企業経営理論

企業活動の全体像(企業経営理論)

投稿日:2020年9月22日 更新日:

こんにちは!中小企業診断のカズユキです。

今回は企業活動の全体像について書いていきます。

今回の内容

企業理念

企業の存在意義や目的

ビジョン

企業のあるべき姿、3年後や5年後の姿

経営戦略3つ

企業戦略

別名:成長戦略

企業全体の戦略

事業戦略

別名:競争戦略

個別の事業ごとの戦略

機能戦略

部署ごとの戦略

経営計画

戦略を実行するために落とし込んだもの

 

重要度

中小企業診断試験の重要度を示します。

一次試験 ★★★☆☆

二次試験 ★★★☆☆

一次試験では順番を覚えておく必要があります。

難しいですが内容を理解すればだんだんと順番がわかってきます!

 

それでは内容をもうちょっと詳しく書いていきます。



企業には経営理念がある

企業には存在意義や目的を表す「経営理念」があります。

その他の呼び方で「ミッション」や「社是」というのがあります。

本によっては解釈が違いますが、ほとんど同じ意味ととらえて問題ありません。

 

なぜ経営理念を掲げるのでしょうか?

それは3つの理由があると考えられています。

1.社員のモチベーションを上げる

会社の活動に対して大義名分があるほうが活動に使命感を持てます。

戦なんかも大義名分があると士気が上がって少ない軍勢でも勝つことがあります。

良い経営理念を作ることで社員の意欲を向上させて生鮮性を高めていきます。

2.判断基準に使う

企業活動は意思決定を行う必要があります。

難しい決定をしなければならないことがあります。

その時に経営理念は判断基準になります。

例えば、「お客様を第一に考える」という経営理念があれば、

「会社の利益が少し損なわれてもお客様の利益を優先する」

といった判断基準になります。

企業としてどういった活動を行うか経営理念を見ればわかります。

 

3.コミュニケーションのベースになる

理念を社員同士で共有することで意思疎通がスムーズになります。

理念が浸透すると会社の方向性が理解できます。

そうすると社員が経営理念に沿った行動をしてくれます。

同じ考えを持っているとコミュニケーションも活発になります。

 

このように経営理念は浸透させることで企業にとってさまざまなメリットがあります。

しかしほとんどの会社が単なるスローガンで終わっています。

例え毎日朝礼で唱和をしても、経営理念を理解をしている社員は少ないです。

 

浸透させるためには経営者から定期的に理念について語る必要があります。

すぐには浸透しませんが、継続して行うことで優秀な社員が育ってきます。



 

ビジョンは企業のあるべき姿

ビジョンは経営理念から企業のあるべき姿を示します。

経営理念では具体的に会社がどうなっていくべきかはわかりません。

ビジョンには経営理念を少し具体的にしていることが掲げられます。

例えば、

「5年後には○○製品をシェア20%にする」

といった感じです。

 

しかしビジョンだけではそのための行動はかかれていません。

それを具現化するために経営戦略があります。

経営戦略の目的はビジョン達成

経営戦略はビジョンを達成するために立てます。

外部環境にどう適応していくか、他社よりも優位に立つにはどうすればよいか考えます。

経営戦略は3つの階層があります。

 

企業戦略(成長戦略)

企業戦略とはその企業の全体の方向性を決める戦略です。

大きい枠組みについて考えるので

  • それぞれの事業に対して優先順位をつける
  • 新規事業に着手することを決める
  • 利益が見込めない事業から撤退する

など経営者が決断するような内容です。

 

事業戦略(競争戦略)

事業戦略とはそれぞれの事業に対していかにして競争優位を築いていくか考えます。

  • 価格を安くするためできるだけ原価を下げる
  • 差別化するために付加価値の高いサービスを考える

企業戦略に比べると一つの事業に対して考えます。

 

機能戦略

機能戦略は企業の部署ごとに考える戦略です。

営業部や製造部、人事部など事業戦略よりももっと細かい部分について考えます。

 

経営計画

経営計画は具体的なアクションプランを考えます。

製造部で原価低減のために取り組むことが決定した時に、

  • 原価低減の目標は何%に設定するか
  • 誰が中心となって実行していくか
  • ムダな作業などどのような原価低減に取り組むか
  • いつまでに目標を達成するか

逆にここまで落とし込まないと「絵に描いた餅」になってしまいます。

いくら良い経営理念やビジョン、経営戦略を宣言しても経営計画が具体性に欠けると機能しません。

実際に経営計画を実行できない企業はかなり多いです。

  • 目標が高すぎてとても達成できない
  • 期間が決められていないのでダラダラ実行している
  • 責任者が明確でないので進捗を確認していない

こんなことがいろんな企業で起こっています。

責任者を決めて無理のない目標や期間を設定して進捗を確認することでビジョンを達成することができます。

当たり前のことですが、それが自分たちでできる企業はすごいです。



 

今回のまとめ

企業活動の階層は以下の通りです。

  1. 企業理念
  2. ビジョン
  3. 企業戦略(成長戦略)
  4. 事業戦略(競争戦略)
  5. 機能戦略
  6. 経営計画

中小企業診断士試験では順番についての問題が出題されます。

また企業戦略と事業戦略の違いなども出題されます。

ですので、順番を丸暗記しようとしても難しいです。

それぞれの意味がどういったものかを理解すると、順番も理解できます。

どんな仕事でも大真面目に戦略を考えると立派なビジネスになっていきます。

私は「経営計画」を具体的に立てることが重要と考えています。

 

「誰が」「何を」「どのように」「いつまでに」

 

これだけのことを考えて実行して進捗を確認すれば必ず良い方向に進みます。

これをPDCAを回すと言いますが、別の機会に詳しく書いていきます。

 

ただし利益を優先するあまりに、顧客に価値の提供をするという大事な部分が抜けてしまいます。

それを忘れないために「経営理念」を設定して浸透させます。

 

個人においても自分がどのように生きるか、目標を設定して具体的に何をするかということは大事です。

突き詰めていくと、企業だけでなく自分個人に置き換えて考えてみると面白いです。

今回はこれで終了です。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます!

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