企業経営理論

リーダーシップの理論|コンティンジェンシー理論(企業経営理論)

投稿日:2020年12月2日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

前回はリーダーシップの解説をしたのですが、長いので今回は続きを解説します。

リーダーのコンティンジェンシー理論です。

コンティンジェンシーは「偶然性」や「不確実性」という意味です。

英語の意味を覚えておくとよいです(^^)

コンティンジェンシーは以前にも出てきました。

ローリングプランとコンティンジェンシープラン(企業経営理論)

リーダーシップのコンティンジェンシー理論とは

「唯一最善のリーダーシップは存在しない。状況によって適合するリーダーシップは違う」

といった感じです。

 

前回の解説を読みたい方は下記のリンクからどうぞ(^^)

ちなみに読んでなくても大丈夫です。

リーダーシップの理論(企業経営理論)

 

ここで学べること

リーダーシップのコンティンジェンシー理論

  • フィードラーのコンティンジェンシー理論
  • ハウスのパス=ゴール理論:

その他のリーダーシップ理論

  • PM 理論
  • リーダー・メンバー交換理論(LMX 理論)

 

リーダーシップのコンティンジェンシー理論

ここでは2つのコンティンジェンシー理論を紹介します。

フィードラーのコンティンジェンシー理論

フィードラーは「状況によって違うタイプのリーダーが求められる」ことを分析しました。

リーダーのタイプは2つです。

  • 指示や命令を中心とした「仕事中心型」
  • 人間関係の配慮を中心とした「人間関係中心型」

どのような状況の時にどっちが求められるかの分析結果は、

  • リーダーが統制しやすい状況の時は「仕事中心型」が良い
  • 逆にリーダーが統制しづらい状況の時も「仕事中心型」が良い

ちなみに、統制しやすい状況とは「メンバーがリーダーを信頼し、仕事内容が明確でリーダー権限が強い」

てかどっちも「仕事中心型」じゃん(^^;)

じゃあ「人間関係中心型」はどのタイミングで必要なのでしょうか?

 

それは

  • どちらでもない中間的な時は「人間関係中心型」

ということです。

どこで判断するねんって感じですが、とりあえず理論として覚えておきましょう(^^)

 

ハウスのパス=ゴール理論

パス=ゴール理論は別名「目標=経路理論」ともいいます。

ハウスはリーダーの役割として、メンバーに目標とその報酬を示します。

そして報酬を得るための経路を伝達することが必要であると提言しました。

 

ちょっとブルームの「期待理論」に似ています。

期待理論は、「報酬の価値×得られる確率」でした。

 

リーダーに次のようなことを行いメンバーを動機づけします。

  • 得られる報酬が価値あるものであるとメンバーに明確に示すこと
  • 報酬を得られるよう課題を克服できる経路を示す

こんなことを言ってくれるリーダーだと、「ちょっとやってやろうかな」と思いますね(^^)

 

またハウスは参加的なリーダーシップが効果を発揮する環境として

  • 部下の能力が高い
  • 仕事のレベルが高い

と提言しています。

この環境なら、引っ張っていくよりも伴走する感じの方がうまくいきそうですね。

リーダーも相当プレッシャーを感じそうですが(^^;)

 

その他のリーダーシップ理論

リーダーシップの理論は他にもあります。

中小企業診断士試験で出題されたところを中心に2つほど紹介します。

PM 理論

三隅二不二によって提言された理論です。

この理論によるとリーダーシップは、

  • P 機能(Performance function:目標達成能力)
  • M 機能(Maintenancefunction:集団維持能力)

により構成されています。

P 機能は「目標設定や計画、実行を行い目標を達成する能力」です。

いわゆる「PDCA」を回せるリーダーですね(^^)

M 機能は「人間関係に配慮できる、チームワークを結束することができる能力」です。

いわゆる「気づかい」できるリーダーです(^^)

皆さんお分かりの通り、どっちもできるリーダーが優れています。

P機能ができるリーダーは大文字の「P」、苦手なリーダーは小文字の「p」に分類します。

M機能ができるリーダーは大文字の「M」、苦手なリーダーは小文字の「m」に分類します。

これを4つに分類したのが下の図です。

リーダーを4つに分類 P機能が得意「P」 P機能が苦手「p」
M機能が得意「M」 PM 型 pM 型
M機能が苦手「m」 Pm 型 pm 型

P 機能、M 機能がともに得意なPM 型のリーダーシップが高い生産性や成果を上げることができます。

まさに理想的なリーダーです。

これまで出てきた「ブレーク=ムートンのマネジリアル・グリッド」や「シャートルのオハイオ研究」と似ていますね(^^)

 

リーダー・メンバー交換理論(LMX 理論)

LMX 理論は、Leader-Member Exchangeの英語を略しています。

このように英語の正式名称を覚えておくと、どんな理論であるか想像できます。

中小企業診断士試験は範囲が広いので、知識が定着するように覚えておくのがコツです。

そうすることで、久しぶりに理論を見ても思い出しやすいです。

 

ちょっと話がそれました(^^;)

 

この理論では、リーダーとメンバーの関係に注目します。

リーダーはすべてのメンバーを平等に扱っていないことが多いです。

仕事がしやすい人もいれば、意見が合わない人もいますので当然起こります。

関係が近いメンバー(内集団)と遠いメンバー(外集団)がいることに注目しました。

 

当然ながらリーダーシップが発揮されるには有効な関係に依存しています。

これを有効な交換関係(Exchange)と表しています。

 

リーダは内集団を選びます。

内集団に選ばれるメンバーは、自分と考え方が似ていて能力が高いです。

そして、このメンバーに対してリーダが必要とする貢献行動を求めるとします。

貢献に対する報酬も示します。

 

内集団に選ばれているメンバーはリーダーとの信頼関係が強いので、積極的に参加します。

成果を高めるための資源や機会を積極的に活用します。

また多少のリスクを負いながらも仕事を進める傾向のもあります。

 

 

リーダーシップの理論はいろいろありましたが、だいたい言いたいことは似ています。

難しく考える必要はありません。

仕事ができて人間関係もうまくいくようなリーダーが優れているなんて当たり前ですよね(^^)

 

フィードラーのコンティンジェンシー理論はちょっと変わっていますので、覚えやすいですね(^^)

極端な状況の時は「仕事中心型」で、どちらとも言えないときが「人間中心主義」って感じですね。

中小企業診断士試験ではなんとなく覚えておくだけでも答えることができることが多いです。

ですので、完全に覚えていなくても先に進んでいきましょう。

狭く深く勉強すると試験範囲をカバーできるまでに時間がかかります。

広く浅く次々といってしまいましょう!

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