企業経営理論

戦略的に組織変革をしていくために(企業経営理論)

投稿日:2020年12月3日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は「組織変革」について解説します。

 

戦略的組織変革とは

世の中には素晴らしい成果を上げている会社があります。

そんな会社には一体感のある組織や効果的な戦略があります。

しかしいつまでも同じパターンが通用するわけではありません。

外部環境は常に変化しています。

動いていないようで少しずつ動いています。

世の中で唯一不変なことは変化することです。

外部環境が変わるとこれまでの組織や戦略から変化する必要があります。

新しい環境に適応するために、既存の組織を変革します。

このように戦略的に組織を変革することを「戦略的組織変革」といいます。

 

組織変革は抵抗がある

環境に応じて組織を変革することは当然良いことです。

しかし、変革しようとすると抵抗を受けます。

 

組織というのは時間がたってくると硬直化します。

硬直化した組織は変化することを嫌います。

それが抵抗勢力となります。

気持ちはわかります(^^)

これまでの既得権益が得られなくなる変革をされるのは嫌ですよね(^^;)

 

主な抵抗を2つ挙げます。

  1. 変革にコストを伴うとき
  2. 変革の必要性を感じないとき

1は既にやってしまった設備投資などがあると抵抗が生じます。

このような既に発生している回収できないコストを「埋没コスト」といいます。

大規模な設備投資をしてしまっている事業から撤退するなんて、なかなか決断できませんよね(^^;)

 

2は危機的な状況にもかかわらず認識できていないと、現状維持で良いと感じます。

経営者は変革の必要性を大きく感じているが、従業員がそれを認識できないことはよくあります。

中小企業だと、従業員は会社がどれくらいの収益を上げているか知らないことが多いです。

経営者も大事な情報なので積極的には教えていないことが多い印象です。

 

「経営者の目線で仕事をして欲しい」と願っても、売上や収益がどれくらいかわからないと主体的に働くことができません。

従業員全員に教える必要はないですが、経営者育成のために会社のお金がどうやって回っているか伝えたほうが良いですね(^^)

 

組織変革を実行するために

このように変革への抵抗があるので、なかなか難しいのが現状です。

ではどのようにして変革を実行していけばよいでしょうか?

それには

「組織に変革の必要性を認識する」

「組織変革を実施して定着させる」

この2つの段階で必要な対応が違います。

変革の必要性を認識する段階

変革の必要性を認識させるには、加工されていない生データ入手することが必要です。

この「加工されていない生データ」を「リッチな情報」といいます。

リッチな情報の具体例は、顧客の生の声・競合の状況・技術動向です。

こういった情報を基に、経営者は変革がが必要かどうかを判断します。

 

変革が必要であると判断した場合、当然変革のアイデアを形にしていきます。

この時に組織内の様々な人の知恵を借ります。

バックグラウンドが違う人の意見を聞き、より環境に対応できる組織変革の体制を構築します。

 

変革を実施して定着させる段階

実施した組織変革を定着させるためには「制度的なリーダーシップ」が必要です。

制度的なリーダーシップとは「組織に理念を浸透させることができるリーダーシップ」です。

 

新しい変革には新しい理念を制度的に組み込む必要があります。

変革を定着させるにはトップのリーダーシップは重要です。

 

また変革にはさまざまな抵抗を受けます。

こういったコンフリクトを解消していくのも重要な役割です。

 

組織コミットメントは「帰属意識の程度」

会社にとって従業員の帰属意識がどれくらいか気になるところです。

帰属意識とは「ある集団に属しているという意識」のことです。

この帰属意識が高いほどに、組織に貢献する意欲が高く離職率も低いです。

このような帰属意識が高い人は、組織コミットメントが高いといいます。

 

「組織コミットメント」とは「個人が組織に対して一体化している程度」を表しています。

この組織コミットメントはいろんなパターンがあります。

情緒的コミットメント

損得勘定ではない、「この会社が大好き」のような愛着といったもの

 

功利的コミットメント

損得にもとづくもの。「ここで働くといろんな経験ができるので、辞めずにいたほうが良い」

 

規範的コミットメント

「会社に入ったからには忠誠を尽くすべき」という信念からくるもの。

 

これ以外にも別の角度からのコミットメントもあります。

態度的コミットメント

組織が目標としているものや価値あるものを自分に取り込んでいくこと

 

行動的コミットメント

個人の過去の行動によって、その組織への関与が強まる過程に注目したもの

 

一体感を生む理由は人それぞれですね(^^)

ちょくちょく中小企業診断士試験に登場しますので、念のためチェックしておいてください。

 

レヴィンの変革プロセスついて

レヴィンの変革プロセスは「解凍-変化-再凍結」モデルといいます。

これは、組織の変革は3段階のプロセスで実行されるという考え方です。

変革は書いている通りです。

  1. 解凍
  2. 変化
  3. 再凍結

これら3つのプロセスを経ることにより、組織変革が達成されます。

 

1.解凍

古い考えて凝り固まっている組織に変革の必要性を理解させます。

変革の抵抗勢力は、現状に対して問題意識がありません。

組織が環境変化に対応するために、危機感を持ってもらいます。

また新しい目標を打ち出して、変革のモチベーションを高めます。

 

2.変化

組織のメンバーに新しい考え方を理解させていきます。

どのような行動をとるべきか、あるべき姿を示します。

 

3.再凍結

新しい考え方や行動を、組織メンバーに定着させます。

定着させるために必要なことは、新しい考え方と行動をメンバーに受け入れてもらうことです。

自分のものとして取り入れるよう環境を作りが必要です。

 

組織のリーダーは「解凍-変化-再凍結」モデルを理解して、組織変革の計画を立案して実行することが必要です。

 

今回のまとめ

今回は戦略的組織変革について、理論とともに解説いたしました。

抽象的な表現が多くてわかりづらいところもあります(^^;)

 

組織の変革には抵抗がありますが、なぜ必要なのかをロジックで説明していけば受け入れられていきます。

そして協力的な人を奨励しながら増やしていくことで抵抗勢力がなくなっていきます。

定着には時間がかかりますが、根気強く頑張っていきましょう!

今回はここまでです(^^)

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます!

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