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失敗しやすい評価制度3つ

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こんにちは!中小企業診断士試験のカズユキです。

私は中小企業診断士の資格を取得して40歳からコンサルタント会社に転職しました。

 

その中で評価制度構築を支援しています。

評価制度構築は資格がないとできないわけではありませんが、中小企業診断士の勉強内容が活かされています。

例えば、モチベーション理論や組織論といった企業経営理論は意識しています。

またヒアリングや文章作成なんかも実務で大いに活かされています。

ちょっと話が逸れていきましたか、今回は評価制度です。

評価制度の内容は、会社によって千差万別です。

しかし共通して注意していることがあります。

今回は私が特に注意している、失敗しやすい評価制度3つを紹介します。

 

評価制度は「やる気を高めるもの」にする

以前、評価制度を導入する時に前提として「納得性」の話をしました。

評価制度の大前提と3つの原則

それに加えて私が考えていることがあります。

それは「みんなの意欲を高めるものか?」ということです。

「評価制度なんてみんな嫌がるから、意欲が高まることはない」

と思う方もいますが、少なくとも作成する側がこうした気持ちで運用しなければ、評価制度は単なる嫌がらせになってしまいます。

できていないことを探してマイナス評価をするような制度では、従業員のモチベーションが高まることはありません。

 

私が関わっている会社では、最初のヒアリングで経営者の方に「何のために評価制度を導入するのか」を確認します。

作成をする側である私と、作成を依頼する側である経営者の目線があっていないと、狙い通りの制度にならないからです。

いろんな話を伺いながら、私は従業員のモチベーションを高めるかどうかを判断します。

そしてヒアリングを通して、モチベーションを高める要素を見つけて、形に変えていきます。

 

では従業員のモチベーションを高める制度とはどいったモノでしょうか?

それは「頑張っている人がしっかり評価される」制度です。

つまり『納得性』ですね(^^)

ただし、いろんな人の納得性を得るような評価制度構築は難しいです。

一度構築しても、修正を繰り返します。

 

私がかかわった会社では、既に評価制度を導入して、それなりに運用していたところもありました。

しかし満足した結果を得られなく相談に来られました。

 

では、どのような問題点を改定されようとしているかを、失敗例ポイントを三つにまとめてお伝えします。

 

失敗例①「評価が目的になっている」

一つ目は、評価することが目的になっている場合です。

「評価制度は評価をする目的で作らるんじゃないの!?」

と思いますが、これが前面に出すぎると従業員から賛同を得ることができません。

大事なのは「何のために評価をするか」です。

単純に点数をつけるために評価をすると、良い結果を生むことができません。

 

評価制度は人材を育成するという大きな目的を持って行われるべきです。

そして目的が明確だったとしても、従業員に浸透していなければ意味がありません。

つまり「何のために評価しているのか」を理解せずに運用すると良くないということです。

 

評価する側も何のために評価をするかを理解できていないと、

「上からやれと言われているから、仕方なくやっている」

といった感じで、まるで面倒なことを押し付けられたかのように運用します。

また「昇格・昇進の時期だから評価する」や、「賞与の前だから評価する」といったように、目的が従業員を優秀な順に並べることだと誤解される場合があります。

このような誤解を生むと、監視されているような印象を受けてしまうので、思い切った挑戦をする企業文化が育たなくなります。

そのような状態で運用すると、評価者は事務的に処理を行ない、期限までに結果を提出することだけが目的になっています。

 

モチベーションを高める評価制度は、目的を明確にし、浸透させることが求められます。

 

失敗例②「評価内容が抽象的」

二つ目は、」評価項目や評価要素が抽象的」です。

評価制度には、どういった行動をとってほしいかを具体的に「評価項目」や「着眼点」という形で表現します。

私が作成する評価シートの一部を抜粋すると、以下の通りです。

評価項目 着眼点
コミュニケーション能力 業務で不明な点があれば、曖昧にせずに確認している。
同じ部門の従業員と良好な関係性を築いている。
自ら進んで他部署の協力をしている。

「評価項目」には、どいった要素を評価するのか概略を示します。

ただし、概略だけでは具体的にどのような行動が求められているかイメージすることができません。

内容が抽象的になってしまうと、

  • 評価する側は着眼点を十分に理解さずに評価するので正確に評価できない。
  • 評価される側も具体的な行動がイメージできないので、経営者の思いが伝わらない。

このように評価者・被評価者の両方にとって良くありません。

それを解消するのが「着眼点」です。

着眼点には従業員が行動イメージを持ちやすいよう、具体的に示します。

コミュニケーション能力が必要なのは、どの業界でも一緒ですが、具体的な行動は会社によって違います。

外部のお客さんとの関わりが多い場合は、「お客さんのニーズを的確に捉えている」といった着眼点が入ります。

製造現場の従業員は「従業員同士の連携」が重要視されるでしょう。

着眼点にどのような要素を入れるかは、経営者の方と綿密に話し込みます。

何ヶ月もかけて構築します。

経営者と考えた内容では不十分なので、現場のリーダーにも確認してもらいます。

ここまで時間をかけるには、理由があります。

それは内容が具体的になればなるほど、従業員の方が行動を起こしやすいからです。

モチベーションを高める評価制度を構築するため、いろんな意見を取り入れて、じっくり作りましょう。

 

失敗例③「一方通行な評価で終わっている」

三つ目は、評価が一方的に行なわれる場合です。

いわゆる「フィードバック」を行っていない場合です。

フィードバックとは評価の内容を本人に伝えることです。

できている箇所を褒めて、できていないことの改善を促します。

私は評価制度でフィードバック面談の実施をおすすめしています。

フィードバックをすることで「納得性」が高まるからです。

評価制度で「納得性」は非常に重要です。

納得性があれば、小手先のテクニックなんて必要ありません。

もしフィードバックがないと、どうなるでしょう?

被評価者(評価を受ける側)がどのような行動が良くて、どのような行動を改善してほしいのか、わからないままになってしまうからです。

仮に良い評価でも、なぜ良かったのかわからなければ、不満足につながります。

しかし多くの評価制度では、どんな要素を評価しているのか、どんな結果だったかを公表しない会社が多いです。

非常にもったいないですね(^^;)

 

テストを例にすると、

  • 出る範囲を全く教えてくれない
  • 結果の公表と考察をしない

こんなテストの受け方では、いつまでたっても点数が高くなるはずがありません。

納得性を高めるためにも、フィードバックを行って下さい。

「これまで面談をしたことがないし、何を話せば良いかわかりません(^^;)」

こんな声を聞きます。

これまで面談の機会がなかった組織では、最初の頃はカジュアルに話すだけで留めます。

堅苦しい評価面談は評価する方もされる方も疲れますからね(^^)

話す内容については、評価制度の着眼点を参考にすれば、ある程度会話ができます。

例えば、

「他部署の協力を積極的にやってくれているね。すごく感謝されているよ。いつも他部署の様子を見てくれているの?」

と言った感じて、ひとまず良い内容にフォーカスを当てましょう。

評価の内容を話す場合、三つ褒めて一つ改善を促すくらいが良いです。

評価制度は人材育成のツールです。

そして制度は従業員のモチベーションを高める仕組みにしなければなりません。

ついつい悪いところばかり指摘しがちですが、マイナスの内容はテンションが下がります。

苦手な内容なら尚更です。

 

最後に

今回は失敗しやすい評価制度について解説しました。

まとめると、

  • 評価制度はモチベーションを高める仕組みと心得る
  • 評価制度は評価が目的ではなく、人材育成のツール
  • 評価制度の内容は具体的な行動に落とし込む
  • 評価は本人にフィードバックして、人材育成を加速させる

このよう評価制度構築は、さまざまなことを考えなければなりませんので、骨の折れる仕事です。

しかし従業員の処遇も決まる大事なことです。

じっくり時間をかけて会社にあった制度を作りましょう(^^)

 

中小企業診断士カズユキについて

評価制度構築には経営のことを理解することと、情熱を持って取り組むことが大事です。

私は経営のことに関してわからないことだらけでしたが、中小企業診断士の勉強や研修を通じて理解できるようになりました。

中小企業診断士はビジネスの共通言語を学ぶことができるので、資格に合格しなくても十分役に立ちます。

もっといろんな人に興味を持ってもらえるようブログを通じて発信していきます。

私のことに興味がある方は、これまでの道のりをまとめています。

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