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倒産しやすい会社の共通点3つ

投稿日:2021年5月28日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は倒産しやすい会社の内部でどのようなことが起こっているのか、また企業を存続するために必要なことは何かについて解説します。

直近の倒産状況

 

東京商工リサーチによると、2021年3月の全国企業倒産件数は634件でした。

これは前年同月と比較すると14.3%減少しています。

3月度では1972年以降の50年間で1990年(502件)、1973年(624件)に次ぐ、3番目に少ない件数となった。

「新型コロナ」関連倒産は帝国データバンクによると月間最多の188件でした。

新型コロナウイルスの影響で企業経営が厳しい状況に追い込まれていますが、一方で政府の各種支援策が功を奏し、倒産については減少しています。

これまで体験したことのないような状況となり、どこの会社でも閉塞感は漂っています。

 

倒産しやすい会社の共通点3つ

しかしその中でも利益を確保して存続している会社はたくさんあります。

存続が危うくなっている会社ではどのようなことが起こっているか、組織の観点から解説します。

そしてどう対策をすべきかを示します。

結構当たり前のことばっかりですが、意外とできていないか会社が多いです。

 

現状分析が不十分

第1に、自社の経営状況の把握が不十分であることが多いです。

例えば正確な利益や資金繰りなどが把握できていないことが挙げられます。

悪さを認識できずに先延ばししている状態です。

今が良いか悪いかは感覚で判断できますが、どれくらい悪化しているのかまで把握しないといけません。

程度によって対策案が変わってきますので、現状分析は不可欠です。

 

ビジョンや達成目標がない

第2に、会社目標が存在しないことです。

立派な理念やビジョンはあるけれども、従業員に全く浸透していない、伝えていないといったことはよくあります。

たとえ伝えていても、なぜそのような理念やビジョンを掲げているかを知らないこともあります。

大海原を目的もなく泳いでいる状態では、目的地にたどり着く前に疲れてしまいます。

 

危機感がない

第3に、危機感がないことです。

状況が十分に把握できていない為、今どのような危機に直面しているかがわかっていないため、そういった意識が生まれません。

早く手を打たないといけない状況になっているにもかかわらず、気が付いていないので社内がぬるま湯につかった状態です。

 

3つの要因を克服する

これらを踏まえると、どのように克服していくかがわかってきます。

少なくとも上記で述べた3項目の対策を取ればよいです。

第1の現状分析については財務状態を分析することが想像できますが、自社の内部環境と外部環境を分析します。

よく使われるフレームワークとしてSWOT分析があります。

内部環境 強み

設計から製造までの一貫生産

技術に精通した人材が豊富

弱み

従業員の高齢化

技術伝承が遅れている

外部環境 機会

クリーンエネルギー需要増加

脅威

代替品が台頭している

SWOT分析は以前経営理論をブログで取り上げて解説しています。

詳しく知りたい方は下のリンクからどうぞ(^^)

実務ではSWOT分析は事業計画書を作成するときに使用することがあります。

事業計画書は融資や補助金申請などをする場合に作成する必要があります。

 

第2のビジョンや達成目標は、経営者が会社の方向性や目標を作成し、それを全社員に周知します。

会社がどういった方向性に向かっているか、何を提供して社会貢献しようとしているのか。

こういったことを掲げることは重要です。

掲げなくても仕事はできますが、目標もなくひたすら繰り返しの仕事をしているとモチベーションが下がってきます。

人のモチベーションは仕事の品質に多大な影響を与えます。

改革する力を結集するためにも、目標を共有しましょう!

 

第3の危機感は現状分析と目標を共有して、改善活動を行っていくことで芽生え始めます。

改善活動を実行するためには、計画する必要があります。

そして計画を確実に実行するために、定期的に進捗を確認していきます。

月一回程度の進捗確認をすれば、確実に改善が進んでいきます。

進捗確認時に、活動の妨げになっている問題点を一緒に解決していきます。

こういった地道に繰返し行なうことで、良い方向に進んでいきます。

成功への近道は、地道な積み上げです。

私も試行錯誤しながら、皆さんの役に立つ実務経験と理論を発信しています。

これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします!

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