財務・会計

商品売買に関する仕訳について|簿記の基礎(財務・会計)

投稿日:2021年1月28日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

前回は簿記の基礎について、概要を説明しました。

今回は簿記に登場する重要な仕訳について、具体例を入れながら解説していきます。

簿記の概要から学習したい方は下記のリンクから読んでください!

簿記について(財務・会計)

 

簿記に登場する仕訳はたくさんあります。

いきなりそれらを覚えるのは難しです。

まずは重要な仕訳から覚えていって、少しずつ知識をつけていってください。

そうすることで、だんだんと慣れてきます。

慣れてくると新しい知識に対して、割とすんなり覚えることができます(^^)

 

商品売買に関する仕訳(現金)

最初は商品の売買に関する仕訳から解説します。

商売で一番多いパターンは「商品を仕入れて販売する」です。

製造業では仕入れた材料に付加価値をつけて商品化します。

サービス業であれば、モノの代わりにサービスを提供します。

 

さまざまな商売の形態がありますが、仕入れて販売する商売を考えてみます。

商品売買では、「三分法」という方法で記録します。

三分法は名前の通り、品売買の仕訳を3つの勘定科目で行います。

  • 仕入
  • 売上
  • 繰越商品

この3つです。

仕入(現金取引)

仕入れを行った場合の仕訳は、

勘定科目は「仕入」を使います。

例えば、現金100を使って仕入れた場合の仕訳は

借方 貸方
仕入 100 現金 100

 

仕入れたときに現金を支払っていますので、現金は減少します。

現金は「資産」なので、資産の減少は貸方(右側)に書きます。

仕入は「費用」なので、費用の増加は借方(左側)に書きます。

 

この時に「商品」という試算が増えていますが、三文法では商品の増減は期中の取引では考慮しません。

決算整理の時にまとめて計算します。

 

売上(現金取引)

次は商品を売り上げたときです。

商品を売り上げたときは、「売上」という勘定科目を使って仕分けします。

例えば仕入れた商品を200で販売した時は、

借方 貸方
現金 200 売上 200

この例では代金を現金で受け取っています。

現金という「資産」が増加したので、借方(左側)に書きます。

売上は「収益」なので、収益の増加は貸方(右側)に書きます。

 

商品売買に関する仕訳(掛取引)

実際の企業間取引では、現金ではなく「掛取引」が行われます。

掛取引の場合は、仕入れや売り上げの際に商品を先に渡して、代金については後払いという取引です。

商品を仕入れたほうは「買掛金」、商品を販売したほうは「売掛金」が発生します。

事例を紹介しながら仕訳方法を説明します。

 

仕入(掛取引)

仕入の場合、現金ではなく「買掛金」の勘定を使います。

商品を仕入れて代金は掛にした場合、

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

買掛金は「負債」です。

買掛金は商品を仕入れる際に生じる負債です。

なぜなら、代金を支払う「義務」が発生しているからです。

「義務」は「負債」ですので、覚えておいてください。

 

買掛金は後日、仕入れ先に代金を支払います。

月末に代金を支払った場合は、

借方 貸方
買掛金 100 現金 100

仕入によって買掛金という「負債」が100ありましたが、支払ったことにより「義務」を果たしました。

買掛金がゼロになるので、借方(右側)に買掛金を書きます。

これで、貸方(左側)に書いていた買掛金を相殺することができます。

負債の減少は借方(左側)に記入する点を覚えてください。

売上(掛取引)

今度は売り上げた代金を掛け取引で行った場合です。

勘定科目は現金ではなく「売掛金」を使用します。

先ほどと一緒で商品200を販売した場合、

借方 貸方
売掛金 200 売上 200

売掛金は勝因を販売した時に発生する「資産」です。

なぜ資産になるかは、代金をもらえる「権利」があるからです。

「権利」は「資産」です。

このように覚えておくと、後から出てくる「経過勘定」にも対応できます。

後日、売掛金から現金を回収します。

その時の仕訳は次の通りです。

借方 貸方
現金 200 売掛金 200

権利である売掛金の200は代金の回収によって消失します。

資産である「売掛金」の減少は、貸方(右側)に書きます。

これにより借方(左側)に発生していた「売掛金」を相殺します。

 

返品と値引について

次は商品が返品や値引をした場合はどう仕分けするか説明します。

返品

商品を注文したが、違うものが送られてきたり不良品だったりした場合、返品して代金を返金することがあります。

返品が行われるときには2つの立場があります。

  • 商品を仕入れた側が返品する「仕入戻し(仕入返品)」
  • 販売側が返品に応じる「売上戻り(売上返品)」

まず仕入戻しから解説します。

商品を仕入れた側が返品した場合、返品した仕入は相殺して取り消します。

例を挙げてみます。

「商店A」と「メーカーB」が取引をします。

商品を100仕入れましたが、そのうち50が品違いのため返品します。

まず最初の取引は商店Aが掛取引で商品を100仕入れました。

この時の仕訳は、

借方 貸方
仕入 100 買掛金 100

商店Aが仕入れた商品を50返品した場合の仕訳は、

借方 貸方
買掛金 50 仕入 50

この仕訳をすることで、仕入勘定と買掛金勘定の50が取り消されます。

逆側に勘定科目を書くことで相殺することができます。

 

次は売上戻りです。

商品を販売した側が返品に応じて代金の返金を行う場合です。

先ほどの商品を100仕入れて50返品する取引を、メーカーB側に立って仕訳をします。

 

まずメーカーBが商店Aに商品を100販売した時の仕訳です。

借方 貸方
売掛金 100 売上 100

そしてメーカーBが50を返品に応じた場合は

借方 貸方
売上 50 売掛金 50

この仕訳をすることで、売上勘定と売掛金勘定が50ずつ取り消されます。

 

値引について

値引とは、売買した商品にキズや汚れがあった場合などに、返品するのではなく、代金を引き下げることです。

例えば、仕入れた商品にキズがついていたため、代金を当初よりも安くしてもらうことを指します。

値引の場合についても返品の処理と同じです。

二引きの金額分だけ相殺すればよいだけです。

例えば商店AがメーカーBから商品を仕入れたときです。

商品に少し傷があったので、商店Aが50値引してもらった場合は、

借方 貸方
買掛金 50 仕入 50

これで買掛金勘定と仕入勘定を減少させます。

逆に値引きに応じたメーカーBの仕訳は、

借方 貸方
売上 50 売掛金 50

これにより、売上と売掛金が 500 ずつ減少します。

 

最後に

今回は商品売買に関する仕訳について解説しました。

ゆっくり文章を読んでいただければ、単純なことだと思いませんか(^^)

基礎的ですが、ここをしっかり理解しておかないとだんだんついていけなくなってしまいます。

ゆっくりで結構ですので、一歩ずつ進んでいきましょう!

次回は手形や有価証券について解説したいと思います。

次回分のその2はこちらのリンクからお願いします。

商品売買に関する仕訳について2|簿記の基礎(財務・会計)

今回を最後まで読んでいただきありがとうございます(^^)

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