった気になります。(過去問のケーススタディ系の問題では弁護士の先生に相談してい見ますという締めくくりになっていることが多いです)
ちなみに経営法務は二次試験では不必要な科目です。
ストレート合格を目指す場合は「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理」などが二次試験に必要な知識です。
ですので、上記3つの科目に比重をおきながら勉強がおすすめです。
しかし、経営法務の対策が不十分だと足切り点(40点未満)を取ってしまう可能性があるので注意してください。
では少し詳しく書いていきます。
経営法務の出題範囲
まず経営法務で押さえておきたいのは「知的財産」と「会社法」です。
「民法」からの出題もありますが、これだけで1科目になるぐらい奥が深いのでほどほどにしておいたほうが良いです(^^;)
捨てるわけではありませんが、あまり深入りすると他の科目を勉強する時間が奪われてしまいます。
冒頭で触れた「英文問題」に関しては最近出題される傾向が強くなっています。
問題分だけでなく解答の選択肢も英文になっていることもあります。
正直誰が答えることができるのかっていうくらいの難しさです(^^;)
出題傾向がありますので、専門用語の英単語は抑えておいた方が良いです。
もしかすると解答できるチャンスもあります。
しかし基本的には英語を得意としている方以外は捨てても良いです。
いや捨てるぐらいしないと一次試験全体の点数に響きます。
私は専門用語の単語だけは覚えるようにはしていました。
基本は諦めていましたけどね(^^;)
では出題される範囲のテーマをお伝えします。
【毎年出題されているテーマ】
●特許権(実施権、侵害、職務発明、共有など)
●意匠権
●商標権
●著作権(著作人格権、著作財産権)
●不正競争防止法(営業秘密など)
●株式会社の機関設計
●株式
●事業再編(合併、会社分割、事業譲渡など)
●事業承継・相続
●国際取引
●法令の改正に係るテーマ
【定期的に出題されるテーマ】
●知的財産権(横断的な知識を問う問題)
●消費者保護に関する法律(独占禁止法、景品表示法など)
●株式会社の機関(取締役、監査役、会計監査人など)
●株式上場
●契約(損害賠償、債権回収、保証など)
●倒産(破産、民事再生、会社更生など)
【今後出題が予想されるテーマ】
●株式会社の設立
●社債
●株式会社の計算
●株式会社以外の組織(合同会社、組合など)
大きなテーマとして「知的財産」と「会社法」があり、それに加えて民法からの問題が出題されます。
油断すると足切り食らうぐらいの難易度になることも予想されるのでご注意下さい。
最近は事業承継の問題があります。
それと絡めて相続の問題があります。
こちらも出題の傾向が強いので、どういった税制優遇があるか見ておいて下さい。
けっこう複雑なので難しいです。
民法系の問題は掘り下げると果てしないので、過去問を中心に解いてください。
民法は勉強すると奥が深くて面白いですが、やり過ぎると他の科目に影響がでます。
私は計画的に科目合格を狙っていくのは反対です。
7科目バランス良くやって総合点で突破を目指してください(^^)
経営法務の試験難易度
経営法務の試験難易度を考察します。
一つの指標として科目合格を使います。
科目合格とは一次試験が不合格でも1科目60点以上なら2年間科目免除になる制度です。
ですので、一次試験合格者は含まれていません。
だいたい20%あれば合格しやすいと判断できます。
逆に10%未満は難しかったと言えます。
では経営法務の最近の傾向はどうでしょうか?
年度 | 科目合格率 |
2019年 | 10.1% |
2018年 | 5.1% |
2017年 | 8.4% |
2016年 | 6.3% |
2015年 | 11.4% |
見ていただければわかりますが、10%未満になっていることが多いので難易度が高いことがわかります。
私が受験した2018年は本当に難しかったです(^^;)
あまりの難易度が高かったので、受験生に8点の上乗せがされました。
ということは52点以上取っている人は60点になります。
それでもこの合格率なので、かなりの難易度だったことがわかります。
その原因として英文問題が2問出題されたのが、受験生の心を折ったと思います。
2018年は運営管理でも統計の見たこともない公式が2問出題されるなど「今年はついてないなぁ・・・」と思いました。
ほんと中小企業診断士試験はバラツキが大きい試験です。
得点を期待していた科目が難しく計画が狂う場合がありますので、7科目を一気に受けてリスク分散しながら受験をおすすめします。
実際に経営法務の受験をした感想
まず試験時間ですが、じっくり考えながら回答しても十分間に合います。
おなじ60分試験でも「財務・会計」と全然違います。
じっくり解答した後に見直しができるぐらい余裕はあります。
なまじ時間があるので「解答を変更して裏目に出る」パターンもありますが(^^;)
一つのエピソードとして、直前まで見ていたところが試験に出題されて正解できました。
商標権は同時出願の場合話し合いでどちらを優先するか決めますが、それでも決着がつかない場合はくじ引きで決まります。
たまたまそこを見ていたので、他の選択肢がわからなかったのですが正解できました(^^)
こういった問題の書いている内容がほとんどわからなくても、一つの選択肢だけ正解とわかることがあります。
難しくて書いている内容が理解できないと読む気が失せてしまいますが、諦めずに読むことで正解にたどり着くことも多々あります。
一回だけで判断できなくても、「これは間違っている」と判断できる選択肢はしっかりマーキングしてください。
そういった積み重ねが合格につながります。
経営法務の選択はだいたい4つが多いです。
最後は運任せになることもありますが、1つ選択肢を切れば正解率は33%、2つ選択肢を切れば正解率が50%に上がります。
ちょっとで正解率を上げる努力をしてください。
中小企業診断士一次試験の2日目は「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」です。
どの科目も時間的な余裕があります。
ひっかけ問題もありますので、イージーミスをしないように良く見直してください。
私は「間違っている選択肢を選べ」によく引っかかってました(^^;)
「正しい選択肢を選ぶ」という先入観がありますので、ご注意ください。
経営法務のおすすめ書籍
会社法がなかなか覚えることができなかったので書籍を購入しましたが、箇条書きになっていたので頭に入っていきませんでした。
ですのでおすすめする書籍は特にありません。
ただインターネットで面白いサイトがあったのでご紹介します。
ネコにもわかる知的財産権
このサイトはかわいいイラストがついているのでほっこりしながら勉強できます。
なぜ知的財産を守らないといけないのかしっかり理由を説明してくれるので理解しやすいです。
http://www.iprchitekizaisan.com/titeki/chitekizaisan.php
テキストで勉強すると単純な丸暗記になってしまいます。
丸暗記だと知識が抜けていきやすいのでこういったサイトを利用して違う角度から勉強すると良いです。
理論的に理解すれば忘れにくくなります。
中小企業診断士試験は科目が多いのでしばらく勉強していなくても忘れないように勉強しておく必要があります。
おすすめのサイトですので参考にしてください!
経営ハッカー
このサイトは会社設立に関することが掲載されています。
これも「ネコにもわかる知的財産」と同じで、テキストとテイストが違うので刺激になります。
勉強の「味変」をして飽きないように工夫してください。
また企業経営理論につながる知識を得ることもできます。
普通に読み物として面白いです。
企業経営理論は一次試験の中でも6科目の上位に位置する大事な科目です。
常に意識して勉強することをおすすめします!
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか(^^)
もう一度大事な点を申し上げます。
経営法務のポイントは
- 出題範囲は「知的財産」「会社法」「民法」
- 勉強時間を増やしても得点が伸びにくい
- 年度によっては英文問題など絶望的な難易度になる
足切りの可能性もある怖い科目ですが、二次試験ではあまり関係がありません。
他の科目に比重を置いたほうが試験トータルで考えるとよいです。
「民法」はほどほどにして「知的財産」と「会社法」は必ず押さえておきましょう。
まるで苦手な上司のように、上手に付き合ってください。
あんまり話したくないけど、仕事の進め方を確認しないと怒られるみたいな感じです(^^;)
最後にお伝えすることがあります。
経営法務は2日目の科目です。
もしかすると1日目の出来が悪くてやる気が失せている可能性もあります。
つらい気持ちでも試験は最後まで受けきって下さい!
足切りさえ食らわなければ試験は何が起きるかわかりません。
起死回生の点数を取る可能性が十分にあります。
それと試験の結果によっては全員に加点をすることがあります。
明らかに科目の平均点が悪すぎる場は調整点が入ることがあります。
事実私が受験した2018年は経営法務で8点の調整点がありました。
これで総合点が420点を超えた方もいます。
2日目は他にも「経営情報システム」や「中小企業経営・政策」があります。
これらの科目は比較的点数が取りやすいです。
1日目の出来に失望して試合放棄は絶対にしないでください!
絶対後悔しますよ(^^)
今回も私のブログを最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!
自分がやってきたことを振り返るのはすごく楽しいです。
他の科目も皆さんにとって参考になるように魂を込めて書いていきます。
お気軽に質問していただければお答えします。
メッセージやシェアもオールウェルカムですので、よろしくお願いいたします!
おすすめの通信教育について
「何か勉強したいけれども・・・どんな勉強をすればよいかわからない」
そういった方には中小企業診断士はおすすめです!
どこの業界でも通用する知識が身につくからです!
また独学で目指したいけれどもどのように勉強すればよいかわからない方に
知識ゼロから独学でストレート合格を目指すことができるおすすめの通信教育を紹介しています。
ぜひ参考にしてください!