皆さんこんにちは!中小企業診断士会のカズユキです。
私のブログを読んでいただいてありがとうございます!
中小企業診断士の一次試験について科目別で解説を始めています。
今回は企業経営理論です。
まず企業経営理論について簡単にポイントを説明します。
- テキストで学ぶのは楽しい教科
- 過去問の日本語はかなり難解
- 勉強と得点が比例関係にない苦労する科目
といった感じです。
経営理論を学ぶこと自体は面白いです。
しかし試験問題の文章は非常に難解です。
こんな日本語で表現していると仕事では意思疎通ができなくてトラブルになるレベルです。
出題範囲もかなり広範囲です。
良く出題されるテーマ以外に見たこともないような理論を出されることもかなりあります。
初めて見る理論でも常識の範囲で解答することができることもあるので諦めないでください(^^)
企業経営理論は他の科目よりも上位に位置しています。
企業経営理論の出題範囲は
下記によく出題されるテーマを書きました。
【毎年出題されているテーマ】
●M.E.ポーターの競争理論
●ドメイン
●BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のPPM
●イノベーション
●多角化戦略
●国際化戦略
●CSR(corporate social responsibility)企業の社会的責任
●組織形態
●リーダーシップ
●労働時間
●消費者の購買行動
●ブランド
●価格戦略
●プロモーション戦略
【定期的に出題されるテーマ】
●J.B.バーニーのVRIO分析
●シナジー
●P.コトラーの競争地位別戦略
●M&A
●事業の再構築
●リーダーシップのコンティンジェンシー理論
●モチベーション理論
●組織変革
●マーケティング・リサーチ
●準拠集団
●製品ライフサイクルなど
【今後出題が予想されるテーマ】
●ビジネス・スクリーン
●経営学社の著者からの出題
●賃金
●マーケティング3.0
【時事的なテーマ】
●法改正に関するテーマ
●2次試験に出題されたテーマ
●ソーシャル・メディア
出題範囲は何でもOKレベルの広範囲
この科目は経営に関することならなんでも出題しても良いくらいの勢いです。
本気でカバーしようとするとめちゃくちゃ時間がかかります。
例えば労務関係も企業経営理論の出題範囲ですが、社会保険労務士レベルの問題も出題されます。
短期間で合格を目指すなら、一つのテーマにあまりこだわらずに手広く勉強するようにしてください。
問題によってはその理論を知っているだけでも回答できることがあります。
なるべく多くの理論に触れて過去問を解いておくとよいでしょう。
勉強時間と得点が比例関係にない
勉強してしばらくたってから思うことがあります。
「たくさん時間をかけたのに理解力が進んでいない」
おそらく受験生全員が思うことです。
なぜそのように事に陥ってしまうのか?
それは、問題分をわざとわかりにくい表現で書かれていることです。
正直言ってこんなにわかりにくい文章を見たことがありません(^^;)
また文章の前半は正しいことが書いてあるけれども、後半部分が間違っているような選択肢もあります。
難解な文章を読むのはつらいので、読み始めて正しいことが書いてあるので飛びついてしまいます。
しかし冷静になって文章の最後まで読んでください。
そうやって解答をしていけば60点を取ることは可能です。
理論を習得したことが前提で出題
例えば、ポーターの競争理論は最頻出です。
これは自社の周りにある5つの関係についてどのような環境になると競争が激しくなるか優位に立つことができるのかを表すフレームワークです。
ファイブフォース分析とも言います。
5つの要因はライバル企業、代替品、材料を売ってくれる相手、自分たちの製品を買ってくれる相手、新規参入があります。
出題はこの理論を知っていることが前提になってきます。
最頻出の問題は応用問題が出題されることがありますので、理論的に説明できるように学習しておいてください。
また、4つのブランド拡張戦略(ライン拡張、ブランド拡張、マルチブランド、新ブランド)についても同様に出題されることが多いので単に知っているだけだと対処しきれないことがあります。
具体的には、ケーススタディで今後この会社はどのようにブランド展開していくべきかを問われたりします。
それぞれの戦略がどういったものかを理解しておかないと選択肢を絞れません。
難しいですが、過去問を解いて出題パターンを研究しておけば対応できます。
試験難易度は高め
試験難易度がどの程度かを科目合格の状況から説明していきます。
科目合格とは「合格点である60点以上獲得した人のこと」です。
科目合格率には一次試験合格者は除いて計算されています。
つまり
科目合格率=(60点以上獲得者ー一次試験合格者)÷受験者
です。
この数値を見ればその年度の試験難易度を推測することができます。
年度 | 科目合格率 |
2019年 | 19.4% |
2018年 | 7.1% |
2017年 | 9.0% |
2016年 | 29.6% |
2015年 | 16.7% |
合格率の波がすごいですね(^^;)
ちなみに私は2018年に受験しましたが、ひどい合格率ですね・・・科目合格率が一桁は相当難易度が高いです。
企業経営理論の勉強は楽しいが・・
テキストで企業経営理論の勉強をしているときは非常に楽しいです。
私も、
「中小企業診断士の勉強ってためになるし楽しい!」
と思っていました。
しかし過去問を解き始めるにつれて徐々にこの科目の恐ろしさを知りました。
自信をもって選んだ選択肢が間違っていたり、奇をてらって間違ったりと疑心暗鬼になるレベルです。
企業経営理論でよくあることですので、もし上記のような状態に陥っていて悩まれている方がいましたらぜひ言いたいです。
「みんな一緒です(^^)」
ただ奇をてらって間違うと相当凹みますので、自分が正解だと素直に思った選択肢を選ぶようにしてくださいね(^^)
試験を受けてみた感想
まず試験時間が長い、出題される問題数も多いです。
90分で42問ほど解答しないといけないので結構疲れます。
時間に関しては余裕があるとまでは言えませんが、それほど心配しなくても間に合います。
それよりも先ほどから触れていますが、日本語が難しいので途中で心が折れそうになります。
理論を知らなくても諦めずに常識で判断して解答することを心がけました。
結果は65点でしたので、合格点を獲得することができています。
2018年の科目合格率を考えると頑張ったなと自分でも思います。
間違っている選択肢を少しずつ落としながら正解率を上げる努力をしていきましょう。
おすすめのネット記事「まんがで気軽に経営用語」
企業経営理論の勉強は通信教育の「スタディング」と「過去問完全マスター」以外にはテキストを購入することはありませんでした。
しかしインターネットの記事で「まんがで気軽に経営用語」というのがあって面白かったので見ていました。
YouTubeを使っても勉強することができます。
私もわからないことがあればネットで調べていましたが、動画で知識を入れることもやっていました。
おすすめしているのが「4dan4.jp」です。
企業経営理論の勉強だけでなくいろんな強化を取り上げてくれていますので参考にしてください(^^)
最後に
最後に企業経営理論のポイントをお伝えすると、
- テキストで学ぶのは楽しい教科
- 過去問の日本語はかなり難解
- 勉強と得点が比例関係にない苦労する科目
企業経営理論で感じたことを書いてみましたが、参考になりましたでしょうか?
問題は難解ですがケーススタディは実際にどのように戦略を立てて競争優位を気付いていくかを考えるので楽しい部分もあります。
ただし楽に正解できるとは言ってませんけどね(^^;)
二次試験においても企業経営理論で勉強するフレームワークは大活躍します。
勉強時間と得点が比例しないので勉強がつらくなる時もありますが、文章理解力が向上するので仕事においても役に立ちます!
一気に根詰めて勉強をすると嫌になってしまうので、少しずつで良いので継続して力をつけていきましょう!
今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます!
次は運営管理を取り上げていきます。
参考になるように頑張って書きますのでまた読んでください!
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