こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
前回はプロモーション戦略の「広告」について解説しました。
その時に、広告媒体の細かい内容を省きました。
今回は広告媒体について解説します。
広告媒体は大きく3つに分けられます。
- マス広告
- SP(セールスプロモーション)広告
- インターネット広告
それぞれには多様な媒体があり、メリット・デメリットがあります。
マス広告
マス広告というのは「テレビ、新聞、ラジオ、雑誌」のことを指します。
かつては日本の総広告費の大部分を占めていましたが、インターネット広告の台頭により縮小傾向にあります。
広い層に対してプロモーションを展開することができるので、製品や企業ブランド向上に向いています。
代表的な4媒体についてメリット・デメリットを見ていきます。
「新聞」のメリット・デメリット
メリット
- 新聞購読者は多いのでカバー範囲が広い
- 広告を出すまでに期間(リードタイム)が短い
- 新聞という媒体の特性上、情報の信頼性が高く感じる
デメリット
- 印刷がモノクロで品質がそれほど高くない
- 新聞の特性上、広告の寿命が短くなってしまう
「テレビ」のメリット・デメリット
メリット
- 視聴者が多いので広く情報を伝えることができる
- 映像や音声などを駆使して、視聴者の感覚・感情に訴えることができる
デメリット
- テレビCMは莫大な資金が必要
- 特定の視聴者に絞ることが難しいので、本当人必要な人に届いているか不透明
「ラジオ」のメリット・デメリット
メリット
- 地域や属性別で消費者をある程度絞ることができる
- コストが比較的安価
デメリット
- 音声のみなので、表現が制限される
- 表現力が乏しいゆえに、消費者の注目を集めることが難しい
「雑誌」のメリット・デメリット
メリット
- 雑誌によって購入層が違うので、消費者選別ができる
- 基本的にはカラーが多いので、印刷が高品質で表現豊か
- 雑誌の読者がじっくり見てくれる可能性が高い
デメリット
- 広告を出すまでの期間(リードタイム)が長くなってしまう
- 雑誌によっては読者数が少なく、情報があまり届いていない可能性がある
SP(セールスプロモーション)広告
SP(セールスプロモーション)とは「消費者の購買意欲を高めるためにおこなう販売促進活動」です。
SP広告はマス広告とインターネット広告に含まないものを指します。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメールは企業が直接消費者にメッセージを届ける手段のことです。
届ける手段はハガキやメール、FAXなどがあります。
メリット
- 購入してくれそうな見込み客を選別して送ることができる
- 消費者に対して個別対応ができる
デメリット
- 対象を広げるとそれなりの費用がかかる
- 内容を確認せずに捨てられてしまいやすい
折込チラシ
折込チラシは新聞等に挟んである広告です。
メリット
- ウェブ広告よりも埋もれにくく、認知されやすい傾向にある
- 地域に密着した広告ができる
- 広告をタイムリーにタイミングよくできる
デメリット
- 新聞と同様に年齢層や性別などのターゲットを絞りにくい
- 広告の持続性が長くない
屋外広告
屋外広告は看板やネオンといったものです。
最近は屋外広告も「デジタルサイネージ」を使ったデジタル化が進んでいます。
メリット
- コストが比較的安価にできる
- 一度作成すれば反復的に露出させることができる
デメリット
- 広告対象を選べない
- 表現力に限界がある
屋外広告はデジタルサイネージをの活用で、表現力が豊かになっています。
ただしデジタルサイネージはそれまでの屋外広告よりもコストがかかります。
交通広告
交通広告は、電車・バス・タクシーなどの交通機関で広告を掲載することです。
よく見られたことがあるのではないでしょうか?
例えは、
- 電車の中吊りにあるポスター
- バスの車内には張られている広告
- 飛行機やタクシーで流れる動画を活用した広告
このようなところに数多く存在します。
メリット
- その空間にいる人が自然に見るので視認性が高い
- 通勤通学している人に反復的に見せることができる
- エリアを限定して効率よく広告ができる
デメリット
- 審査が厳しく、広告掲載までに時間がかかる
- 広告の効果を測定することが難しい
- 都心になると費用が高い
POP広告
POP広告は店頭に表示される紙媒体の広告です。
商品名や価格、キャッチコピーなどを工夫してい消費者の購買意欲を高める効果があります。
ちなみに、POPとは「Point of purchase advertising」(購買時点広告)の頭文字から取った略語で
主に小売店の店頭プロモーションとして展開される広告媒体です。
メリット
- 広告のテクニックは必要だが、基本的には費用はかなり安くすることができる
- 売れ筋商品やおすすめ商品、価格の表示だけでなくライブ感のある演出ができる
デメリット
- 担当者のテクニックやノウハウが必要
インターネット広告
インターネット広告は、ウェブを活用して企業や製品の購入意欲を高めようとする手法です。
近年はインターネット広告の需要が伸びていて、様々な手法が開発されています。
メリット
- 小額から始めることができ、コストパフォーマンスが比較的良い
- ターゲットをじぼって広告を行うことができる
- 効果測定がしやすく、改善をしながら効果的に広告をすることができる
デメリット
- 効果を求めると費用がかかる
- インターネット広告の知識やノウハウが必要
インターネット広告の手法
インターネット広告はいろんな手法があります。
ここでは代表的なものを紹介します。
インターネット広告ではウェブ上に画像などを表示させるバナー広告が用いられます。
バナー広告をクリックすることで企業のホームページや商品を購入できるサイトにつながるようになっています。
インターネット広告の費用
広告費用の発生の仕方はさまざま選べます。
- クリック型:クリックされるごとに料金が発生する
- インプレッション:広告が表示されるごとに料金が発生する
- 成果報酬型:実際に商品が売れたときに一部を報奨金として支払う
どれを選ぶかは、目的や予算を考えて検討します。
最後に
今回は広告の種類と、それぞれのメリット・デメリットについて解説しました。
近年はインターネット広告が非常に伸びてきております
2019年の広告市場ランキングを見ると、テレビは単独で年間1兆4620億円、インターネットは8299億円の広告市場になっています。
しかし広告市場全体は6兆円ぐらいで横ばいに推移しています。
ということはマス広告からインターネット広告に乗り換えている企業が多いということです。
今後もインターネットを使った広告が増えてくると予想されますが、増えてくるにつれて効果が薄くなります。
不特定多数にアプローチするよりも、少数でも固い信頼関係を築いたマーケティング活動が重要になってきそうですね(^^)
最後に広告の種類とメリット・デメリットをまとめておきます。
広告の種類 | メリット | デメリット |
新聞 | 読者が多い
リードタイムが短い 信頼性が高い |
印刷の質が低い
広告の寿命が短い |
テレビ | 視聴者が多い
映像・音声など表現豊か |
費用が高い
対象者を絞れない |
ラジオ | 地域・属性を限定できる
コストが安い |
広告の表現力が乏しい |
雑誌 | 対象者を絞り込める
印刷が高品質 |
リードタイムが長い
読者数が少ない |
DM | 対象者を絞れる
個別対応ができる |
費用が高い
すぐに捨てられる |
折込チラシ | 認知されやすい
地域に密着した広告 タイムリーな広告ができる |
ターゲットを絞りにくい
寿命が短い |
屋外広告 | コストが比較的安価
反復して露出できる |
対象者を限定できない
表現力に限界あり |
交通広告 | 視認性が高い
反復的に広告できる |
リードタイムが長い
効果測定が難しい |
POP | 費用がかなり安い
ライブ感のある広告ができる |
テクニック・ノウハウが必要 |
インターネット | 小額からできる
ターゲットを絞ることができる 効果測定がしやすい |
効果を求めると高額になる
広告の知識やノウハウが必要 |
かなり多くの情報量なので、だいたい覚えておけばよいです。
書いている内容は経験則でわかることが多いので、なんとなく覚えておけば対応できるはずです。