企業経営理論

国際化について(企業経営理論)

投稿日:2020年11月12日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は「国際化」について解説します。

私は日本にいる外国人の方に研修をする機会がありました。

皆さんとても優秀なので、研修の内容をほとんど理解している感じでした。

以前よりも国境を超えてビジネスが展開されるようになっています。

最近は感染症の影響で人の交流はなくなっていますが、経済発展のためには絶対必要になってくるでしょう。

 

国際化には段階がありますので、今回は順番に説明していきます。

 

国際化の段階

国際化の段階は主に4つです。

輸出入

まずは輸入と輸出です。

日本の企業が海外のものを調達したり、製品を海外で販売したりすることです。

私はこれがどっちがどっちかわからなくなってしまいます。

輸入:日本の企業が海外から原材料や調達(モノを入れる)

輸出:日本の企業が海外でものを売ること(モノを外に出す)

輸入は海外からモノが入ってくるので「モノを入れる」、輸出は海外にものを出すので「モノを出す」で覚えてください。

 

日本製は原材料が少ないですが、ユニークな製品を作成する技術を持っています。

海外から原材料を「輸入して」製品を外国に「輸出」するケースが多いです。

 

海外生産

 

海外生産では日本企業が海外で生産することです。

日本の製品技術を海外の安い労働力を使って、生産コストを下げることができます。

 

実は中小企業においても海外生産が進んでいます。

一つはコスト面で競争力を高めることです。

もう一つは、大企業の下請けとして一緒に移転するケースです。

大企業の生産拠点が移ることによって、それに付随して移転を要請されます。

 

ちなみに、海外生産ではいろんな方法があります。

直接投資して現地法人を設立することもできますが、リスクが高いです。

リスクを抑える選択肢として、

  • 現地の企業に生産を委託する
  • 現地企業と提携する
  • 現地企業と合弁会社を設立する

 

いずれにしても海外展開はリスクがありますが、現地企業と協力することでリスク管理が可能です。

 

市場立地型投資

市場立地型投資は現地に販売拠点を設けます。

営業拠点があると営業先の開拓や提携先を見つけることも可能です。

 

また海外のニーズを収集することができるので、製品開発に活用することができます。

これはコスト削減を目的とした海外移転が中心でしたが、海外の市場を開拓するという一歩進んだ展開です。

 

グローバル化

最終段階は「グローバル化」です。

この段階では国境を超えて世界中に生産拠点や販売拠点を持っている状態です。

世界が一つの市場と閑雅ている状態です。

どこに拠点を置くかは立地・コスト・リスクなどを考慮して展開します。

 

ここまでの展開は大企業に多く、中小企業では珍しいです。

 

国際化を検討する要件は

グローバル化を目指す場合に考えないといけないのは「自社が扱っている商品が向いているかどうか」です。

事業の特定を考えると、必ずしもグローバル展開を目指す必要はありません。

 

ではどういったものが向いているのかですが、主に下記の4つです。

  • 大規模になるほどコストが有利になる(規模の経済がはたらく)
  • 製品の固定費が高い
  • 各国の許認可を必要としない
  • 現地の習慣や文化に対する配慮をあまりしなくて良い

各国の許認可や文化・習慣に配慮が必要であれば、現地市場へ適応する必要があります。

 

これに完全に合致するとは限りませんので、海外展開すべきかは慎重に検討をする必要があります。

 

国際化のリスク

経営資源が限られている中小企業が海外進出する場合、特にリスクを回避することを考えなければいけません。

  • 出資形態をどうするか
  • 立地をとこにするか

この辺りのリスクを低減するにはどうするか解説します。

出資形態

単独出店

単独出店は日本の会社が100%出資することです。

本社が完全にコントロールすることができますが、投資額など経営資源が大きくなるのでリスクが高いです。

 

合弁会社

合弁会社は海外のパートナー企業を見つけて一緒に出資することです。

投資額は出資比率が少ないほどリスクが少なくなります。

またパートナー企業の経営資源を活用することができます。

仕入れ先や販路など、一社ではすぐに入手することができない資源を比較的短期間で手に入れることができます。

 

しかし合弁会社はパートナー企業と歩調を合わせて事業を進める必要があります。

ですので、自社が思うようにできない可能性が考えられます。

また大事な情報が流出するリスクがあります。

せっかく差別化されていた付加価値の高い製品がマネされてしまって、競争力を失うかもしれません。

そのためパートナー企業を選別には慎重に進めなくてはいけません。

ただし、パートナー企業とは守秘義務や模倣を禁止する契約を結ぶことになります。

それでも情報が流出する可能性は否定できません。

情報を手に入れても技術が足りなくてマネできないこともありますが、細心の注意が必要ですね。

 

立地

立地は「どこの国で活動を行うか」ということが課題になってきます。

 

企業の活動は「生産」以外にも、材料を調達する「購買」、製品をキャッシュへとつなぐ「販売」、価値ある製品を生み出す「開発」などがあります。

これらはバリューチェーンと呼ばれています。

過去のブログでも書きましたが、一つの価値活動が効率的にできるように考えます。

 

国の選択はどのように選定するかですが、その国の政治・経済や習慣等を考慮します。

わかりやすい例では、内戦が勃発しているような国ではビジネスどころではありません。

急に法律が変更されたりお金の価値が急降下したりすると商売に大きな影響が出ます。

これを「カントリーリスク」と言います。

 

一般的には発展途上国はカントリーリスクが高い傾向にあります。

そういった情勢を十分調べたうえで進出するかどうか決断します。

これを決断するストレスはすごそうですね(^^;)

 

まとめ

今回は国際化について代表的な例を挙げてみました。

最後にまとめると、

  • 国際化は主に4段階「輸出入」「海外生産」「市場立地型投資」「グローバル化」
  • 規模の経済がはたらいて現地の習慣に影響されないものが海外移転に向いている
  • 国際化は投資リスクが高いので現地企業との協力でリスク低減
  • 特にカントリーリスクを考えて進出する

といった感じです。

製造業では生産コストを抑えることで価格競争力が高まります。

また最近は「ファブレス」という、生産を外部に委託して開発に特化した企業も多くなっています。

ベンチャー企業は大きな設備投資ができないので、こうした体制でビジネスに挑戦しています。

個人で新しい製品を開発している人もいます。

通信手段の発達によって、いろんなビジネスの可能性がありますね(^^)

 

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