こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回は中小企業診断士の仕事「補助金支援」について解説します。
実務経験を身につけておくと、副業もしやすくなります。
実務補習を受けた診断士ならできる仕事なので、ぜひ挑戦して欲しいです。
補助金支援とは
補助金支援とは、
「事業者が補助金の申請をするときに、書類作成などのお手伝いをすること」
です。
補助金については、過去のブログを参考にしてください!
補助金の申請で何が大変かと言うと「事業計画書の作成」です。
補助金支援には沢山の書類提出が必要ですが、ほとんどの書類は集めるのにそれほど苦労しません。
しかし事業計画書の作成は簡単にはいきません。
なぜなら補助金がもらえるかどうかは、事業計画書の出来次第だからです。
補助金は申請要件を満たしても貰えるかどうかは事業の良し悪しで決まります。
つまり補助金を貰うためには「自分の事業はこんなに素晴らしいです!」とアピールする必要があります。
補助金は優れた事業から採択されるので、いかに事業計画書を良いものに仕上げるかは非常に大事です。
そのため補助金の申請では多くの時間を事業計画書の作成に費やすことになります。
しかし経営者は忙しいので、そんなのを作っている暇はありません。
ですので経営者は「誰か代わりに補助金が採択されるイイ感じの事業計画書作ってくれないかなぁ」と思っています。
よって補助金支援をすることは、事業計画書を作成代わりに作成することが主の内容となります。
補助金支援のメリット
繰り返しますが補助金支援は事業計画書の作成を依頼されることが多いです。
中小企業診断士は資格取得の過程で経営の勉強を一通りしますので、比較的得意分野ですが、自分の知らない業界について事業計画書を作成するのはかなり骨が折れます。
ただ事業計画書の作成は中小企業診断士としてのスキルアップに非常に役立ちます。
私が思うスキルアップは3つあります。
まず一つ目は文章を書くことが必要なので「ライティング能力」が向上します。
事業計画書を審査する審査員にも伝わりやすくする必要があるので、業界のことや抱えている課題をかみ砕いて説明します。
審査員もすべての業界のことを知っているわけではありませんので、一目で何が言いたいかを伝えることができれば、事業計画書の評価は高くなります。
こうしたことを考えながら事業計画書を作成すると、当然文章作成能力は向上します。
中小企業診断士の仕事は言語化して相手に伝えることが多いので、この能力は非常に役に立ちます。
二つ目は経営者から事業計画の情報を引き出す「ヒアリング能力」が鍛えられます。
経営者であっても事業内容はある程度決まっていますが、言語化できないことが多いです。
例えば「会社の強みは?」と聞いても、
「うちに別に特別強みなんてない」
何て言われることもあります。
そんな時は「今取引がある会社はどうして継続的に取引されているのでしょうか?」と聞いてみます。
そうすると、
「古くから付き合っているから」とか「他よりも納期が早いから」なんて具体的な回答を聞くことができます。
ここまで引き出せば、「長年地元に根付いているので信頼性がある」や「他社よりも短納期化ができる」といったことが強みとして挙げられます。
ヒアリングは一度にすべての情報を引き出すことはできません。
どんなに準備しておいても「あれ聞いておけば良かったのに・・・」なんてことがあります。
補助金のヒアリングでは、最低でも3回程度は打ち合わせを行いヒアリングも実施します。
そうしたことを繰り返していると、欲しい情報を引き出せるようになってきます。
最後は打ち合わせで内容をすり合わせていく過程で「プレゼン能力」が磨かれます。
補助金支援では3~4回程度打ち合わせをしながら、内容を完成させていきます。
はじめは業界のことを知らないため苦労しますが、ヒアリングやインターネット等で情報を収集していくと徐々に知識が広がります。
ただし実際に実務を行っている経営者とすり合わせをしないと、本当の想いを事業計画書に表現できません。
打ち合わせでは単純に相手から情報を得るだけでなく、こちらから仮説を立てて相手から情報を引き出します。
また作成している事業計画書の内容を相手に伝える必要があるため、どんなことが書かれているかを説明します。
事業計画書はA4で10ページ以上になることも多いので、一から説明していたらあっという間に時間が無くなります。
経営者も忙しいのでそんなに時間は取れません。
また打ち合わせ前に完成途中の文章を相手に事前に送りますが、文章が多いのでほとんど目を通していないこともあります。
実務ではほとんど目を通してくれていないと思っておいた方が良いです。
ですので、打ち合わせの時に要約して伝えられるようにする必要があります。
限られた時間の中で、審査基準を満たしながら経営者の想いをくみ取ることは非常に難しいです。
そのため書いている内容をわかりやすく伝えることができるプレゼン能力は重要です。
事業計画書作成を通じてプレゼン能力を磨くことができれば、経営相談などにも応用できます。
このように事業計画書を作成すると様々な能力が向上するので、経営コンサルタントとしての力をつけるきっかけとなります。
ベテラン診断士は補助金支援をやりたがらない
実は補助金支援はは費用対効果から、ベテラン診断士がやりたがらないことが多いです。
何となくですが補助金支援は駆け出しの中小企業診断士がやる仕事のイメージがあります。
私は資金調達を支援できる立派な仕事だと思います(^^)
そのため比較的経験が浅い経営コンサルタントでも仕事の受注がしやすいといえます。
お伝えした通り、事業計画書作成はかなり骨の折れる作業です。
完成させるのに1か月程度は要します。
その間3~4回程度、相手の会社と打ち合わせをします。
これだけの手間をかけて作成しますが補助金は必ずもらえるわけではありません。
審査の結果、優れた事業計画から採択されます。
補助金支援は採択されたときに「成功報酬」としてお金を受け取る割合が多いので、失敗すると報酬がかなり少なくなってしまいます。
そのためベテラン診断士の中には敬遠される人がいます。
私の周りでも補助金支援の話が来たら、何とか回避しようと躍起になっている人がいます。
私が忙しくてお願いしようとしても「やろうと思ったらできるけど、今は忙しい」なんて言いながらやりません。
労力のわりに報酬が少ないのが理由でしょう。
それにスポット支援がほとんどなので、経営に関わるような継続的支援は望めません。
試験のように合否が出てしまうのも、ストレスがかかるので嫌がるのでしょう(^^;)
逆に考えるとこの領域をマスターすれば、うまく稼げます。
ある程度事業計画作成をすると、自分のひな形ができてきますので、だんだんと事業計画書作成の工数は削減できます。
また採択率は50%前後なので、中小企業診断士試験の時と比べれば、通りやすいと感じるのではないでしょうか。
補助金の申請も含めて支援ができれば、採択後の支援依頼もお願いされることもあります。
決してスポットで終わることはなく、採択をきっかけに関係性が深まることも多いです。
経営者は補助金が大好き
経営者は経営改善や従業員の処遇といったことも興味がありますが、特にお金がもらえる補助金については非常に興味を持っていることがほとんどです。
(厳密にはお金がもらえるわけではありませんが・・・)
なんせ1,000万円の設備投資のうち500万円もらえたらと思うと・・・非常の大きいですよね(^^)
そのため補助金に対するニーズは非常に高いです。
しかし補助金のルールブックである「公募要領」は文章ばかりで内容を理解している経営者はほとんどいません。
ですので経営者は自分の事業がどの補助金とマッチするのかがわかっていません。
インターネットに情報は載っていますが、そんなに時間をかけて調べている時間は経営者にはありません。
そもそも情報が多すぎで、どれが正しい情報か判断できません。
そんな時に活躍できるのが専門家です。
中小企業診断士は国が唯一認めた経営コンサルタントの資格です。
何となくですが「国が唯一認める経営コンサルタント」と聞けば、補助金のことでわからなくなったら頼りたくなりませんか?
補助金関係の相談は税理士に相談する機会が多いですが、中小企業診断士にも相談されます。
補助金支援はニーズが高いので、いろんなところで支援を求める声を聞くことができます。
中小企業診断士であれば一度はやってみたほうが良いと思います。
ぜひ勇気を出して補助金支援をしてみてください。
しかし補助金の仕事をしたくても、どうやって仕事を獲得するのかわからない中小企業診断士も多くいます。
そんな中小企業診断士のために次回は補助金の仕事ができる方法をお伝えします。