こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
私は実務経験を通して5S活動の効果をブログでお伝えしています。
今回は5S活動で変化に対して対応できる組織を作ることができるという話をします。
組織はずっと変化がなければ、競争に負けてしまう恐れがあります。
世の中は変化し続けています。
唯一の不変なことは変化することとも言われますね(^^)
しかし組織で新しいことを始めるのは容易ではありません。
会社には抵抗勢力がいる
抵抗勢力という言葉をご存じだと思います。
政治の世界でよく使われていますよね。
かつて自民党の小泉政権で「郵政民営化」を進めていました。
その時に野党だけでなくて、見方である与党の一部からも反対の声が上がりました。
このような抵抗勢力を一掃するために、選挙に打って出て見事勝利したことがありました。
抵抗勢力は政治の世界だけではありません。
皆さんが働く職場においても、そういったことはありませんか?
例えば、会社で新しい取り組みをスタートさせるときに、
「そんなことやっても意味がない」
「そんな面倒なことはやりたくない」
といった声が必ず上がります。
まあ、新しいことを始めるとこういったことはどこの組織でもあります。
反対する人の理由はさまざまあります。
- これまでの既得権益を奪われる恐れがある
- 自分の存在価値がなくなるかもしれないといった恐れがある
- 新しいことに適応できるのか不安になっている
こんな感じでしょうか( ̄▽ ̄;)
変化することって不安だから仕方のないことだと思います。
しかし会社として方針が決定してから反対するのはルール違反です。
変化が合理的でないと感じたり、もっと良い方法があるならば、しっかり議論するべきです。
会社としても、理解が進まないうちに進めると、大きな反対にあうので注意しなければなりません。
5S活動で変化に強くなる
実は5S活動は変化に対して受け入れやすくなる練習になります。
なぜ5Sが抵抗を和らげるでしょうか?
それは、
「5S活動を通じて小さな変化に対応できるようになる」
からです。
5S活動を始めると職場の環境が変化します。
例えば、
- いつも置いてあったものが不要だったので捨てた
- 使っている道具箱を整頓して物の配置を決めた
- 棚に表示をつけて見つけやすくした
- 導線を表示して台車やフォークリフトの党利道を確保した
といった感じで、どんどん変化していきます。
こういった変化を常に見ることによって、だんだんと新しいことに対しての抵抗を少なくすることができます。
人間というのは経験することで、慣れてきます。
こういった小さな変化を経験することによって、やがて大きな変化に対しても受け入れることができるようになります。
会社の大きな改革に対しても、できない理由を並べるのではなくて、どうやったらできるようになるのかを考えることもできます。
フット・イン・ザ・ドア・テクニック(foot in the door technique)
こうした方法は「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という人間心理を利用した交渉のテクニックでも紹介されています。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは
「交渉や依頼の場面で、本命の要求を通すために、まず簡単な要求からスタートし、段階的に要求レベルを上げる方法」
です。
人間はある立場をとったときに、一貫してその立場をとったほうが居心地が良いです。
他人からも「一貫性がある」と思われたいという心理があります。
あまりコロコロ意見が変わる人って信用できませんしね(^^;)
そんな人にはなりたくないと一般的に思う人が多いです。
フットインザドアテクニックという名称の由来は、英語の「put foot in the door」。「ドアに足をかけたらこちらのもの」という意味です。
なんかあんまりよい感じはしませんが、次のようなことを感じたことはありませんか?
スーパーなどで試食をしたときのことです。
試食を進められた後に感想を聞かれて、
「すごくおいしいです」
と答えたときに、なんとなく買わないといけないのかなって思いませんか(^^;)
実際に買わなくても「試食だけして買わないのってなんか悪いような気がする」と思う人は多いです。
ああいった感じで、最初に小さいことを受け入れてもらうことができれば、もっと大きな(この事例で言うと商品の購入)要求にこたえてくれる可能性が高くなります。
ゲームなんかにおいても、最初は無料で遊べるけれども、だんだんと難易度が上がってきて課金を促す感じです。
私もゲームで課金したことがあります。
手っ取り早く進めたくなってつい(^^)
ある会社の事例
私が知っている会社では、5S活動を何年も続けています。
そこの社長さんから話を聞くことができたので、5S活動の成果についてヒアリングしました。
その時に印象に残っています。
社長さんいわく、
[5S活動は、社内の美化にもつながった、職場に合ったムダなものもなくなった、職場環境向上につながったことは事実だ。しかしこの活動で一番の成果は変化への抵抗が少なくなったことだ」
だそうです。
その会社では、社長が何か新しいことを提案すると、何かに理由をつけて反対することが多かったです。
かと言って、社員から代替案や新しい提案が上がることもありませんでした。
5S活動も
「そんなことやって意味があるのか」
「残業が増えるのではないか」
という反対が多かったので、スタートするまで大変でした。
何とかスタートしたところ、社員の気持ちに変化が訪れました。
社内からいろんな意見が出るようになったのです。
そしてその意見は5S活動に反映されていきました。
「自分たちの意見が会社に反映される」という、成功体験を積んだことによって自信がついてきました。
それからは社長の提案に対しても、以前よりも受け入れてくれたり、もっと良い意見をくれたりと、社内の活性化に成功しました。
このように5S活動は、さまざまな波及効果を持った活動です。
当たり前でできていない5S活動
信じられないかもしれませんが、5S活動を行っていない会社は結構あります。
会社によっては5S活動が当たり前になっていることもあるので、その環境の方にとってはびっくりするのではないでしょうか?
中小企業診断士の二次試験では、5Sができていない会社が登場しますが、現実の現場でも遭遇します。
逆に考えると5S活動のノウハウを習得すれば、コンサルタントとして活動することができます。
会社によっては自分たちだけでは5Sを進めることができないことがあります。
特に組織的に5S活動をスタートさせるには、かなりの準備と労力がかかります。
このような状態の会社に、ノウハウを伝授することで生産性を高めることができます。
ルールを守る文化を醸成させることができます。
もしコンサルタントとしてどうやって会社を支援すればよいかわからない方は、5S活用の進め方を勉強されることをおすすめします。
私もコンサルタントとしての経験は多くありませんが、5S活動によって会社の支援ができています。
ブログを通じて伝えていきたいと思っていますので、また読んでいただければ嬉しいです。
今回はこの辺にします!
またよろしくお願いします(^^)
5S活動で組織を変えよう
私は5S活動の重要性をこのブログで発信しています。
また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。
参考書と違い、すぐに実行できるツールをふんだんに盛り込んでいます。
ぜひご活用くださいませ(^^)