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業務改善活動その6|経営上の課題を見つけるには

投稿日:2023年6月30日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は業務改善活動についての6回目として、経営上の課題を発見するプロセスを解説します。

どんな会社にも多かれ少なかれ課題はあります。

しかし、その課題に気が付いていないことや、後回しにしていることがあります。

今はそこまで問題ではないことでも、放置していると大きな問題に発展することがあります。

そのような緊急性は高くないけれども重要性の高いことに早めに着手することが、安定した経営を行うことができます。

私が実務で行っている方法を皆さんの会社にも役立てていただけると幸いです。

 

課題を解決できるメンバーを集めよう

まず初めに必要なことは、必要なメンバーを集めることです。

課題や問題を解決するためには、社長だけの力では限界があります。

実務に精通している人や影響力のある人の協力が欠かせません。

業務改善活動を実行するには、各部署のリーダーを中心としたメンバー集めからは始めます。

 

私の実務では組織図から改善が必要な部署と責任者をメンバーに参加してもらっています。

そして月1、2回程度の会議に参加をしてもらいます。

現場の責任者も暇ではありませんので、集まる目的や日程を伝えておきます。

社長の権限を発揮すればすぐに集めることも可能ですが、相手を尊重することを心がけています。

無理やり引っ張ってくると非協力的になる可能性があるので注意して下さい。

 

課題抽出前に目的の再共有をする

会議当日ではどのように進行するかを最初に伝えます。

主な流れとしては

  • 会議の目的
  • 直近の業績確認
  • 課題抽出
  • 抽出した課題の深堀
  • 次回までにすること

このような感じで進めていきます。

会議の最初に「会議の目的」とありますが、

「すでに共有しているじゃん」

と思うかもしれません。

たしかに会議を開催するにあたって、開催の目的を事前に知らせていますので、ここで改めて言わなくて共有できているかもしれません。

しかし私は会議の冒頭で再度目的を確認しています。

さらに言うと、経営者の口から説明していただいています。

 

目的を経営者の口で再共有する目的は、目的をしっかりと理解してもらうこともありますが、もっと大事なことがあります。

それは「会議の重要性が高いことを意識付けすること」です。

せっかく改善活動を始めても途中で止まってしまうことがあります。

たとえば、改善活動に協力的になったにもかかわらず処遇に反映されないことです。

経営者が活動に重きを置いていないと、従業員は活動に協力的になってくれません。

それを防ぐためにも経営者自らが改善活動にコミットすることをアピールします。

 

課題抽出はヒントが必要

参加メンバーと会社や部署の課題を見つけていくのですが、これがなかなか難しいところです。

表面的な問題はすぐに見つけることができますが、改善しても効果がそれほど高くないことが多い傾向にあります。

真の課題を見つけるために効果的なことは、意見が出やすいよう「きっかけ」を与えることです。

私が実務で使用しているのは、商品力と販売力の課題設定シートです。

やはりゼロベースで話し合いをしても、なかなか進みません。

当たり前になっているけれども、よくよく考えると不便だったり、できてなかったりすることがあります。

こうした着眼点をまとめたものは、参加者に気付きを与えることができるので、改題抽出に対して効果的です。

課題を探すときに、たたき台になるものや、幅広くもれなく抽出できる工夫をしてください。

 

抽出した課題は一覧にしてまとめます。

私の場合は下のシートのように、問題点と課題を抽出したシートをリーダーに作成していただいています。

 

この問題点と課題のシートはすぐに完成されることは難しいので、宿題にして次回会議の三日前ぐらいに提出してもらっています。

頭の中にある「もっとこうなれば良いのになぁ」という漠然としたものは、アウトプットすることで明確になってきます。

課題を解決するには具体的な対策が必要です。

不完全でも構いませんので、どんどんアウトプットしてください!

 

最後に

今回は経営上の課題を見つけるための取り組み内容を紹介しました。

全社的に業務改善活動を実施してくには、さまざまな人を巻き込んだ活動にする必要があります。

また業務改善活動の目的やみんなが目指す理想の姿を、関係者ですり合わせておかないと、効果的な改善にならないことが多いです。

協議したり共有したりと、かなり面倒ですが、こういった手順で改善活動をすると、コミュニケーションやチームワークが活発になります。

主体的なスタッフの育成は会社が場を提供することで発揮されます。

ちなみに私は業務改善活動についてのノウハウをまとめています。

解説動画や実践で使用できるウツールを用意していますので、ぜひご活用ください!

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