コンサル実務 5S活動

5S活動「あかふだ作戦」のコツは2つ

投稿日:2021年5月15日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

私は組織を活性化する手法として「5S活動」を推奨しています。

5S活動を組織的に実行することで、

  • ルールが守れる組織になった
  • 自分たちで計画を立てることができるようになった
  • 自ら課題を見つけて解決するようになった

といった効果があります。

今回はその中で「あかふだ作戦」という手法とうまくいくコツをお伝えします。

 

5S活動とは

5S活動とは「工場などの生産現場における改善の基本となる考え」です。

生産現場以外にも間接部門などの職場にも適応して、職場全体をキレイにします。

具体的な活動は5つです。

  • 整理:不要なモノを捨てる
  • 整頓:必要なモノをキレイに並べる
  • 清掃:掃除をする
  • 清潔:汚れないようにする
  • 躾:ルールを守らせる

といった活動の頭文字をまとめたものです。

 

あかふだ作戦とは

「あかふだ作戦」というのは、なかなか捨てられないものを一気に捨て去る技法のことです。

いるものといらないものを分ける基準を決め、いらないものに対して赤い札(テープ)を貼って回るという手法です。

 

赤札の赤は工場の垢を示し、危険な色をイメージするためです。

 

実施する日にちを決めて、全社一斉に実施します。

作戦のおおまかな手順は以下の通りです。

  1. 不用品と判断したモノに赤い札(シール)を貼る
  2. 貼られたモノを一箇所へ集める
  3. 札が貼られたものはリスト化する
  4. リストから本当に不要かどうか判断する

赤札の項目としては

  • 区分:在庫か機械かなど
  • 品名
  • 数量
  • 理由
  • 責任者:赤札を貼った人
  • 日付:赤札を貼った日付

こういった内容を札に書いてモノに貼ります。

写真撮影もしておくとよいでしょう。

書く内容が多いと面倒なので、担当者と日付ぐらいでも良いです。

 

あかふだ作戦のコツ

ある会社に訪問し、この「あかふだ作戦」を一緒にやりました。

最初のうちは「うちの現場には不要なものなどない」「必要なものばかりなので、なぜ捨てるのかわからない」などの声がありましたが、この「あかふだ作戦」の技法を用いると、たった20分の間に、いらないものが山積みになりました。

こんな簡単にできるのに、どうして普段は捨てられないのでしょうか。

 

それは、

  1. いるものといらないものを分ける基準がない
  2. 判断ができる人(工場長や社長)が判断をしないから

の2点に絞られます。

逆に考えると、この2点をしっかり行えば、不要なモノを捨てることができます。

 

不要な基準を合意する

あかふだ作戦を実施するときに重要になってくるのが、捨てる基準です。

これを実施前に決めておかないと、実行中に混乱することになります。

 

それは「人によって不要なモノが違う」からです。

例えばある人にとっては全く使用しないものでも、別の人からするとたまに使用しているモノがあります。

基準を決めておかない場合、必要なモノと判断されるでしょう。

しかし使用する頻度が少なかったり、長期間使用されていなかったりします。

 

あかふだ作戦を開始する前に、

「3か月間使用していないモノ」

「向こう6か月間は使用しないと予想されるモノ」

といった感じでメンバー間で不用品の基準を共有します。

そうすることで、あかふだ作戦をスムーズに実行することができます。

 

最終判断をしやすくする

もう一つは、決裁者に判断してもらいやすいようにリスト化することです。

 

あかふだ作戦を実行して、不用品と判断されたモノは即捨てるわけではありません。

明らかに不要なモノを除いて、一か所に集めます。

その時に写真撮影をして、不用品をリスト化します。

不用品のリストを責任者に見てもらうことで、最終的な要不要の判断を行います。

 

「そんなことしなくても現場に来てもらったらわかるじゃん」

って意見もありますが、責任者の方は毎日いろんな判断をしています。

現場が多いとすべての区画を回るのにかなり手間がかかります。

なるべく時間をかけずに判断ができるようにしておくことで、決断してもらいやすくなります。

現場に来てもらって判断してもらえる時間があればベストですが、リスト化してデスクに置いておくことで「決済しやすい仕組み」を作ります。

 

まとめ

今回は5S活動の「あかふだ作戦」について解説しました。

最後にあかふだ作戦を成功させるコツは

  • 要不要の基準を決める
  • 決済者の判断をしやすくする

といった感じです。

個人の部屋の片付けであれば、こうした仕組みがなくても実行できますが、組織的に整理を実行するときには仕組みが必要です。

仕組みがあることで、決断を遅らせることなく確実に実行できるようになります。

不用品がなくなるだけでも作業の生産性は向上します。

探す時間の短縮や、現場の安全性向上、通路の確保といった効果が出ます。

ぜひ実践してください!

 

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また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。

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