コンサル実務 経営・改善活動

改善活動は成果発表の場を設けよう

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は改善活動の成果発表についてお話しします。

活動した成果は発表しよう

ある一定期間の改善活動が終わった時には、活動の取り組み結果を発表する場を設けます。

「そんな場を設けようとすると、時間も手間もかかって大変(^^;)」

と言われることがあります。

しかしこれだけは言わせて下さい。

「成果の発表は絶対必要です!」

 

なぜ必要かは、四つの理由があります。

  • 成果の進捗を確認する
  • 良い事例を横展開
  • 承認欲求を満たして意欲向上
  • 競争意識を芽生えさせ、組織活性化

一つずつ解説していきます。

成果を進捗を確認する

ひとつは成果の進捗確認です。

目標としていた成果を達成したか、活動によってどんな効果があったかを会社のみんなで共有します。

例えば、ある区画の5S活動を実施する目標を成果発表するとします。

「A区画の整理を実施したことで、不要なモノがなくなりスペースが生まれた」

ビフォーアフターの写真を活用しながら発表するとわかりやすいです。

そしてどんな課題が残っていて、これから取り組む内容についても説明します。

「不要なモノがなくなってスペースが生まれたので、次は整頓を実施して棚にわかりやすく表示する」

こんな感じです(^^)

良い事例を横展開

二つ目は成果のあった事例を共有することで、他の部署にも横展開することです。

活動の成果を発表してその内容が本当に有効性の高いものであれば、他のグループにも水平展開すべきです。

例えば、不良品削減についての改善活動をしている部署があったとします。

調べてみると、確認漏れが多くなっていたことが主な原因であることを突き止めました。

その対策として「二人で同時にチェックする」という案が提案されました。

実際にやってみたところ、確認漏れが少なくなり、非常に大きな成果につながりました。

このような大きな成果が出た場合は、発表会で大いにアナウンスしてもらいます。

こうした良い取り組みは、他の部署のヒントにつながります。

活動が途中で行き詰まっている部署が、現状を打破するきっかけつながります。

そのためにも、成果発表は非常に有効です。

 

承認欲求を満たして意欲向上

三つ目は従業員のモチベーションを高めることです。

せっかく苦労して実施した活動の成果はアピールしたいという思いがあります。

発表自体は緊張するので、あまり進んでやらたくない人が多いですが、活動を認めてもらいたい気持ちは少なからずあります。

認めてもらいたいという承認欲求を満たすには、発表会はとても有効です。

モチベーション理論では、自分たちの成果が認められることは、ヤル気の向上につながるとされています。

さらに、それらが評価され、給与や賞与などの処遇に反映されれば、その効果はさらに増大するでしょう。

 

発表会は会社全体に報告します。

どんな小さな成果でも良いので、取り組んだ結果を自信をもって報告してください。

同時に、聞く側も「こんな細かいことで・・」といった気持ちで聞かないようにしてください。

むしろ、小さな変更で大きな成果を生み出したほうが費用対効果が高いので、非常に良い取り組みです。

直属の上司を中心に、やった取り組みに対して具体的に褒めるようにしてください。

普段褒めることをしていないので、慣れていない方も多いです。

上辺だけで褒めてしまうと、相手に伝わるので逆効果になってしまいます。

相手の心に響くようにするためには、活動内容を詳しく知る必要があります。

そのためには改善活動に興味を持って観察しましょう。

「褒めるって大変・・・」

と思うかもしれませんが、大げさでなくても良いです。

「整理されたおかげで、スペースができて仕事がしやすくなったよ(^^)」

こんな感じで十分です。

 

活動が認められると「もっとやろう」という気持ちになってくれます。

積極的な姿勢になると、活動の精度も向上します。

せっかく働くなら、楽しみながらできる環境が良いですね(^^)

そのような環境を作るよう、改善活動だけでなく普段の仕事ぶりも認めていきましょう!

 

競争意識を芽生えさせ、組織活性化

四つ目は他部署の活動を知ることで、競争意識を刺激することです。

活動の中には非常に優れた結果を残す部署もあります。

そういった部署の活動を見ると、「次は自分たちも頑張るぞ」という気持ちになります。

「他部署の取り組みを横展開」でも話をしましたが、他部署のやり方をマネする部署もあります。

会社全体巻き込んで成果を報告すると、全体の活動を底上げすることができます。

 

会社によっては、優れた活動をしている部署を表彰することがあります。

優秀な部署には、プレゼントがあります

こういったことがあると、なんとなく優秀賞を目指してしまいます。

たいしたプレゼントでなくても良いです。

こういった仕組みを取り入れると、改善に対する意識が高くなります。

 

これらのことからも、成果の発表の場を設けることを、お勧めします。

成果の発表は半期ごと

活動の成果発表の時期やタイミングについてどのようにするのが良いでしょうか。

私が支援している会社では、改善活動の成果発表は半期に一回設けています。

発表会では半期の活動報告と次の半期の活動目標を報告します。

タイミングは新しい期のスタートが良いです。

回数はいろいろ試行錯誤した結果、半期ごとか一番良いですね。

1年に1回だと、活動が間延びしてしまします。

また3か月に1回だと、報告の準備に時間を取られるので、本来の活動が進まなくなります。

 

ちなみに目標によっては半期では到達できないことがあります。

例えば「標準書の作成」を挙げてみます。

標準書を作成する目標を掲げたとしても、半年ですべての工程の標準書を作成することはできません。

その場合は中間地点(マイルストーン)を置きます。

大きな目標として「標準書の作成」として、達成基準を具体的に作成する対象を明らかにします。

標準書作成であれば、まずは主要な工程から作成に取り掛かることになります。

例えば半期の達成基準は

「○○工程と△△工程、□□工程の標準書を作成する」

にします。

私が会社の方と一緒に作成する目標シートでは、

目標 半期達成基準 具体的手順
主要な工程の標準書を作成する ○○工程と△△工程、□□工程の標準書を作成する 標準書の大枠を作成する
作成した標準書を検証する
標準書を完成させる

こういった感じで文章化して共有しやすい状態に落とし込みます。

目標は「大きな目指す方向」を書きます。

ですので、単年度で達成できないことで良いです。

半期達成基準は「この半期でどこまでするか」です。

これがマイルストーン(中間地点)というやつです。

これを設定しないと、半期の取り組みが当初の計画通りなのかを検証することができません。

この達成基準については、設定時にしっかりと作り込むようにしています。

 

そして具体的手順は「どんなことをするのか」を記入します。

目標や達成基準だけでは「どうやってやるの?」となってしまいます。

どんなことが必要なのかを細分化して記入して下さい。

それ以外にも、担当者やスケジュールなんかも記入します。

 

長期にわたるテーマであれば、半年ごとの到達点を決めて、それをひとつのステップとすれば良いでしょう。

一つ一つの小さな積み重ねが、大きな成果につながります。

 

活動の考察は基本褒めよう!

最後にお伝えしたいのが、「発表会では活動内容の批判せずに褒めよう」です。

これは活動を継続的にするために非常に重要なポイントです。

活動の成果を検証をする時に、できていないとことにスポットを当てすぎて「批判会議」になってしまいます。

どうしてもマイナス評価に陥りやすいです。

マイナス評価は場の雰囲気を悪くします。

また言う人も言われる人も気分が落ち込みますので、テンションが上がりません。

せっかく限られた時間の中で活動したのに、誰も褒めてくれないと、意欲的に活動することが難しくなります。

意欲的にできないと、継続することが難しくなります。

このような状態が続くと、いつの間にか活動が止まってしまいます。

自然消滅することもあります。

 

私は短期的に集中して成果を上げるよりも、持続的に活動を続けることを大事にしています。

継続することで活動の精度が向上し、とてつもない成果を生み出すエネルギーになるからです。

そのために、ほんの少しの活動も承認して、継続することが楽しくなるようにしてください。

継続するためには大きな仕組みを導入する必要はありません。

こうしたちょっとした工夫や仕組みが必要です。

従業員の自発的な行動に期待するだけでなく、会社として活動を支援できる体制を築いてください(^^)

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