今回は二次試験の事例Ⅱを取り上げたいと思います。
早速ポイントを申し上げると
事例Ⅱのポイントは
- ヒントが多いので得点が取りやすい
- ターゲットを外すと大崩れ
- 実現可能性を考えて助言する
です。
まとめて言うと
「ニーズを持っている人に現実的な行動プランを助言する」
です。
中小企業診断士の二次試験は記述式です。
一次試験がマークシートでしたので
一次試験に合格した受験者もこれに対応できずに毎年80%前後落ちています。
ただ受験者の半分くらいが単に過去問を解いているだけで二次試験に対応する勉強ができていません。
二次試験攻略のポイントをしっかり押さえることで合格率を上げることはできます。
では説明していきます。
事例Ⅱの内容
事例は全部で4科目(事例Ⅰ~Ⅳ)あります。
それぞれテーマが違います。
事例Ⅱは「マーケティング・流通」です。
最終消費財を扱う事例企業が多いです。
あとは地域密着型も多いです。
マーケティングというのはいろんな解釈ができますが簡単に言うと
「売れる仕組みを作る」
ことです。
事例Ⅰは内部に目を向けましたが、事例Ⅱは外部環境に対してどういった行動を起こしていくかということが解答に求められます。
解答に必要な知識
分析・戦略・ターゲッティング
マーケティング環境分析
経営戦略
ターゲットマーケティング
マーケティングミックス
マーケティング戦略
製品戦略
価格戦略
チャネル戦略
プロモーション戦略
その他マーケティング戦略
関係性マーケティング
サービスマーケティング
販売流通システム
インターナルマーケティング
業務提携
ソーシャルマーケティング
事例で増えているというわけではありませんが、最近は介護等のサービス業に従事される方が多くなっています。
一般的には物品よりもサービスのほうが品質の高さを等を伝えるのが難しいです。
それに対する考え方としては
不可逆性:一度受けたサービスは返せない
⇒返金制度を設けて安心感を与える
無形性:サービスは見たり触ったりして品質を確かめることができない
⇒お試し期間を設けて体験していただく
変動性:提供する人によって品質にばらつきがある
⇒品質管理の徹底、マニュアル化や研修を通じて品質向上
不可分性(同時性):生産と消費が同時に行われる
⇒一度に提供できるサービスの量を増やす。機械化や増員
非貯蔵性:在庫をストックすることができない
変動性:季節や時間帯によって需要量が異なる
⇒予約制・閑散期へ需要を振り分け(需要の調整)
⇒非正規社員の活用、セルフサービス(供給能力向上)
こういった具体的な考え方が多いと事例Ⅱの回答として使えます。
試験の難易度
難易度は比較的やさしい
事例Ⅰに比べて与件文(本文)にヒントが多いので解答の組み立てがしやすいです。
逆に
「どれをどう使おうか・・」
と迷うことが多いです。
注意したいのが、思いつきにすぐに飛びつかないことです。
解答に使用する根拠は設問ごとに対応しています。
安易な解答は大事故を起こします。
事例Ⅱはいろんなアイデアが浮かんできます。
しっかり理論的に説明できるように与件文の根拠を使用してください。
解答の編集が難しい
解答に使える根拠が多いので
「あれもこれも解答に入れたい」
となります。
しかし二次試験には解答にも字数制限があります。
例えば100文字以内に書いてくださいといった感じです。
解答用紙はしっかり一文字ずつ書けるマス目になっています。
一文字もオーバーできません。
「いっぱい書きたいけれども書き入れない」
「だったら絞って丁寧に書いたほうが良いのか」
といった悩みが出てきます。
私も絞って丁寧に書くか、たくさんの根拠をねじ込むか迷いました。
資格学校やテキストによっても見解が違います。
私の出した結論は
「解答の根拠が使えそうなら書けるだけねじ込む」
にしました。
絞って書いたときに、もし外していたらと思うと怖いです。
それよりも「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」作戦にしました。
「そうしたいけども字数制限の中で表現できるのか?」
という疑問もあります。
これに関しては何とかなります。
勉強を通じていろんな表現方法を覚えていけば言葉を変えてねじ込めます。
そのあたりは過去の記事「二次試験まで直前の勉強記録」の「勉強時間と内容」のあたりで書きました。
ですのでいろんな引き出しを増やせる「あるあるトレーニング」をすることをおすすめします。
これも過去の記事を参考にしていただければと思います。
ちなみに私も事例Ⅲでやりました。
最後の最後で整理整頓のことをねじ込みたくて
「5Sの徹底」
5文字で入れときました(^^;)
具体的に書く
事例Ⅰと比較して具体的なことが書かれていますので、よりはっきり対策を書くことが求められています。
将来的に差別化ができなくなる可能性はありますが、その観点はあまり考えなくても良いです。
他社でうまくいっていますという事例が登場したら間違いなく自社でも取り入れて実行する方向です。
定番パターンがあります。
キーワードだけ書いておきますので参考にしてください。
テーマ | キーワード |
製品やサービス | ブランド価値向上・差別化・こだわりの○○・顧客満足度向上・高付加価値 |
顧客に対して | 関係性強化・固定客化・ニーズ対応・売上向上(客数×客単価)・御用聞き・宅配 |
従業員に対して | インターナルマーケティング・従業員満足 |
セールスプロモーション | DM送付・店内POP・Web活用・市場浸透 |
コミュニケーション戦略 | イベント開催・HPやSNSの活用・口コミ活用 |
地域について | 地域繁栄・業務提携 |
こういったのも暗記カードを活用すると頭の引き出しが開きやすくなります。
丸暗記する感じで覚えても効果ありです。
実際の仕事でもこういった知識はめっちゃ使えます。
絶対にターゲットは外さない
事例Ⅱは特にニーズ・ターゲットの選定が重要です。
いや、これに細心の注意を払わないといけません。
マーケティングで言われる
「誰に・何を・どのように」
の「誰に」を外した時点で事例Ⅱは終わります。
事例Ⅱで得点がとれていない人はここを外している可能性が大です。
ただ普通に与件文を読んでいくと
「女性に人気」
「健康志向の方からの注文が増えている」
「外国人観光客が増えている」
などのことがはっきり具体的に書いています。
ですので外す人のほうが珍しいです。
しかし毎年外して大事故を起こしている人がいるのも事実です。
絶対に外さないようにしてください!
あくまでベタで現実的に
事例企業は資金力に限界のある中小企業です。
知識やノウハウなどできることにも制約があります。
ですので膨大な資金が必要な投資は非現実的ですので
例えば旅館業の場合で
「海外からの観光客が増えている」
とニーズがあっても
「宿泊のキャパを増やすために旅館を増改築する」
ということはすぐにできません。
まあリスクが高いので誰もこんなこと書かないと思いますが(^^;)
この事例では、外国語のできる従業員がいることが書いてありました。
「外国語対応できるよう従業員教育する」
「旅館や周辺の観光スポットの案内など外国語版を作る」
こういったことを書くほうが良いでしょう。
こんなことわかっていると思いますが(^^)
あとは斬新なアイデアを書く必要はありません。
与件文の根拠を基に普通のことを書いたほうが得点としては良くなります。
自分の持ち味を発揮したアイデアは実際の現場で活躍するときに取っておきましょう。
まとめ
もう一度振り返ると事例Ⅱのポイントは
- ヒントが多いので得点が取りやすい
- ターゲットを外すと大崩れ
- 実現可能性を考えて助言する
まとめて言うと
「ニーズを持っている人に現実的な行動プランを助言する」
です。
今持っている経営資源を活用して外部環境に対してどうやったら売れるかを考えます。
そして攻略は
- ヒントが多く難易度は低め
- 解答の編集が難しいが多少ねじ込む
- ターゲットを外さずに具体的・現実的・ベタに書く
といった感じです。
比較的皆さん得点を取っている科目です。
ここで事故を起こすと合格からかなり遠ざかってしまうので注意してください(^^)
こんかいはこれで終了です。
事例Ⅳまで責任をもって書いていきます。
引き続きよろしくお願いいたします_(._.)_
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