こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回は人材の能力開発について解説します。
人材を有効活用するためには育成・教育が必要です。
人を育成するには時間も手間もかかります。
つまりコストが非常にかかります。
それだけコストをかけても、給料分に見合う活躍をしてくれるのは何年かかかります。
会社からすると先行投資をしている感じですね。
育成には主に2つ種類があります。
- 実際の仕事から能力を修得する OJT(On the Job Training)
と、 - 研修など、職場を離れて学習する Off-JT(Off the Job Training)
当然どちらかだけでは、うまくいきません。
それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、上手にミックスさせます。
OJTとOff-JTが繋がることで、能力の高い人材を育成することができます。
それでは中身の解説をいたします(^^)
OJTは現場で指導
OJTとは、On the Job Trainingの略です。
英語を読み解くと「仕事上で訓練」です。
つまり、実際の仕事をしながら育成することです。
OJTのメリット
OJTのメリットは以下の3点です。
- 短時間で実務を習得できる
- 細かい内容も伝えることができる
- 育成コストが安い
と言った感じです。
現場で仕事を教えない会社はありませんので、OJTは育成の軸になります。
中にはOJTしか行わない会社も存在します。
そうすると以下のデメリットを解消できないことがあります。
OJTのデメリット
OJTのデメリットも主に3点あります。
- 内容が短期に習得できる仕事に偏りがち
- 育成担当の能力にかなり左右される
- 体系的な知識の学習が難しい
こんな感じです。
これを補うのが、次に紹介するOff-JTです。
Off-JTは座学などの学習
Off-JTはOff the Job Trainingの略です。
これを英語から読み取ると「仕事外の訓練」です。
つまり、職場を離れて研修を受けるとイメージしていただくとわかりやすいです。
社内で勉強会を開いたり、外部講師を招いたり、外部の研修を受けに行ったり、さまざまなOff-JTがあります。
Off-JTのメリット
Off-JTのメリットは2点です。
- 体系的な知識の学習ができる
- 新しい発見や気づきがある
まさにOJTをカバーするようなメリットを得られます。
Off-JTで学習した知識が実務につながったら、仕事がもっとおもしろくなります。
更に仕事に深みが出ますので、品質向上にもつながります。
ただし、研修だけ受けてもバランスが良くないです。
Off-JTのデメリット
Off-JTのデメリットは2点です。
- OJTよりもコストがかかる
- 実務能力を身につけるのは難しい
そりゃそうだといった感じですね(^^)
例えば社内で研修するときも、実際はコストがかかっています。
時間内であれば、その間は仕事を止めています。
つまり、その間に営業活動ができないので機会損失をしています。
また時間外であれば、当然残業代が発生します。
あとOff-JTて大事なことは「鉄は熱いうちに打て」です。
せっかく研修を受けたのに実践できる機会がないと、研修の効果が薄れてしまいます。
学んだ知識がしっかり活かせる環境作りが大事です。
このようにOJTとOff-JTは互いに補完し合うような関係があります。
育成(能力開発)で大事なこと
育成で大事なことは、長期的にどういった人材を育成したいかビジョンを持つことです。
方向性としては、
- スペシャリスト(専門家)
- ゼネラリスト(管理者)
この2つが考えられます。
例えば「専門家を育てたい」場合は、一つのことを掘り下げて「スペシャリスト」を育成します。
逆にいろんな仕事を経験させて、全体を俯瞰して見ることができる人材を育てたい場合は、「ゼネラリスト」を育成します。
ちなみに日本ではゼネラリストを育成することが多いです。
日本のほとんどの会社は、人の能力に対して給与が発生します。
つまりいろんな仕事を習熟して能力を高めることが良いとされています。
これに対して欧米では、仕事に対して給与を設定します。
より難度の高い仕事ができるようスペシャリストを育成します。
これはどちらが優れているわけではありません。
スペシャリストは一つの仕事に対して高い専門性を発揮できます。
ゼネラリストはいろんな事情を考えて視野の広い意思決定ができます。
大事なのはどういったキャリアを積みたいのか会社の方向性と本人の意欲を考え、相談しながら決めていくことです。
本人のモチベーションを維持・向上しながら進めることができると、高い育成効果が得られます。
今回のまとめ
今回は育成についてでした。
能力開発といった難しい用語で登場しますが、人材育成とほぼ同義語です。
今回の内容をざっくりまとめると以下の通りです。
① OJTは仕事中に研修すること
- 短時間で実務細かい内容を安価なコストでできる
- 短期的に習得できる仕事に偏りやすく、育成者の力量が問われる
② Off-JTは仕事外で研修
- 体系的な知識で新しい発見や気づきがある
- コストがかかる上に、これだけでは実践できない
③ 人材育成のビジョンを持つ
- スペシャリストorゼネラリスト
- 方向性を会社と本人が話し合いながら決める
育成の方向性にミスマッチが起こっていたり、担当者の力量不足があったりするとモチベーションが下がってしまいます。
退職されてしまうと、今までかけた時間と労力がもったいないです。
育成に関してもOJTとOff-JTが必要ですね(^^)