こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回は、損益計算書のルールについて解説します。
前回は損益計算書の内容を解説しました。
損益計算書はある期間を切り取って、営業活動の成果をみます。
よくあるのが4月から来年3月までの1年間です。
ですので、収益や費用がいつのタイミングで発生したかを決めなければなりません。
例えば3月に売上が発生したけれども、入金は4月になった場合のような感じです。
「売上が発生してるから前期に入れるだろう」
「いやいや、お金を回収できたのは4月だから今期に入るだろう」
ルールを決めていなければ、こんな感じでもめます。
これをどのように決めるかは、いろんな基準があるので説明します。
収益と費用のタイミング
収益と費用がいつ発生したかの基準には3つの考え方があります。
- 現金主義
- 発生主義
- 実現主義
現金主義
現金主義とは「発生を現金が入ってきたタイミングで考えること」です。
収益の場合は現金が入金されたタイミング、支出の場合は現金を支払ったタイミングで考えます。
ここで考えてほしいのは、企業間取引は「掛取引」が原則です。
掛取引とは「商品・サービスが先に提供されて、支払いは後払いする取引」です。
個人の取引のように商品・サービスを提供されたときに支払いません。
ですので現金主義と企業間の信用に基づいた取引では、適切に表現することはできません。
発生主義
発生主義とは「現金の入金や支払いとは関係なく、収益は費用を発生が確定した時点で計上する考え方」です。
現金の入金がなくても売った事実や、費用の支払いをしていなくても原材料を買った事実があれば計上します。
原則、費用については「発生主義」で計上します。
実現主義
実現主義は発生主義を厳しくした基準です。
これは収益の発生の基準です。
実現主義では「商品やサービスを販売した時点ではなく、債権の回収が確定した時点で計上する考え方」です。
つまり「現金以外に受取手形や売掛金などの現金同等物を受け取った時点で計上する」という感じです。
最後に
このように収益と費用では基準とする考え方が異なります。
結論としては、
- 収益は実現主義(債権の回収が確定した時点)
- 費用は発生主義(費用が発生した時点)
収益の計上のほうが厳格ということを覚えておいてください。
このようにルールが決まることで、売上や費用が前期に入るのか今期に入れるのかが判断できます。
お金を支払った時点ではないことが違和感かもしれませんが、企業間取引は個人の取引と違いますのでご注意ください(^^)
今回はちょっと短めですがこれで終了します。
最後まで読んでいただきありがとうございます!