こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
最近は私の実務である「業務改善活動」について、何回かに分けてブログで解説しています。
4回目である今回は、中期ビジョンについて解説いたします。
中期ビジョンとは
中期ビジョンとは3~5年後の会社の理想とする姿を描いたものです。
皆さんも将来こんな風になりたいとか、こんな資格に挑戦したいとか、こんな仕事をしたいとか、いろんな理想があると思います。
会社にも同じことが言えます。
経営者が考える「こうなりたいなぁ」「このぐらいの規模の会社にしたいなぁ」といった思いを、中期ビジョンによって明文化します。
中期ビジョンの話をすると
「そんなの作っても意味がない」
「作ってもそんな理想通りにいかない」
など言われることがあります。
確かに中期ビジョンを掲げても、3年後に理想の姿になっていないことは多々あります。
それでも私は会社に中期ビジョンは必要と思っています。
その理由を説明いたします。
中期ビジョンの必要性
中期ビジョンの必要性は以下の通りです。
共通の目的を作る
一つ目は「共通の目的をつくる」です。
業務改善活動では、各部署の問題や課題を抽出して、解決する方法を検討・実行します。
改善を実施している会社はたくさんありますが、改善案を出すことが目的となっており、何を目的にやっているのかわからなくなっていることがあります。
改善案を出す人も受け取る人も目的を失っては、ただ面倒な仕事が増えただけでストレスがたまります。
中期ビジョンは「理想としている姿」を示します。
改善活動が目的に合っているかどうか確認しながら進めていくことで、効果的な活動になります。
会社の判断材料になる
二つ目は「会社や経営者、リーダーなどが判断に迷ったとき、判断するときの拠り所になる」です。
会社のビジョンは、「会社が大事にしている価値観」を表しています。
会社のビジョンは抽象的な表現が多いので、それだけでは具体的な行動と結びつきにくいですが、大きな方向性はわかります。
例えば私が支援している会社では「従業員だけでなく家族も大事にする」といった内容があります。
この指標は福利厚生や給与改定などに活用されています。
会社のメンバーを一体化させる
3つめは組織のメンバーをまとめるために使います。
共通の目的や会社の判断材料ができると、組織の考え方がメンバーに浸透します。
考え方が統一されていくことで、一体感が生まれてきます。
もちろんそのためには、経営者は会社のビジョンを伝え続ける必要がありますが(^^)
このように会社のビジョンは組織力を高めることができます。
しかし世の中には経営理念やビジョンがない会社もたくさんあります。
そんな会社でも大事にしている考えやエビソードはあります。
要するに言語化されていないだけなのです。
言語化されていなくても、会社のメンバーに浸透させることも可能ですが、共有しやすいように言葉にしておくほうが良いと思います。
次に中期ビジョンに必要な要素を説明いたします。
中期ビジョンに必要なもの
中期ビジョンに必要な要素は以下の3点です。
- タイトル(スローガン)
- 状態目標
- 数値目標
タイトルは3~5年後の会社の姿を短い言葉で示します。
みんなの心に残るキャッチ―な言葉を選びたいですね!
会社のビジョンなので、奇をてらわなくても良いかと思いますが(^^;)
状態目標は、定性的にどんな状態になっていたいかを示します。
タイトルは抽象的な表現になるため、何を達成すればタイトルで示した会社になるのかを状態目標で明らかにします。
これまで私がかかわった会社のビジョンを上げると
- 自社の新しい商品を開発すること
- 従業員の定着率
- 在庫管理や品質管理についてなど
いろんな内容が挙げられています。
状態目標は一つだけでなく、3~5個ぐらい上げるケースが多いですね。
最後の数値目標は、3~5年後の売上高や利益等を示します。
売上高以外にも、不良率や自社商品のシェアや新規開拓などが挙げられていました。
数値目標は客観的に達成できたかどうかを判断する指標となります。
中期ビジョンを白紙から書き上げるのは、時間と手間がかかります。
私の実務ノウハウには中期ビジョンのサンプルがあります。
参考にすることで、考えがまとまりやすくなります。
ぜひ参考にしてください!