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目標設定の基準づくりと結果の判定について

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

私は中小企業診断士として企業の様々な支援をしています。

その中に改善活動があります。

改善活動では、どういった改善に取り組むべきかを議論して目標設定をします。

私は改善活動を支援する時に、最初の目標設定を重要視しています。

目標をどこに置くかによって、改善活動の効果が決まってくるからです。

また現場と目標のすり合わせを行っていないと、取り組むときのモチベーションにも影響します。

 

事実私は改善活動の支援で目標設定をする時に、2~3か月かけてじっくりと練りこんでいます。

それでも100%納得できる目標をつくることはできていないと感じています。

やっぱり業務を詳しく知らない会社の目標をつくることは難しいです。

 

今回は私が目標設定で大事にしていることや、振り返りにおける評価の判定について解説します。

 

目標結果を客観視できるか

目標に向かって活動を行った後は、活動成果について振り返りを行います。

そんな時に設定した成果について判断するときに達成しているかどうか判断に迷うときはありませんか。

多くの目標設定において、達成基準が不明確になっていることがあります。

そのため評価の判定時に困ることがあります。

達成基準があいまいになっていると困るのは判定する上司です。

達成基準を明確にするためにどのようにするべきでしょうか。

 

基準は「数値」か「状態」

基準で一番客観的に判断できるのは「数値」です。

たとえば売上目標が100万円であれば、90万円は未達成、110万円は達成していると誰がみても判断できます。

材料歩留まりを80%にした場合も同様に、70%であれば未達成、90%であれば達成していることがわかります。

このように数値基準は一番客観視できます。

その仕事を熟知していなくても判定することができます。

これであれば上司は目標達成しているかどうかの判断ができるので、判定がしやすい状態といえます。

 

ただし、人材育成や5Sといった目標など数値にすることが難しい目標もあります。

人材育成についてはスキルマップを活用して数値化することも可能ですが、無理やり数値化しても労力に見合う成果は出にくいです。

そんな場合は「状態」で目標設定します。

たとえば人材育成では「○○作業を独力でできるようにする」といったものです。

人によって判断はばらつきますが、直属の上司が判断すると決めておけば、評価のバラツキを防止することもできます。

また5S活動においては「A地区の整理を実行する」とします。

数値基準よりも判定のばらつきや主観が入り込む可能性はありますが、目標の達成した形をある程度具現化できます。

 

長期的な目標においても、半年間でどこまで実施するのかを決めます。

中間地点(マイルストーン)を設定することによって、長期的な目標を成し遂げることができます。

また新しい取り組みのように、基準の妥当性が判断できないこともあります。

その場合はデータ収集から行います。

業界平均といった水準も役に立ちます。

2~3か月後にデータから妥当な達成基準を設定します。

 

効果的な目標作りには時間必要

効果的なも目標を設定するには、なんといっても時間です。

時間をかけてじっくりと練りこんでいきましょう。

私が支援して目標設定する場合は2~3カ月前から徐々に作成に取り組むようにしてます。

 

そこまで時間が取れない場合でも、1か月前から目標作成に取り掛かりましょう。

上司と部下が納得できる目標や達成基準を決めることは、簡単なことではありません。

時間をかければよい目標が必ずできるわけではありませんが、時間をかけて議論することによって当初考えて居た目標よりももっと効果的な目標になることもあります。

目標は達成することが大事ですが、その過程で努力することによって人の成長を促したり、チームワークやコミュニケーションを構築したりします。

 

目標設定事例を示す

また目標の設定事例を示しておくと、社歴の浅い社員にとっては目標作成がしやすくなります。

目標設定時によくみられる光景としては、社歴の浅い社員がどのような目標を作成すればよいか困っていることがあります。

目標をつくれと言われたものの、これまで目標を自分で作ったことがなければ、どんな目標をつくればよいかわかりません。

本人の中でじっくり検討して作成した目標が、会社が期待する目標と乖離することがよくあります。

これらのギャップを解消するには会社が期待する目標と個人が作る目標のすり合わせが大事です。

それを実現するには「こんな目標を挙げて下さい」という事例を示すことです。

 

たとえば、売上に関すること、ブランド力に関すること、業務改善に関することなど大項目と新製品販売アップ、SNSのフォロアー増加、改善提案件数といった中項目に落とし込んでいきます。

上司と部下の相談時にヒントを与えることによって、

全て教える必要はありません。ある程度ヒントを与えて考えてもらいます。

会社が掲げて欲しい目標を示すことで、社員と会社のギャップ解消になります。

 

 

判定するときの注意点

目標の設定はできましたが、間接部門では手段が目標の基準になることが少なくありません。

これは目標達成しているのにもかかわらず、目的の達成になっていないこともあります。

たとえば、研修の実施が目標に上がっていて、達成基準が毎月実施の計6回だったとします。

しかし研修の参加者は参加することが目的となっており、研修の効果はありませんでした。それでも月1回研修の実施したことで目標は達成しています。

このような状況に対応するためにも、効果やプロセスの考察も必要です。

そこで判定するときに注意すべきことを挙げていきます。

 

事実をもって判定しているか

当然のことですが、事実をもとに判定をしてください。

そのため普段から行動を観察し、行動メモを残しておきます。

このような判定を実施するには1人の評価者が10人以上を担当するような、大人数では実現することが難しいです。

一人の評価者には5~6人程度が望ましいです。

うわさや信憑性のかける内容で判定しないことです。まして好き嫌いで判定するのは上司として失格です。

 

仕事の中で判定しているか

プライベートの内容を判定基準に持ち込んでいないかです。

掲げている目標や、会社の理想とする考動になっているかは仕事時間の行動に限定します。

プライベートの時間に合ったようなことは評価には含みません。プライベートについての問題等は就業規則等で判断されます。

 

期間内の判定になっているか

過去の成功や失敗が現在の判定に含まれていないかです。

評価の期間が半年であれば、その期間にあった事実をもって判定してください。

たとえば、過去に合った大きな失敗のせいで評価が低いままになっていることが見受けられます。

それではいつまでたっても評価されずモチベーションを大きく落としてしまったり、評価に対する不満から離職したりします。

 

絶対評価をお勧めする

絶対評価とは、判定ごとに満たしているかどうかを見ます。

他の社員同士を比較して順位を付ける相対評価とは異なる判定方法です。

評価は社員の序列をつけるために行うわけではありません。

多くは人材育成を目的としています。

つまり個人ごとにできているかどうかを判定し、できていることについては大いに認め、できていないことについては一緒になってサポートして改善していきます。

 

このように判定するときには様々な注意点があります。

 

評価で起きる誤差について

評価を実施するときに置きやすい誤差を紹介します。

どんなに客観視しても、多少の誤差は発生しますが、あらかじめ知っておくことによって誤差を防止し公平・公正な評価に近づけることができます。

 

ハロー効果

ハロー効果とはある人を評価するときに、その人の目立つ特徴に引きずられて他の特徴の評価がゆがめられることです。

その人の印象が評価となってしまうことです。

たとえば、仕事が人よりも遅い人がいるとします。

仕事のミスは少ないのですが、遅いが仕事ができないにつながることもあります。

また仕事の遅さが原因で重要な仕事をいつまでたっても任せてもらえず評価が上がらない人もいます。

たとえば、前職が派遣社員だった人は社員に昇格しても評価が低くなってしまう傾向にあります。

また上司に反対意見を過去に行った人は、協調性がないとみなされて評価が下がることもあります。

 

逆に前職が大手企業や有名大学卒業など、過去の経歴に引っ張られて必要以上に評価が高くなることもあります。

大手企業出身だから仕事ができるに違いないと思いがちです。

 

このようにその人の印象だけで評価が決まってしまうことがあります。

 

対比誤差

自分の価値観をもって判定することによって起きる誤差です。

 

たとえば、英語が全く離せない上司がいたとします。

部下に帰国子女がいると「自分よりも優秀」と感じてしまいがちです。

逆に数字に強い上司の下で働く部下がいるとすると、数字に苦手ではない部下でも数字に弱いと評価されることもあります。

 

中心化・寛大化傾向

評価が真ん中による、または全体的に良い評価になることです。

起こる原因としては評価に自信がない場合に可もなく不可もなくといった評価にしてしまいがちです。

 

寛大化傾向は部下に嫌われたくない、部下から自分のできてない面を指摘されたくない場合に起こりやすい傾向にあります。

 

期末効果

評価の要素が直前の行動に集中することです。

評価期間が4~9月の場合、評価の開始期間は早くても8月現純ぐらいからスタートします。

その場合に8月や9月の印象で評価が決まってしまうことがあります。

これが起こる原因として、期のスタートの行動を記録していないことが挙げられます。

 

フィートバックの重要性

私は実務で評価制度構築の支援をしていますが、必ず評価後はフィードバックを実施していただいています。

フィードバックとは評価結果などを本人に伝えて、承認による意欲向上と改善点のすり合わせをして人材育成につなげる目的があります。

評価をする時に自己評価を実施することがありますが、上司が評価する他社評価とギャップが生じることがあります。

自分ではできているつもりでも上司から見れば足りない点があったり、上司から見ればできているのに部下はできていないと感じていたりします。

そういったギャップの解消をしておかないと、会社が求めている働き方と社員が良いと思う働き方がずれてしまいます。

ずれをそのままにしておくと社員は「こんなにがんばっているのに会社は全く評価してくれない」といった感じでモチベーションが下がってしまいます。

得意なことはさらに伸ばしてもらい、苦手なことは迷惑をかけない程度に努力してもらうことが働きやすい環境になります。

フィードバックで注意して欲しいことは、できていない箇所の指摘ばかりしないことです。

私が関わっている会社にもありましたが、上司は部下の出来ていないことにフォーカスを当ててしまいがちです。

それがフィードバックのタイミングで噴出し、上司と部下の関係性を悪くすることがあります。

フィードバックではよくできているところを中心として、褒めてあげることに時間を使ってください。

また普段の労をねぎらうことがをかけてあげてください。

こういった褒める・承認する言葉を直接伝えることが苦手な人も多いですが言わないと伝わりません。

褒めるときにはより具体的なエピソードを交えて言ってあげると、部下は喜んでくれます。

フィードバックの雰囲気を良くするためにも、褒める・承認する言葉を中心に進めてください。

出は改善点はどう指摘するかというと、1つぐらいに絞って言ってください。

指摘しないといけないことはいろいろあると思いますが、あれこれ指摘するよりも絞ることによって次に行動すべきことがわかりやすくなります。

その時に具体的な解決策についても、話し合っておきましょう。

 

3つ褒めて、1つ改善を促す

このくらいの感じで雰囲気良く進めることで、改善点の指摘も受け入れてもらいやすくなります。

 

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