今回は「提携」について解説いたします。
提携とは「企業同士が協力すること」です。
現在は市場の変化が早いので、自社の経営資源だけでは追いつけなくなっています。
グローバル社会に勝ち残っていくために「提携」を行い互いの経営資源を合わせます。
最近は異業種で提携してシナジー効果を生むような事例もあります。
提携の種類
提携は2つ以上の企業が連携して事業展開を行うことです。
提携にはいろんな形がありますのでご紹介します。
合弁会社
複数の企業が新規事業を立ち上げるときに会社を設立することがあります。
それが「合弁会社」です。
別名でジョイントベンチャーと呼ぶこともあります。
合弁会社では「一つの企業ではなしえなかった事業を、複数の事業で力を合わせてより実現するよう推進していくこと」です。
お互いが外部の経営資源を活用することができるようになります。
以前に紹介したM&Aでも同じようなことが言えます。
しかしM&Aは多額の資金が必要なので、中小企業では実現が難しいでしょう。
合弁会社は比較的実眼がしやすい方法と言えます。
いろんな業界の連携「産学官連携」
別の提携としては、共同開発が挙げられます。
複数の団体が知恵を合わせて新しい技術を開発していくことです。
産学連携では「産」の企業と「学」の大学が協力して開発することです。
それに「官」の政府や自治体が協力する「産学官連携」があります。
企業が公的な試験期間を利用したり、支援制度を活用したりして新たな技術を開発していきます。
近年では大学に埋もれている技術にも注目しています。
中には新たな技術に発展しそうなものも存在します。
しかしそれが産業に活かされていないケースが多いです。
そこで平成10年に、大学等技術移転促進法(通称 TLO 法)が施行されました。
TLO(Technology Licensing Organization)「技術移転機関」は大学の研究成果を特許化し、それを企業に技術移転するための法人です。
産業界に活かされると収入を得ることができます。
企業はもちろんのこと大学にとっても新しい技術への投資ができるので、今後も期待されています。
また「大学ベンチャー」の設立が増えてきました。
これは大学にある技術を基に企業をすることです。
実際に事業化に成功している事例もありますが、経営能力やマーケティング力が必要となってきますので課題も多いです。
クロスライセンシング
別の提携として「クロスライセンシング」があります。
クロスライセンシングは特許などの権利を持つ企業同士が、互いに相手の特許を利用できるように提携することです。
通常は相手の特許を使用する場合には「ライセンス料」を支払わないといけません。
クロスライセンシングを行えば相互に権利を利用するので、コストを抑えることが可能です。
ただし特許は重要な経営資源ですので、自社にとってメリットがあるかどうかをしっかり検討したうえで提携する必要があります。
プラットフォーム・ビジネスは「場を提供する」
プラットフォーム・ビジネスというのは、場を提供することで手数料を徴収するビジネスです。
最近ではインターネットでものを売買できる場や、人材マッチングなど多岐にわたります。
インターネットでなくても物件を紹介する不動産会社などもこれにあたります。
インターネットを利用すれば時間も場所も抑えてビジネスを行うことができます。
また副業を始める方が多く、そうしたプラットフォームが流行しています。
「産業クラスター」と「産業集積」
クラスターとは「群れ」を表します。
産業クラスターとは、新事業が生み出される事業環境を整備して、競争優位を持つ産業が集まっていく状態です。
米国の経営学者であるマイケル・E・ポーターが提唱しました。
産業クラスターの代表例として、カリフォルニア州のシリコンバレーがあげられます。
産業クラスターは従来の産業集積とは違います。
それは協力と同時に競争を行っています。
単に協力するだけでなく、互いが競争することによってイノベーションがより活性化します。
産業集積では、指定地域に企業を誘致して整備することです。
しかし成功例が少なく効果も少なかったです。
日本でも、経済産業省を中心に動きがあります。
平成 13 年度から産業クラスター計画」が推進されています。
各地域においてイノベーションやベンチャー企業が次々と生み出される取り組みがなされています。
まとめ
今回は提携についてでした。
ちなみに、私の実務範囲外でしたので少し概念的な話になりました。
こういった大きい仕事にも携われたらと思います(^^)
今回の内容をまとめると、
- 「合弁会社」は志の近い会社が一緒に設立する
- 「産学官連携」は企業と大学と政府が連携
- 互いの特許を利用し合う「クロスライセンシング」
- メルカリやココナラなどのプラットフォーム・ビジネスが流行ってきている
- 「産業クラスター」は協力しながら競争して新しい価値を生み出す
私もブログを通じていろんな人と一緒になって中小企業診断士を盛り上げていきたいです!
私は通信教育をおすすめします!
私は通信教育をきっかけに独学で中小企業診断士試験を合格しました。
通信教育は非接触で手軽にどこでも勉強できるのでおすすめです!
学習は何でも良いので継続すれば大きな力になります。
もしどんな勉強を始めたらよいかわからない方がいらっしゃったら、中小企業診断士をおすすめします。
どこの業界でも通じる経営の知識がたくさん見につくからです(^^)
中小企業診断士を目指したいけれどもどのように勉強すればよいかわからない方に
知識ゼロから独学でストレート合格を目指すことができるおすすめの通信教育を紹介しています。
ぜひ参考にしてください!