企業経営理論

組織文化・組織開発・組織行動・組織学習(企業経営理論)

投稿日:2020年12月1日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

私は通信教育をきっかけに独学で中小企業診断士にストレート合格しました。

現在はコンサルタント会社に転職して奮闘中です。

 

このブログでは中小企業診断士のことや試験対策など解説しています。

もっと成長できるようにブログで振り返りながら学習しています。

 

今回は組織論について文化や変革、行動などについて解説します。

 

組織文化

組織文化とは「組織のメンバー間で共有されている行動パターン」です。

行動パターンには価値観や習慣などです。

組織文化は非常に重要です。

目標を達成する行動や計画の実行可能性に大きく影響します。

 

例えばトヨタの生産方式や京セラのアメーバ経営など優れた経営管理があります。

しかし他の企業かこれらの仕組みをマネしようとしても、うまくいかないことが多いです。

なぜうまくいかいかは、組織文化が影響しています。

なぜこれらの管理をしないといけないのか、背後にある目的や意義などをしっかり理解できていないといけません。

表面的な仕組みをマネしようと思っても、組織文化が違うと受け入れられません。

 

しかし経営理念のようにトップが組織文化を思い通りに形成することはできません。

組織文化は組織のメンバー間によって形成されていきます。

 

組織開発

組織文化は実行力に影響を与えます。

組織のメンバー間で形成される文化をマネジメントをする方法が考えだされてきました。

それが「組織開発」「組織変革」です。

 

組織開発とは、組織の有効性や従業員のウエルネス(心身ともに良好な状態)の改善を目指して、人間的かつ民主的価値観のもとで計画的に組織変革に介入するマネジメント手法です。

なんのこっちゃて感じですけどね(^^;)

 

具体的には組織開発は環境変化に対応できるよう組織を計画的に変革します。

組織構造を変更するだけでなく、組織文化を再構築して活性化します。

組織開発が重視している価値観

組織開発が重視している価値観が4つあります。

中小企業診断士試験では過去に出題されていますので、軽く覚えておいてください(^^)

 

1. 人間尊重の価値観

人間は基本的に善であり、最適な場が与えられれば、自律的・主体的にその人間の能力を発揮するものと考えられています。

2. 民主的な価値観

意思決定する際には、関連するできる限り多くの人が参加し関与した方が意思決定の質が高まると考えられています。

3. 当事者中心の価値観

当事者が現状と変革に関与し、自ら主体的に変革に取り組むものと考えられています。

4.社会的・エコロジカル的システム志向の価値観

組織内だけでなく、組織を取り巻く社会や環境をも重視しています。

 

集団の行動

組織の構造や文化を変革して、活性化するためには「集団の行動」を理解しておくとよいです。

企業は部や課、小集団など小さな集団が集まっているとも考えられます。

その集団がどういった行動を取りやすいかを解説します。

 

集団の行動様式(集団のダイナミクス)

集団の行動様式(ダイナミクス)とは「個人では見られない集団ならではの行動特性」のことです。

例えば集団の中で団結力が強くなると、集団の行動基準に従うよう圧力が働きます。

これを「集団の凝固性が高くなる」と言います。

凝固性が高い集団は

良く言えば「まとまりが良い」

ですが、

悪く言えば「閉鎖的になってしまう」

などのデメリットもあります。

 

また集団で意思決定すると「個人で考えるよりも短絡的に決定してしまう」ということも起きます。

これを「集団浅慮(しゅうだんせんりょ)」といいます。英語で「グループシンク」とも呼ばれます。

「浅慮」とは「浅はかな考え」ということです。

言葉の意味を調べると理解しやすいです。

私のようにあいまいに覚えると、肝心な時に判断を誤るので注意してください(^^)

 

集団浅慮になりやすいのには原因があります。

自分の集団のことを過大に評価しているときです。

また、集団が閉鎖的であることで同調圧力がかかる場合などです。

 

このような状況はいろんな案を検討せずに、危険な意思決定をしてしまうことがあります。

幕末の志士が過激な行動に走ってしまったことも例に挙げられそうですね。

 

コンフリクト(対立)を利用して解決する

コンフリクトとは意見の対立や軋轢などのことを言います。

組織の中ではいろんな価値観を持った人がいます。

そのような人が集まって集団を形成しますので、コンフリクトは避けることはできません。

どんな組織や集団でも活動するとコンフリクトが発生します。

 

コンフリクトが発生する要因は主に3つです。

  • 限られた予算や人員配置で部門間で合意が得られない
  • 他の部門に応援を要請したが合意に至らない
  • 目標が合意できず協力が得られない

特に日本企業は、これまでコンフリクトを避けようとしました。

しかしコンフリクトをうまく利用することで、組織活性化や変革につながると言われています。

コンフリクトがないということは、みんなが同調している状態です。

この状態では革新的なアイデアは出てきません。

 

さまざまな意見をぶつけ合うことで組織が活性化します。

意見の対立を建設的な議論により解決します。

このように創造的にコンフリクトを解決して組織変革を実現します。

 

そのためにはコンフリクトをうまくコントロールしなくてはいけません。

コンフリクトを管理する技術とは「コンフリクト・マネジメント」と呼ばれます。

理想的な解決方法は、対立する集団が両方とも特になる案が良いです。

いわゆる「WIN-WIN」ですね(^^)

毎回そんなうまくいきませんけどね(^^;)

 

組織学習

組織学習とは「組織やメンバーが新しい知識を獲得する活動」です。

学習することで知識を得ると、組織の能力が向上します。

経営資源である人材が成長することで、企業としても競争力を高めることができます。

 

学習には低次学習と高次学習がある

組織学習には、組織の発展段階によって必要とされる内容が違います。

組織の発展段階は2種類にあります。

「ゆっくり進化している時」と「革新的に進化している時」です。

 

ゆっくり進化している時に必要な学習は「既存の枠組みの中」で行います。

この学習を「低次学習」または「シングルループ学習」といいます。

 

革新的に進化している時に必要な学習は「既存の枠組みを超える学習」を行います。

なんてったって革新的ですから、既存の枠組みをぶっ壊します(^^)

この学習は「高次学習」または「ダブルループ学習」と呼ばれます。

 

組織学習の段階は4つ

組織学習の段階は4段階あります。

これは個人の学習が組織全体に浸透する様子を4つのフェーズで表しています。

1番目 個人が学習して信念が変化
2番目 個人の行動が変化
3番目 組織の行動に影響
4番目 行動が環境に影響を与える

このように個人の信念が行動を変えて、やがて組織や環境に影響をもたらします

うまくいくと4番目の後に1番目にループします。

個人の信念がさらに強化されて、好循環ループに突入します。

 

組織学習の制約

組織学習がうまくいけば組織に良い影響を与えることは間違いありません。

しかしどの組織でも抵抗勢力が存在します。

いわゆる制約条件というやつです。

  • 組織の中で役割の制約があって行動が起こせない
  • まわりが傍観者な態度で組織に活かされていない
  • 組織が行動しても限定的なので、環境が変化していない
  • せっかく環境が変化してきているのに、個人が正しく評価できていない

このような制約が発生する原因は、

「組織間の壁があるので、役割が固定的」

のような組織で多く発生しています。

 

ナレッジマネジメントとSECI モデル

ナレッジマネジメントとは

「企業の情報・知識と、個人のノウハウや経験等の知的資産を共有して、更なる創造的な仕事につなげる経営管理手法」

です。

単純に知識を共有するだけでなく、個人の持っているノウハウ・経験などを文章化することも重要です。

個人のノウハウ・経験は共有されず、ひっそりと頭の中に存在します。

この状態を「暗黙知」といいます。

この状態では組織として活かすことができません。

こういった「暗黙知」を「形式知」という共有できる状態にします。

文章だけでなく写真や動画などで形にすることで、みんなと共有することができます。

共有することで品質の向上や新しいアイデアを創造することができるようになります。

 

「SECIモデル」では暗黙知が形式知に変換するプロセスを4つの段階で説明しています。

  • 共同化(Socializaiton)

個人が持っている暗黙知を別の人が暗黙知として取り込む段階です。

共通の体験を通して、特定の人しか知らなかった情報を別の人が吸収します。

 

  • 表出化(Externalization)

個人が持つ暗黙知を、形式知にするプロセスです。

暗黙知の状態では広く他人に伝えにくいので、情報を加工します。

具体的には「文章」「図形」等です。

情報を表出させるためには、他の人と一緒になって考えて作ることで良いものができます。

 

  • 連結化(Combination)

個人の形式知から新たな形式知を想像するプロセスです。

文章化された個別のメモなどを、体系的にまとめて「マニュアル」や「標準書・手順書」を作成します。

 

  • 内面化(Internalization)

個人が形式知を自分自身のノウハウやスキルとして会得するプロセスです。

会得するということは、個人に「暗黙知」化されていくということです。

 

これらがループすることで、組織にとって非常に重要な情報が蓄積されます。

形式知化したノウハウや経験が蓄積すると、品質向上や原価低減のきっかけとなり他社との差別化ができるようになります。

 

今回のまとめ

今回は組織の「文化・開発・行動・学習」について解説しました。

けっこう長かったです(^^;)

ちょっとイメージしづらい部分もありますが、よくよく考えると当たり前のことが多いです。

文章が難しいだけなので、過去問を解きながら少しずつ知識の定着を試みてください。

 

ではまとめに入ります。

今回言いたかったことは以下の通りです。

  • 組織文化とは「組織のメンバー間で共有されている行動パターン」
  • 組織開発とは「組織のメンバー間で形成される文化をマネジメントをする方法」
  • 集団の行動とは「個人では見られない集団ならではの行動特性」
  • 組織学習とは「組織やメンバーが新しい知識を獲得する活動」

ざっくりですが、こんな感じでした。

組織で行動すると個人の時よりも制約が多く、思ったような行動がとれないことがあります。

そういった制約や行動パターンから脱却することで、成長できる会社に変わります。

 

脱却するきっかけとして、外部からの経営コンサルタントの介入が挙げられます。

組織内での話し合いだと、なかなか解決できない課題があります。

ところが、外部の人間が入ることで互いに協力して課題をクリアしようとする行動に変わる人がいます。

あれだけ前に進まなかった問題が、一瞬で解決することもあります。

しっかり時間をかければ、批判をするだけでなく、課題を解決しようとするマインドに変わっていきます。

 

組織をまとめるのは非常に難しいですが、まとまったときのパワーは物凄いです(^^)

私も日々精進しようと思います。

今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます(^^)

 

私が使用したテキストと批評

中小企業診断士試験のためにさまざまなテキストや参考書を揃えました。

中には役に立ったものやそうでもないもいろいろありました。

私が実際に購入したものを紹介・評価しています。

良ければ参考にしてください。

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