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改善活動の体制と進捗管理のペースについて

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は改善活動の体制と進捗管理について解説します。

改善活動のノウハウがない会社が意外と多い

私は仕事で組織の改善活動を支援しています。

多くの会社では、改善活動の必要性は感じているけれども、運営ノウハウがないので苦労されています。

改善活動の流れ自体は言葉で表現すると簡単で、

  • 改善目標を作成して
  • 進捗管理して
  • 効果を検証して
  • 更なる改善につなげる

このような流れで運営すれば、組織の課題を解決していくことができます。

PDCA活動ですね(^^)

「必要性もわかっているし、進め方のイメージはわかっている。でも体制作りや進捗確認ってどのくらいのペースでやればいいのか・・・」

体制をしっかり構築しないと、活動が止まります。

進捗確認も頻繁にやり過ぎると、疲弊してイヤイヤ活動するような感じになってしまいます。

突き詰めると、細かい点がいろいろ気になってきますね(^^)

 

よって今回は改善活動の推進体制と進捗確認の程度に絞って解説します。

実は推進体制や進捗確認の程度の正解はありません。

しかし目安がないと自分の組織にあった体制が作れません。

なので、これまで私が実践してきたことをお伝えします。

参考になれば幸いです(^^)

改善活動の体制は「課」や「係」、「班」ごと

まず改善活動の体制は「課」や「係」、「班」ごとにグループを作ります。

人数は5〜10人くらいです。

多すぎると参加に消極的な人が多くなってしまいます。

人数が少ないと個人目標と同じになってしまいます。

そして改善を推進していくメンバーを決めていきます。

各部署から3〜5人程度が望ましいです。

組織にはいろんな部署があり、部門長を中心として活動をしています。

部署のメンバーを巻き込んで活動するための中心メンバーを編成します。

部門長の他には、将来の部門長候補にも参加してもらいます。

このメンバーを中心にして、現状把握から改善目標の作成、活動の実施、効果の検証、更なる改善に取り組みます。

このメンバーは定期的にミーティングを開いて、活動状況や方向などを打ち合わせていきます。

活動推進の留意点として、メンバー間の温度差があります。

中心的に推進しているメンバーは熱を持って活動しますが、それ以外のメンバーは冷めていることがあります。

  • 目的もわからず活動に参加している
  • 活動の途中経過や結果を知らない
  • 役割がないメンバーがいる

こういう状況になると、メンバーの意欲が低下します。

なぜこのような活動をしているのか、活動の結果どうなったかはメンバー間でしっかり共有して下さい。

また、5S活動でも申し上げた「一人一役」を意識してください。

「一人一役」で社員をうまく巻き込もう

役割を与えられたほうが、参加意欲が向上します。

いろんな人を巻き込んだほうが、いろんなアイデアが出ます。

チーム全体が盛り上がる方法として、活動の中心メンバーを増やす方法もあります。

私は通常業務のことを考えて中心メンバーを限定しています。

しかし通常業務に差し支えがなければ、メンバーを参加させることで意欲を向上させることができます。

当事者になるとミーティングで決まった内容に対して、

「決めたことはやらなければ」

と責任感が生じます。

いろんな工夫をして活動メンバーが限定的にならないよう、みんなを巻き込んで下さい。

メンバーにお願いする時には、丁寧に目的と内容を伝えて下さい(^^)

企業の規模の大小にかかわらず、やり方は同じです。

 

進捗確認は毎月実施しよう

改善の目標立てて活動する時には、それがどこまで進んだのか確認しておく必要があります。

それが「進捗管理」です。

  • 「課」で活動している場合は「部長」
  • 「係」「班」で活動している場合は「課長」

こんな感じで、活動をしている部門長の上司に報告をします。

目標の進捗確認を行う行なう時期は、毎月行なうことが望ましいです。

毎週やると疲れます(^^;)

報告する内容がないこともあります。

進捗の報告は準備が必要なので、それなりに時間が必要です。

また報告のミーティングもみんなの時間を奪います。

ですので、頻繁にやると仕事の生産性が下がります。

かといって、3ヶ月や半年に一度では少ないです。

改善活動が間違った方向に進んでいたら、やったことが無駄になってしまいます。

活動が止まっていた時にも気がつきません。

毎月行うことで、負担を少なくしながら効果を高めます。

組織によってはコミュニケーションを取る機会が少ない場合があります。

このような進捗会議を開くことで、良いことや悪いことを共有したり、会社の方向性を確認したりできます。

「ミーティングしたいんですが、上司も忙しくてなかなか声がかけづらいんです」

という話を聞きます。

そのような状況を防ぐには「仕組み」が必要です。

進捗会議の開催日を決めておきましょう。

開催日を決めずに暇な時間に開催するでは、次第に活動が止まってしまいます。

定期的に開催することで、業務上の問題に対する助言を、上司や他のメンバーからもらえます。

さらには進捗状況を明らかにすることにより、ずるずると慢性的に遅れるスケジュールを、早い段階で食い止めることが可能となります。

そのような意味からも、最低1ヶ月に1回は進捗管理を行なう必要があります。

 

進捗管理を評価に活用しよう

毎月定期的に状況把握を行なうことは、上司が部下の評価を行なう際に役立ちます。

目標を達成するための過程を日ごろから観察することは、評価する上で非常に重要です。

最近の評価制度は結果だけではなく、達成するまでの過程も考慮に入れます。

ただし、普段から観察していないと過程の評価は難しいです。

進捗を毎月行っていれば、どのようなことをしているか見ることができます。

精度の高い評価を実現するためにも、過程を見ることができる「仕組み」を作りましょう!

最後に「持続可能な活動を意識しよう」

今回は改善活動の体制や進捗管理について解説しました。

まとめると、

  • 改善活動の体制は5〜10人の「課」「係」「班」
  • 活動の中心メンバーを3〜5人選ぶ
  • 中心メンバーは通常業務に差し支えがなければ、多くてもOK
  • 進捗報告は毎月行う
  • 報告会を日を設定する
  • 進捗管理で部下の過程を見る

伝えたいことが多くてうまくまとまっていませんね(^^;)

そして最後にお伝えしたいことがあります。

それは、

「持続可能な範囲で活動しよう」

です。

活動に意欲的な人にありがちですが、あれもこれも目標に詰め込みすぎてしまうことがあります。

たくさん実行すること自体は良いのですが、あまりにもやること多過ぎると挫折してしまいます。

私の支援先では活動の負荷と余力を見ながら、適切な目標を修正います。

途中経過で難しいことが判明したら、達成基準を低くします。

特に初めのうちは、

「こんなのすぐにクリアできるけど、いいのかなぁ‥‥」

ぐらいの活動で良いです。

それでもいざ組織的に実行しようとすると、うまくいかないことがあります。

もしすぐに達成したら、目標を変更すれば良いです。

「そんなに達成基準を動かしたら、当初の計画を作る意味が‥‥」

なんて言われますが、私は「自分たちで目標を作って実行して検証する」自体に価値があると思っています。

それに未来のことなんてわからないですしね(^^)

仕事でもプライベートでも進めていくに連れて、当初とは違う着地点に落ち着くことはよくあります。

それよりも継続的に行うことが大事です。

少しずつでも良いので、継続していけば大きな成果につながります(^^)

持続可能な仕組みを作ることを念頭において下さい!

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