こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
中小企業診断士の知識は、コンサルタントの実務で非常に役に立ちます。
運営管理で出題される「5S」について、私の事務所の事例を挙げながら解説します。
5S活動の落とし穴
5S活動を実施すると、キレイな職場になっていきます。
「キレイになってすっきりした(^^)」で終わってはいけません。
これで終わってしまうと、数か月もすれば乱れ始めて元の状態に戻ります(^^;)
「せっかくキレイになったのに・・・」
また同じように苦労して整理整頓する必要が出てきます。
「また苦労して整理整頓しないといけないのかぁ・・・」
一度は何とか頑張りましたが、二度目はメンタル的にキツイです。
「どうせまた元に戻ってしまうから、やらないほうが良いんじゃない」
そして活動は自然消滅していきます。
このように中途半端に実施すると、5S活動をやることでモチベーションを下げてしまいます。
5S活動でルールを守る組織にしよう
5S活動を実施する時に、忘れてはいけない大事な目的があります。
それは「ルールをしっかり守る組織を作る」です。
先ほどの例では、何度も時間をかけて5S活動を実施する必要があります。
5S活動は時間をかければかけるほどキレイになりますが、本来の仕事の時間を奪ってしまいます。
いつまでも時間をかけないとキレイにならないかえって労働生産性を下げてしまいます。
こういったことを防止するために、事務所や工場の使用方法のルールを決めます。
つまり、また時間をかけて5S活動をしないように汚さないように工夫します。
「清潔」ってやつですね(^^)
ルールは守りやすい工夫を
しかしルールを決めても守れないことがあります。
それは「ルールを守ろうとすると面倒」という状態です。
ルールを作る側からすると、
「どうしてルールを守ってくれないんだ!」
と思いますが、
ルールを守る側も、
「こんなルールなんて守ってられない!」
と思っています。
そうならないためには、ルールを守りたくなるような工夫をしなければなりません。
そうするとルールを守らせる側も、守る側も気持ちよく仕事をすることができます。
元に戻したくなる工夫「形式管理」
では、どんなルールを作れば守りやすいのか?
いろんな方法がありますが、私の事務所で実施している事例を挙げます。
それは「形式管理」です。
5Sをやっていると必ず問題になるのが、「モノを決めた場所へ戻す」という行為です。
せっかく置場を決めても、元も場所へ戻されなかったり、違う場所に放置されたりするとガッカリしますよね(^^;)
私の事務所では「ふちどり」をしてモノが元に戻る工夫をしています。
ふちどりとは、モノが置いてある場所に形で印をつけることです。
方法はとても簡単です。
市販のビニールテープを使い、置いていたモノの形を残すだけです。
こんな感じです。
この写真のポイントは3つあります。
- 置くモノの形にあわせてビニールテープを貼る
- 置場に「パンチャー」や「セロテープ」と表示をする
- 置くモノそのものにもテプラで表示する
この3点セットは欠かせません。
これを実施すると決めた場所へもど。
これは、ふちどりが「あるべき姿」を明確に表しているからに他なりません。
「ここに置くべき」という姿が明確なので、それを見た人は気がつくのです。
ふちどりは、その「あるべき姿」を、具体的なモノとして見せる最適な手段です。
モノが決めた場所に戻されない時に、それを誰かに指摘するのは気持ち良くありません。
そんなときに「ふちどり」を活用すれば、黙っていても定位置へ戻そうという気持ちになります。