企業経営理論

関係性マーケティングについて(企業経営理論)

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

 

今回は関係性マーケティングについて解説します。

前回はマーケティングの要素である販売促進について解説しました。

販売促進について|プロモーション戦略(企業経営理論)

販売促進では短期的に成果を出すための方法が中心になっていますので、持続的に利益を確保するには不安があります。

実際に割引中心の対策が多くて「誰でも思いつくやん」って感じです(^^;)

 

それにニーズが多様化している現在では、マスマーケティングのような一律の対応策では、長期的な利益確保に結びつきにくくなっています。

そこで近年重視されているのが「関係性マーケティング」です。

 

関係性マーケティングとは

関係性マーケティングとは「既存顧客との関係性を深めて、顧客を育成して長期的な収益を確保しようとする方法」です。

なぜこのような考えが重視されているのでしょうか?

それは次の2点が指摘されています。

  • 市場が成熟しているのでモノが売れなくなってきている
  • ニーズが多様化しているので、単一のマーケティングでは対応できない

 

このような環境を考えると、莫大な費用をかけて新規獲得を目指すよりの、既存の顧客を大事にしてファンにしていくほうが費用対効果が高いです。

関係性マーケティングは「リレーション・マーケティング」とも呼ばれます。

リレーション(relation)が「関係」という意味があります。

英語で書いてもそのまんまなので、覚えやすいですね(^^)

私はリレーションの意味が分からなかったので、なかなか定着しませんでした。

やっぱり英語の意味は調べておいた方が良いですね(^^;)

 

CRM(Customer Relationship Management)

CRMは「顧客との関係性を構築する手法」です。

略さずに言うと、「Customer Relationship Management」です。

それぞれを分解すると

  • Customer:顧客
  • Relationship:関係
  • Management:管理

「最後のMはマーケティングじゃないんかいっ」って思いますが(^^;)

単にCRMで覚えると忘れやすいので、暗記カードなどを活用して略語の元ネタを覚えておくようにしましょう。

中小企業診断士試験は試験範囲が広いので、効率的に知識定着をしていかなくてはいけません。

 

CRMでは顧客との関係性を深めることで、顧客ロイヤルティ(忠誠心)を高めて収益を拡大するマーケティング手法です。

そのためには誰が収益をたくさんもたらしているかを分析して、高い収益をもたらしてくれる顧客に最適なマーケティングミックスを展開します。

マーケティングミックスとは「マーケティングの4Pをどのように展開するかを考えること」です。

具体的には

  • Product(どのような製品が喜ばれるか)
  • Price(買ってもらえそうな価格はどうか)
  • Place(どこの場所で売るべきか)
  • Promotion(どんな販促活動が最適か)

これらの4pをかんがえることが「マーケティングミックス」です。

 

ライフタイムバリュー(LTV)

顧客との長期的な関係性を構築する上で重要な考え方が「ライフタイムバリュー」です。

日本語では「顧客の生涯価値」です。

英語の意味を分解すると、

  • Lifetime:生涯
  • Value:価値

そのままの意味ですね(^^)

 

ある顧客が取引開始から終了まで自社にどれだけの収益をもたらしてくれたかどうかを算出するための指標です。

取引では一回の取引では終了せずに、その後も続くケースがあります。

顧客が継続的に自社の商品・サービスを購入してくれる環境を作ったり、商品グレードを上げる「アップセル」や関連商品の購入につなげる「クロスセル」を促したりすることでより多くの収益を獲得することができます。

一般的に新規顧客を獲得するための費用は既存顧客の維持する費用よりも5倍かかるといわれています。

またパレートが言っている「80対20の法則」では、「企業の利益の80%は全体の顧客20%がもたらしてくれる」と言われています。

これらのことから新規の獲得に力を入れるよりも、既存顧客のロイヤルティ(忠誠心)を高める活動のほうが収益性が高いことがわかります。

 

ライフタイムバリューの計算式は以下の通りです。

LTV=購買単価×購買頻度×契約継続期間

一般的な売上の考え方であれば「売上=購買単価×購入頻度」だけなので、もっと長期的かつ多面的に見た考え方です。

 

ですので、ライフタイムバリューを向上させるためには3つの方向があることがわかります。

  • 購買単価を向上させるため、アップセルやクロスセルを行う
  • 購買頻度を向上させるために、適切なタイミングでアプローチする
  • 契約期間を長期化されるために、顧客に関心を持って関係性を深める

こういった取り組みが必要なことがわかります。

 

RFM 分析(優良顧客を最新購買日・購買頻度・購買金額を分析する)

RFM分析とは「最新購買日・購買頻度・購買金額という3つの指標を用いて、誰が優良顧客なのかを明らかにする分析」です。

3つの分析は英語に直すと以下の通りです。

  • Recency(最新購入日)
  • Frequency(購入頻度)
  • Monetary(購入金額)

これらの頭文字をとってRFM分析となっています。

読み方はそのまま「あーるえふえむ分析」です。

RFM分析では3つの指標をポイント化することで、優良顧客を数値で判断します。

例えばポイントの基準を以下のようにします。

3ポイント 2ポイント 1ポイント
最新購入日 6か月以内 1年以内 1年以上
購入頻度 年間3回以上 年間2回 年間1回以下
購入金額 5万円以上 3万円以上 3万円未満

これを顧客ごとにポイント化をします。

最新購入日 購入頻度 購入金額 合計ポイント
顧客A
顧客B
顧客C
顧客D

このようにポイント化することで重要か顧客がだれかを見えるかすることができます。

企業によってどこを重要視するかは異なります。

その場合項目によって重みを変えることで、総合点に影響を与えることができます。

例えば、購入金額を重視したい場合はポイントに2倍にします。

上記の顧客分析で考えると、顧客Aと顧客Bが共に10ポイントとなるので、同じレベルの重要顧客となります。

 

このように分析結果で出た重要顧客を優先してプロモーション戦略を展開します。

この優良顧客に対して優先的にプロモーションを行う手法のことを、FSP(Frequent Shoppers Program)といいます。

英語を分解して紐解くと

  • Frequent:頻繁に
  • Shoppers:買い物客
  • Program:計画

ですので、「頻繁に買う客への計画」です。

継続して購入する方には割引が優遇されるなど、更に優良顧客を囲い込みます。

 

ワントゥワンマーケティング

ワントゥワンマーケティングとは「顧客に個別対応していくマーケティング」です。

従来の顧客全体に対して行うマスマーケティングと違い多様なニーズに対応できるようにします。

たとえ購入する商品・サービスが同じでも、提供方法などのプロセスを顧客それぞれの目線に合わせます。

まさに「1対1」のマーケティングです。

これは旅館の女将さんのようなサービス提供です。

 

ワントゥワンマーケティングの目標

ワントゥワンマーケティングの目標は「顧客シェアの向上」です。

顧客シェアとは「顧客が購入する金額の中で、自社のブランドが占める割合のこと」です。

顧客シェアの向上を具体的に例えると、一人当たりの食料品の年間購入量が50万円だった場合、自社ブランドの割合を20万円から30万円に挙げるような取り組みです。

この場合$$顧客シェア=\frac{20万円}{50万円} ×100=40%$$から$$顧客シェア=\frac{20万円}{50万円} ×100=60%$$

となります。

 

ワントゥワンマーケティングの手段

ワントゥワンマーケティングは言うことは簡単ですが、実施しようとすると膨大な手間がかかります。

それぞれの顧客の要望やニーズに合わせなければなりません。

小規模の企業であれば社長一人で実現できるかもしれません。

しかし社長一人で対応できない規模になってくると、社員によって対応の品質が違います。

社長自身が考えていることを思うように対応してくれないのでイライラしてそうです(^^;)

 

規模が大きくなったときにワントゥワンマーケティングを実現するのが「IT化」です。

ワントゥワンマーケティングを支えるITの代表例としては

  • データベースマーケティング
  • マスカスタマイゼーション

これらがどのような活用をされているかを解説します。

 

データベースマーケティング

データベースマーケティングは顧客のデータを活用して、見込み客の分析から商品購入へのアプローチ、継続購入を促進してファンへと育成する取り組みのことです。

ITを活用することで、どのような品質・サービスが求められているかを分析することができます。

また重要顧客が誰なのかを知ることができます。

 

顧客データは基本的な性別、年齢、職業、所得などのデモグラフィックだけでは個別最適化の対応は難しいです。

RFM分析のような購入頻度や金額、生活スタイルや趣味、嗜好といった多彩な情報を充実させます。

このような情報が手に入ることで、社員のだれが対応しても個別対応することができます。

顧客の誕生日に対してアプローチしたり、生活スタイルに合わせた商品の提案、雑談のネタ等といった個別対応がファンを育成する要素につながってきます。

 

マスカスタマイゼーション

マスカスタマイゼーションは「大量生産の良さを活かしながら、顧客ごとの個別対応を実行する手法」です。

  • マス(Mass):質量
  • カスタマイゼーション(Customization):特注生産

大量に作りながらも個別のカスタマイズも行うという「いいとこどり」です(^^)

マスカスタマイゼーションでは生産性を向上させる仕組みを作りながらも個別の満足を高めます。

 

従来のフルオーダーの商品では個別対応の満足度は高いですが、一度に多くの顧客を対応できません。

そうすると欲しい人がいても対応できないので、機会損失が発生します。

また大量生産の単一モデルの場合は多くのお客に商品を届けることはできますが、個別のニーズを満足させることができません。

 

例えばアパレル業界ではこのような手法を取り入れることで原価低減と顧客ニーズに応えています。

 

最後に

今回は関係性マーケティングについて解説しました。

市場の成熟化や消費者ニーズの多様化により、従来のマスマーケティングでは競争に勝てなくなっています。

またIT化を推進することで、小規模事業者でも拡張性の高いマーケティング活動ができるようになってきています。

 

ということは、いろんな企業や個人にとってチャンスが多いです。

テクノロジーと知恵を駆使して、競争優位性を築いていきましょう!

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