財務・会計

原価計算の概要(財務・会計)

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回から原価計算について解説します。

原価計算も中小企業診断士試験では良く出題されます。

原価の出し方はいろいろありますが、出題のされ方はパターン化しています。

ここで解説を見た後は、過去問で対策して下さい。

今回は最初なので、そもそも原価とは何か?からスタートします。

試験重要度 ★★★★☆

原価計算は中小企業診断士試験で頻出の論点です。

特に計算問題が多数出題されています。

今回紹介する概要は、ベースの考え方です。

試験で特典を取るためには、概要を理解していなくても解き方を理解すれば対応できます。

しかし重要テーマには違いないので、星4つとしました(^^)

 

原価とは?

原価計算は、製造業で必要なことです。

財務諸表の貸借対照表や損益計算書とは別に「製造原価報告書」というのを作成します。

ここでそもそも原価とは何かを考えてみます。

原価は、簡単に言えば、「作るのにかかったお金」です。

製品を作るにはいろんなものが必要です。

  • 製品の元となる材料
  • 製品を作る人
  • 製品を作る設備や動力など

このようなものを揃えて生産します。

また、広く原価を捉えると、

  • 製品を販売する営業員
  • 製品を宣伝する広告

といった販売の側面も考えられます。

こどちらかというと「販管費」って感じですが(^^)

原価は、このような生産活動、販売活動でかかったお金を測定したものです。

 

原価計算の役割とは

原価計算は、主に作るための費用にかかったお金を適切に測定することです。

なぜこのような計算をするでしょうか?

原価計算の役割は2つあります。

  • 利益を正確に知って財務諸表を作る
  • 原価の詳細を知って経営に役立てる

といった感じです。

利益を正確に知って財務諸表を作る

原価計算の役割は、1 つは利益を正しく測定して記録することです。

例えば、ここに販売価格が100万円の自動車があります。

この自動車 1 個を販売した時、どのくらい利益が出ているかをどう計算しますか?

販売価格から、

  • 作るのにかかった費用
  • 売るのにかかった費用

利益は、原価がわからないと計算できません。

つまり利益は、売上から原価を引いたものになるからです。

これには原価計算をしないと、損益計算書の利益を計算することができません。

特に製造業の企業では、財務諸表を作成するために原価計算が必要です。

 

原価の詳細を知って経営に役立てる

また、原価計算は、社内での利益管理に役立ちます。

原価の構造を詳しく知ることで、どこにどれだけ費用がかかっているかを知ることができます。

これらのデータは経営判断に使うことができます。

また原価計算によって原価の構造がわかれば、どの部分の原価を引き下げることができるかを検討することができます。

販売価格を決定したり、どこまで値下げできるのかを検討したりすることもできます。

 

原価の構成

一言で原価といっても、さまざまな要素で構成されています。

次は原価の構成について解説します。

どのような要素があるかを図にしてみました。

原価を構成する項目には様々なものがありますので、原価を項目ごとに分類することが必要です。

 

 

製造原価

製造原価は「製品の製造にかかった原価」です。

一般的に、原価と言えば「製造原価」を表すことがほとんどです。

ここから説明する原価計算では、主に製造原価を扱います。

製造原価には「直接費」と「間接費」があります。

 

総原価

総原価は「製造原価」と「販売費及び一般管理費」を合わせた費用のことを言います。

製造原価報告書には「生産活動」でかかった費用が計上されます。

ですので販管費は製造原価としてのイメージはあまりないです。

ただ広い意味では製造原価と捉える考え方もあります。

 

総原価は、

  • 生産活動(作るのにかかった費用)
  • 販売活動(売るのにかかった費用)

これら全ての費用であり、原価を広く捉えたものです。

 

製品の販売価格

また総原価に利益を上乗せすることで、「製品の販売価格」になります。

製造原価のまま販売してしまっては、経営を続けることはできません。

自分たちが生み出した製品に対して利益を乗せることで、経営を持続することができます。

またこれまでと違ったことや、やったことのない新しいことなどにも挑戦することができます。

社員にボーナスを支払うことで、モチベーションを高めることもできます。

利益をどれだけ乗せるかは判断が難しいです。

これは以前のブログで書いたことがあります。

価格決定の戦略(企業経営理論)

参考にしてみてください!

 

製造原価の分類

次に製造原価の分類を解説します。

製造原価は、製品の製造工程で発生する原価です。

製造工程では、

  • インプットとして材料や労働力などを投入
  • アウトプットとしての製品を生産

という工程でものが生産されていきます。

投入したインプットには、いろんな資源があります。

それを細かく分類することで、原価を分析することができます。

分類には、

  • 品目別の分類
  • 直接費と間接費による分類

といったものがあります。

費目別の分類

投入したインプットの「原価を費目別に分類」すると

  • 材料費
  • 労務費
  • 経費

に分けられます。

 

「材料費」は、投入した原材料や部品などの原価です。

「労務費」は、投入した労働力に対する原価です。

例えば、作業者に対する賃金や各種手当て、法定福利費などがあります。

作るのに関わった人は製造原価の労務費に入ってきます。

売るのに関わった人は販管費の人件費や給与に入ります。

ややこしいですが、覚えておいてください。

「経費」は、材料費、労務費以外で製造にかかった費用です。

例えば、工場や設備の減価償却費や水道光熱費などがあります。

 

直接費と間接費による分類

さらに、原価は

  • 直接費
  • 間接費

に分類できます。

 

「製造直接費」は特定の製品に関連付けることができる費用です。

例えば、パソコンの部品であるハードディスクを 1 万円だった場合、それを組み込んだパソコンの材料費は 1 万円です。

このように、特定の製品に関連付けられる原価が製造直接費です

 

「製造間接費」特定の製品に関連付けることのできない費用です。

特定の製品にいくらかかったかが明確ではないということです。

例えば、工場の減価償却費や水道光熱費は、工場全体で発生するため、そのままでは特定の製品の原価がわかりません。

このように、特定の製品に関連付けられない原価が製造間接費です。

 

ただし、製造間接費であっても、製造にかかった費用であることには変わりはありませんので、製品の原価に含める必要があります。

そのため、製造間接費は、なんらかの基準で製品に配賦する(割り振る)必要があります。

製造した時間や材料の重さといった感じで割り振ります。

例えば時間で配布する場合は、

  • 1日の電気代が800だった
  • A製品の製造時間が6時間
  • B製品の製造時間が2時間

こんな状況だったとすると、A製品には製造間接費が600、B製品には200と割り振られます。

最近はABC(Activety Base Costing)という考え方も浸透してきました。

間接費もできるだけ製品別に把握しようとする考え方です。

 

配賦については原価計算の手順の中で計算します。

 

原価の構成は6つに分類

ここまでで、製造原価を費目別と直接費・間接費で分類してきました。

これらを組み合わせると 2×3で6 つの分類ができます。

 

「製造直接費」は、

  • 直接材料費
  • 直接労務費
  • 直接経費

という分類ができます。

「製造間接費」は、

  • 間接材料費
  • 間接労務費
  • 間接経費

に分類ができます。

 

直接材料費は、「主要材料費」、「買入部品費」が該当します。

これらは特定の製品に関連付けができる材料費です。

 

直接労務費は、特定の製品の製造ラインで働く人への人件費です。

直接経費は、外注加工費のように、特定の製品に関連付けられる経費です。

 

間接材料費は、「補助材料費」、「工場消耗品費」など、個々の製品との結びつけが難しいものです。

 

間接労務費は、特定のラインに属していない管理者、工場長の人件費などが例として挙げられます。

これも特定の製品に結びつかない費用です。

 

間接経費は、工場や設備などの減価償却費や水道光熱費などです。

 

このような各種の原価が組み合わさって、製品の製造原価が構成されます。

 

ここに「売るための費用である」販売費及び一般管理費を加えると総原価になります。

この総原価に、営業利益が追加されて、製品の販売価格になります。

 

最後に

今回は製造原価についての入り口「製造原価の概要」について解説しました。

ここから何回かに分けて原価の世界に入り込んでいきます。

中小企業診断士試験では、計算問題も含めてかなり出題されます。

対策はやっぱり過去問です。

できれば過去問の解説まで書きたいのですが(^^;)

頑張って解説は続けていきますので、また読んでいただけると嬉しいです!

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