こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回は5S活動で経費削減というテーマで解説をします。
5S活動の目的は、職場環境をきれいにする以外にも、付随的な効果を期待できます。
例えば、自分たちで作った目標を自分たちでこなしていくことで「目標管理」を実践で学ぶことができます。
今回は5S活動で経費削減効果があった事例を紹介したいと思います。
その前に自分の家の出来事に触れときます。
自分の家を5S
先日のことですが、自分家の棚を整理しました。
棚には主に小学校や保育園から定期的もらうプリントがあります。
最初は余裕があったのですが、次第に増え始めてきました。
もうこれ以上はいらない状態になったので、一度中身が必要なモノかを精査することにしました。
棚に入っていたプリントを全部取り出して、一枚ずつ必要なモノかを確かめました。
すると棚に入っていたほとんどが不必要なものだということが判明しました。
それらを整理すると、棚の収納スペースが十分確保できました。
仕事柄5S活動を支援しておりますので、自分の家も整理整頓しておかないと説得力がありませんね(^^;)
事例1 5S活動で倉庫が不要に
以前ある企業の5S支援をしていた時のことです。
会社の資料が増えすぎて収納場所に困ったので、わざわざレンタル倉庫と契約をして、そこに資料を保管していました。
会議の時に、
「いらない書籍や資料を捨てたら、空いたスペースを活用できるのではないですか?」
と尋ねたところ、
「いらない書籍や資料などない。だから捨てられない」
と反発を受けたことがありました。
「古い資料だと、どれくらい使われていないのですか?」
と尋ねたところ、10年近く前の資料が眠っている様子。
それが今後使われる可能性はどのくらいかと聞くと、
「絶対に使わないとは言えないが、使われるかどうかはわからない」
とのことでした。
そこで社長にご判断いただいて、3年以上使われていない資料は捨てるという事になりました。
その結果、棚が大幅に空き、レンタル倉庫との契約もしなくて済みました。
その後、捨てた資料が必要になって右往左往した、という話は聞いていません。
事例2 5S活動でスペースを有効活用
別の会社では、倉庫にモノを詰め込みすぎている事例がありました。
金型を倉庫から取り出すのに半日かかることもあり、生産性を大きく下げる要因でした。
倉庫にフォークリフトが移動できるスペースを作り、入りきれないモノは新しい倉庫を作るような話になりました。
しかし建ぺい率の関係で、新しい倉庫を建てることができません。
話が行き詰まってしまいました。
ただ、よくよく考えてみるとモノがたくさんあるため置けないだけで、工場のスペースはそこそこありました。
皆さんで知恵を絞って、いらないモノを片付けて新しい置き場を確保しました。
それからモノの置き方について統一したルールを作って、会社全体で共有しました。
これらのことを実行して、倉庫や生産性の問題を解決することができました。
このように5S活動をやれば、スペースが確保できるので、余計な経費の削減にもつながります。
余談「ナレムコの統計」
5S活動のスタートは「整理」です。
つまり「いらないモノを捨てる」ことから始まります。
しかし
「これは使うので置いておく」
「念のため保管しておきたい」
といった感じで、捨てることに対して抵抗されることがよくあります。
しかし実際にはほとんど使われることがないモノが多いです。
ここで紹介したいのが、「ナレムコの統計」です。
ナムレコの統計とは、米国の記録学会が行った調査統計です。
それによると、作った文書が後日参照される確率は、作成から半年で10%、作成から1 年で1%になるそうです。
つまり事務員が見る文書の99%が、作成・収集されてから1年以内のものだったのです。
よく見る文書は1年以内のもので、1年を超えた文書は100回に1回の割合で見るに過ぎません。
よって文章の保管は、最大2年分置いておけば事足ります。
後から見ることばかり考えると、それ以上にスペースを圧迫し、必要な書類が埋もれて探す時間が長くなります。
どこか基準を決めて思い切って捨てること。
それが新たなスペースを増やすことになります。
法律上保管する必要がある書類以外は、みんなで相談して進めていきましょう。
最後に
今回は5S活動により経費が削減できる事例を紹介しました。
家でも会社でも「もったいない」といって、たくさんいらないものを保管していることがあります。
しかしその分スペースを奪ってしまいます。
引っ越ししたばかりの時は、広かった部屋も、しばらく経つと狭く感じます。
どんなに広いスペースがあっても、あっという間にモノで溢れてしまいます。
新たな物置スペースを確保することになると、費用がかかります。
追加投資をする前に「余計なモノを保管していないか」もう一度確かめてみましょう!
5S活動を通して、強い会社を作って下さい(^^)