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第14次ものづくり補助金の変更点

投稿日:2023年2月1日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

2023年1月11日にものづくり補助金第14次公募要領が公開されました。

第13次からいくつかの変更点がありましたので、ブログで解説します。

ものづくり補助金とは?

正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

ものづくり補助金の内容は以下の通りです。

中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。(ものづくり補助金ホームページより)

長くて難しいですね(^^;)

要するに「新たなものづくりに必要な設備や機械を購入する費用を支援します」ということです。

詳しくは下記のリンクを参考にしてください。

「ものづくり補助金」とは|中小企業診断士が知っておくべきこと

以前のものづくり補助金は年二回程度のペースで実施していましたが、令和2年3月10日(火)の公募からは、通年で公募を行っております。

だいたい年間4回ぐらいのぺースで実施されていますので、公募の機会が増えて利用しやすくなりました。

 

通年で公募しつつもルールは少しずつ変化しています。

今回のブログでは、第13次からの変更点に絞って解説いたします。

 

第14次の変更点

第14次の変更点は以下の通りです。

  • グリーン枠の拡大
  • 海外支援展開の強化
  • 大幅な賃上げで補助額上乗せ
  • 補助経費に関する誓約書提出

詳しい内容を公募要領の概要版と照らし合わせなが解説します。

グリーン枠の拡大

第13次以前にも温室効果ガス削減に寄与する事業について「グリーン枠」がありました。

第14次からは3つの申請類型が設けられました。

それぞれの名称は「エントリー」、「スタンダード」、「アドバンス」です。

※上記はものづくり補助金公募要領の概略版からの抜粋です。(7ページ参照)

ちなみに公募要領とは補助金のルールが書かれている書類です。

公募要領の内容は全部で40ページ以上ありますので、読み慣れていない人は文字の多さにびっくりすると思います(ーー;)

かと言って公募要領を理解していないと、補助金にどうやって応募すればよいかわかりません。

まずはカラーや図表等でまとめられた概略版を読んでみてください。

特に補助金の内容を知らない方はおススメです(^^)

話を変更の話題に戻します。

グリーン枠の3つの累計はそれぞれ補助額が異なります。

エントリーであれば補助額が最大1,250万円、スタンダードなか最大2,000万円、アドバンスなら最大4,000万円となっています。

これまでは最大でも2,000万円でしたので、アドバンスの補助額は2倍となっています。

細かく言うと従業員規模に応じて補助上限金額が異なります。

また温室効果ガス削減への取り組みも、補助額が上がるにつれて条件が追加されます。

1番補助上限金額が低いエントリーでは、①のいずれかを満たす事業であれば適用されます。

スタンダードになると①を全て満たした上で②のいずれかを満たす必要があります。

アドバンスになると①の全てと②の中から二つ以上、③のいずれか一つとなっており、かなりハードルが高くなっています。

 

一方でグリーン枠の申請要件は変わりません。

温室効果ガス削減に資する製品・サービスを開発するか、炭素生産性向上に寄与する生産プロセスやサービス提供方法の改善

3〜5年で炭素生産性を年率平均1%向上させる事業。

これまで自社で取り組んできた温室効果ガス削減への取り組みを示すこと

これら3つが申請要件となっています。

ものづくり補助金に挑戦しようとしている企業様で上記の要件を満たす事業内容なら、上限額が高くなる可能性がありますのでチェックしてください。

 

海外展開支援の強化

第14次では、第13次以前からあった「グローバル展開型」を一部変更して、「グローバル市場開拓枠」が設けられています。

内容はそれほど大きく変わっていませんが、海外市場開拓に重きを置いたものになっています。

グローバル市場開拓枠で申請するためには、4つの類型に該当することが求められます。

  • 01 海外直接投資
  • 02 海外市場開拓(JAPANブランド)
  • 03 インバウンド市場開拓
  • 04 海外事業者との共同事業

第13次から変わったのは「02 海外市場開拓(JAPANブランド)」です。

この類型だけ、対象経費に「通訳・翻訳費用」や「広告宣伝・販売促進費」が入ります。

ものづくり補助金は基本的に販促費関係は対象外ですので、今回の変更には驚きです(^^)

 

もう一つの変更点は補助額の下限が下げられています。

第14次からは100万円から応募できます。

上記はものづくり補助金公募要領の概略版からの抜粋です。(8ページ参照)

 

ものづくり補助金では海外事業に展開する企業に向けて、最大3,000万円の補助を受けられる枠があります。

通常枠なら最高でも1,250万円ですので、2.4倍の規模です。

しかし下限が1,000万円からとなっているため、ハードルが高かったものと思われます。

たしかに、海外市場開拓やインバウンド市場開拓なんかは1,000万円以内の投資が多そうです。

 

大幅な賃上げで補助額上乗せ

第14次の大きな変更点として、大幅賃上げをする事業者に対して、補助額の上限が引き上げができるようになりました。

たとえば、通常枠で従業員数が5名以下の場合750万円が上限でしたが、大幅賃上げの要件を満たすことによって+100万円の850万円まで上限額が引き上げられます。

具体的な上乗せ額は従業員規模によって引き上げ上限が異なります。

上記はものづくり補助金公募要領の概略版からの抜粋です。(9ページ参照)

 

上乗せに必要な要件は以下の3つです。

  • 01 給与支給総額を年率6%以上増加させる
  • 02 事業内最低賃金を年額+45円増加させる
  • 03 01・02を達成する事業計画作成

ちなみに給与支給総額とは全従業員(非常勤含む)と役員に支払った給与のことで、退職金や福利厚生費は除きます。

役員報酬が入っているところが厄介ですね(^^;)

せっかくの賃上げ要件が役員報酬で吸収されてしまいそうです。

01については、通常枠でも給与支給総額を年率平均1.5%以上の増加が求められますが、上乗せ特例を適応させるためには更に4.5%増加させる必要があります。

02の事業内最低賃金は、その会社で働いている人の中で最も賃金が低い人のことを言います。

月給であれば時給にして比較します。

通常枠においても事業内最低賃金が最低賃金よりも+30円以上の水準を求められますが、上乗せ特例では更に年額で+45円以上増額させる必要があります。

これだけ上げると上乗せで補助金を得られたとしても、結局給与で支払って手元には残らなさそうですね(^^;)

 

補助経費に関する誓約書提出

これは細かい話ですが、これまでなかった「補助経費に関する誓約書」を提出する必要があります。

書類自体は署名するだけなので、手間はそれほどかかりません。

内容としては、購入する設備や機械は補助事業のために使用することを制約するとのことです。

更にもし使ったら補助金を取り消されても文句言いませんと念押しされています。

誓約書がなくても購入した設備・機械は補助事業以外に使えないので、抑止力を期待したものだと思われます。

 

まとめ

今回は第14次ものづくり補助金の変更点について解説しました。

 

最後に変更点をまとめると

  • グリーン枠の拡大
  • 海外展開支援の強化
  • 大幅な賃上げで補助額上乗せ
  • 補助経費に関する誓約書提出

これらをうまく活用すると最大で5,000万円の補助を受けることができます。

ただしグリーン枠の申請類型アドバンス4,000万円+賃上げの上限特例1,000万円(従業員数21名以上)なので、かなりハードルが高いですが・・・

通常枠で考えると2,250万円(従業員21名以上1,250万円+賃上げの上限特例1,000万円)です。

 

以前は1,000万円だったのでかなり大きな補助額になっている反面、複雑になってきましたねぇ

詳しくはものづくり補助金総合サイトをご覧ください。

 

補助金に採択されるためには、実行可能な事業計画書が必要です。

しかしほとんどの人が、

「どうやって事業計画書をつくるの?」

ってなります

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そのノウハウをまとめていますので、興味がありましたら参考にしてください。

 

【経営コンサルタント実務②】補助金の事業計画書作成ノウハウ

補助金支援について

補助金申請で一番大変なのが「事業計画書の作成」です。

採択されるためには魅力的な事業であることを伝えなければなりませんが、自社の業界のことを知っていない採点者に魅力を伝えるのは難しいです。

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