コンサル実務 5S活動

5S発表会の意味とは?

投稿日:2021年5月10日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

会社の改善活動をしたいけれども、どのようなことをすればよいかわからない場合5S活動を推奨しています。

なぜなら5S活動は会社の新人からベテランまで参加することができるからです。

そして活動の中でコミュニケーションを取ることによって、社内が活性化します。

今回は5S活動の発表会の意義や効果を、実例を取り上げて解説いたします。

5S発表会とは

5S活動とは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の頭文字をまとめたものです。

会社にある無駄なものをなくして生産性を上げる活動です。

私はコンサルタントとして5S活動の支援をしています。

活動した結果は成果発表会という形で、皆さんの前で報告をする機会を設けます。

感染症の問題で一堂に大勢集めることが難しくなっていますので、zoomを使用して報告をするなど工夫をしています。

「そこまでして発表会をする必要がるのか?」

という意見も出てきます。

 

当たり前ですが発表会をするには、準備をしなくてはいけません。

資料をまとめることはもちろんですが、発表するときの担当者を決めたり、報告の練習をしたりします。

通常業務に加えてこれらのことをするので、従業員の方の負担は大きくなります。

通常業務以外のことなので、

「こんなのやっても無意味だよ(^^;)」

こんな声が聞こえてくるのは当然ですよね(^^)

 

このブログを書くつい先日も、「5S活動を発表する必要があるのか」という意見が出ました。

本当にこの質問はよくされます。

特に発表をさせられる側の方々から。

 

ある製造業の幹部の皆さんの前で5S活動発表会の必要性を話した時に、「そんなことはやって意味があるんですか?」と結構な時間、詰め寄られたこともありました。

しかし、発表会は絶対にするべきです。

 

そういう時は、5S活動発表会のメリットを説明するのですが、言葉で説明しても臨場感がありません。

ですので、なるべく臨場感が出せないかと試行錯誤して、ある企業での5S活動発表会の模様をお伝えします。

 

その企業の社員さん達が

  • どのような準備をしたのか
  • どのような発表をしたのか
  • 表彰を受けた後にどのような感想を持ったのか

このようなことを実例を紹介することで、メリットを感じてもらえるように伝えます。

 

実例企業の紹介

実例に挙げる企業は、大阪にあるアパレル関係の企業です。

詳しくは書くことができませんが、従業員は80名ほどでパートさんが中心の会社です。

 

5S活動を始めてちょうど1年目に、全社員と有志のパートさんを集め、5S活動発表会をやりました。

18グループもありましたので時間はなんと9時間でした!!

2日間に分けてリモートにて実施しました。

 

この企業さん、5Sを始める前の会社の中は、お世辞にもきれいと言えるものではありませんでした。

棚に積もったホコリ、無造作に置かれた仕掛在庫、工具や材料の置場もバラバラ、設備のメンテはほとんどしない。よくここでものづくりが出来ているなという状態でした。

5Sを通じて従業員の自主性を伸ばしたいという経営者の思いのもとでスタートしました。

小集団活動となるよう、18グループに編成。リーダーを任命し、皆で考え、皆で守ることが基本の5S活動をスタートしたのでした。

 

私の印象に残った3つグループについてお話をします。

それぞれ違うタイプですので、いろんな効果を感じていただけます。

積極的なグループAの事例

第一に、ある女性社員がリーダーを務めたグループのことです。

その女性社員は、5S活動を始めた当初から積極的でした。もともと、当社の他の職場とくらべてもきれいな職場でした。

私が職場巡回をすると、自分が1ヶ月間に行った改善を一つ一つていねいに説明してくださることが印象的でした。

5S活動を始めて半年ほどがたった時、5Sのリーダー同士が集まって、日頃の悩みを話し合う機会を設けました。

中には「部下が5Sをやってくれない」「社長が5Sを率先していない」「忙しいからできない」といったネガティブな声が出る反面、その女性が発言したことを私はとてもよく覚えています。

「私はいつもお客様が工場見学に来られた時に、恥ずかしい思いをしていました。いつも散らかっていて、雑然としているからです。

でも5S活動を始めて、今ならばお客様に来ていただいても恥ずかしくありません」

彼女のこの声に、私はひとかたならぬ5Sにかける意気込みを感じました。

その女性社員が5Sの活動成果を、パワーポイントを使って全社員の前で話をしています。

発表時間が過ぎましたが、どうしても話したいことがあるようで、時間を延長して説明を続けます。

すると突然、彼女の声が震えだしました。目には涙をためて、言葉に詰まるようす。

1年間の活動を振り返り、ご自身が感極まったのでしょう。

まわりを見渡すと、そのような彼女の姿に感じるものがあったのか、目頭を押さえる人もいました。まあ、それは私自身のことなのですが。

彼女は5S活動について、仕事が忙しい中でも一生懸命に自分の役割を全うしてきました。

それが発表会という「他人に認められる場」で、一気に昇華したのだと思います。

その姿を見て「涙を流すほどに活動に入れ込んだのだ」という気持ちが起こり、彼女がどれほどまでに本気で取り組んだのかがわかりました。

その本気が伝わることで、聴く側の心までも揺さぶったのでしょう。

 

絆が深まったグループBの事例

2つ目のグループはある課長さんがリーダーを務めたグループのことです。

その課長さんに、私はとてもスマートな印象を持っていました。第一印象は、明るく性格だろうなと思ったことを覚えています。

活動を始めた当初、職場をどのように変えるのか、計画を聞かせてもらった時も、シンプルで美しいプレゼンテーションをしていました。

しかし、活動を始めて半年ほどがたった時、5Sのリーダー同士が集まって、日頃の悩みを話し合う機会を設けました。

その課長さんが発言したことが、少し意外だったのです。

「私はつい日常業務が優先になって、5Sを忘れてしまいます。だから部下にも強く言えない自分がいまして……。どうやって部下にやってもらうか、いつも悩んでいます」

明るくスマートな性格だと思っていましたが、思いのほか悩みを抱えていることを知り、びっくりしたことを覚えています。

その課長は、発表では「グループみんなで考えてやった」ことを強調していました。

グループ全員の写真を使い、発表でもグループの一人ひとりの顔が見える発表でした。発表そのものは、第一印象通りのスマートな発表でした。

発表後の休憩時間、彼の周りにグループのメンバーが集まっている姿を見ました。課長さんの発表がうまくできたことを喜ぶだけではなく、もしかしたら発表会の表彰も夢ではないことを、とても楽しそうに話している姿がありました。

そこにはもう、部下をまとめることに悩んでいた課長の姿はなかったように思います。

結果的に、このチームは全社で2位となり、表彰を受けました。

1位にならなかったことは残念ですが、来年こそ優勝を目指そうということがチームの目標となり、一層まとまるきっかけになったそうです。

消極的だったグループCの事例

3つ目のグループは5Sのリーダーを務めることが嫌で嫌で仕方なかったグループのことです。

そのリーダーさんについて、私がとてもよく憶えているのは、この活動を始めた当初のことです。

5S活動とは何かを私が説明していた時のことです。彼は突然、私の説明を遮って、語気を強めてこう言いました。

「こんな活動は、うちの会社ではやっても無意味です!」

会議は当然、騒然とした雰囲気になります。

私は、会議の後に1対1で話をしましょうと彼に言い、とりあえずその場を収めました。

会議後、ふたりきりで話をすると、こう言うのです。

「私だって本当は会社を変えたいと思っています。

でもうちの会社は、経営者も口で言うだけで5Sを率先しません。グループのメンバーもいつも愚痴ばかりです。そのような意識が変わらなければ、何をやってもダメです」

5Sに対して懐疑的になる人はどの会社でもいるので、こういう発言は珍しくありません。

ただこのリーダーは、会社が今のままではダメだという気持ちを強く持っていましたので、きっといつかはうまくいく、と私は確信していました。

実際に発表会に際しては、どのグループよりも入念に準備をしたそうです。

発表会の1ヶ月前から何度もミーティングを持ち、資料を作りこむ入念さ。写真だけではなく、音楽やアニメーションを駆使した、美しいプレゼンテーションでした。

入念だったのは資料だけではありません。

発表会の3日前から、みんなでリハーサルを10回以上行ったそうです。それだけやっても不安は拭えずに、リーダーは前日はよく眠れなかったそうです。

グループ全員が力を合わせ、発表会をやり遂げることができたためか、このグループは発表会の表彰で1位を取りました。

発表会が全て終わった後、私がこのリーダーと話をすると、彼はこう言いました。

「今日はやっと安心して眠れます」

この発表会はやってよかったと思います。私はリーダーが嫌で嫌で仕方ありませんでしたが、みんなのおかげで表彰を受けることができました。

この発表会の準備を通じて、うちのグループは本当の意味で一体となったと思います」

 

5S活動はいろんな効果がある!

いかがでしたか?

このように5S活動をやると、いろんなグループがあります。

それぞれ通常業務と並行して苦労されたと思います。

 

5S活動発表会の効果は3つあります。

  • 第一に、自分の努力が認めてもらえる場であること
  • 第二に、振り返ることで新たな課題が見つかること
  • 第三に、発表会の過程でチームがひとつになること

このように活動の成果を発表する機会は、絶対に設けることをおすすめします。

発表会は、本当に効果があります!

ぜひ参考にしてやってみてください!

5S活動で組織を変えよう

私は5S活動の重要性をこのブログで発信しています。

また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。

参考書と違い、すぐに実行できるツールをふんだんに盛り込んでいます。

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