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フット・イン・ザ・ドア・テクニックをうまく使おう

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

経営コンサルタントの仕事をやっていると「これって中小企業診断士試験で勉強した理論が使えるなぁ」なんて思うことがしばしばあります。

というわけで、私が業務改善や5S活動で支援している時に活用できた経営理論を紹介します。

今回は「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」について取り上げます。

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは

「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」は、アメリカのフリードマンとフレイザーという心理学者が提唱しました。

人の心の動きを実験して検証したものです。

検証してわかったことは、

「人は小さな要求を一度受け入れてしまうと、大きな要求も断りづらくなる」という傾向があることがわかりました。

これを聞いた時に「何となくわかるなぁ」と感じました(^^)

身近にある事例

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは身近な所によくあります。

例えば、スーパーでやっている試食を挙げてみます。

最近はあまり試食をする機会が減りましたが、私は試食があるとついつい食べたくて並んでしまいます。

コストコの試食よ復活してくれー

試食をした後に「せっかくだから買わないと悪い気がするなぁ」という気持ちになるという感じです。

試食という形で、その商品を一旦受け入れている状態なので、販売員さんに勧められた時に、自分の行動や心の一貫性を保ちたくなります。

「興味があって試食したんなら、YOU買っちゃいなよ」

的な感じです。

また、無料お試しで集客して、本契約に結びつけるような手法も「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」を使っています。

「無料なのにこんなにサービスしてくれるんだ」なんてことがあります。

販売員さんは誠心誠意尽くしてくれていますが、マーケティングの観点から見れば、そう思わせることが狙いです。

最近多いネットで申し込むサブスクに関しては容赦なく切り捨てますが、対面だと常が湧いて断りにくいですよね(^^;)

 

「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」という名前は、訪問販売員が開いたドアの間に足を入れ、話だけでも聞いてほしいという小さな要求を足がかりに販売成功に持っていくという話に由来します。

 

実務での活用

フット・イン・ザ・ドア・テクニックは改善活動や5S活動を進めるときに役に立ちます。

例えば、5S活動というのは、「小さな改善」を多数集められたものです。

5S活動では「形式管理」というのがあります。

形式管理はモノの置き場所を決めて管理する手法です。

上の写真はデスクのボールペンやハサミの置き場所を決めています。

こうすると、スペースが限定されてしまいますが、このほうが欲しいものがすぐ見つかります。

筆記用具はムダに多く持ってしまいやすいので、逆にこの方が良いです。

 

ちょっとした改善なので、守ることは難しくありません。

これぐらいであれば、守りやすいです。

これを受け入れてくれることで、「置場を守るという、会社の小さな要求を受け入れる」ことになります。

そうすると、他の会社の決まりごとも守らなければならないと感じるのです。

こうして、もっと大きな要求(例えば作業手順を守ることや、服務規程を守ること等)も受け入れてしまいたくなる気持ちが養われます。

 

また改善活動を実行すると、積極的な方とそうでもない方がいます。

消極的な方に、複雑なルールを守るように指示したり、改善を担当させたりすることはできません。

だからといって諦めてしまうと、全体を巻き込んだ活動になりません。

そういう時は「小さな要求」からしてみましょう。

ちょっと片づけをしてもらったり、データの入力だけでもお願いしたりすることで、だんだんと高い要求にも対応してくれます。

人は作業を始めると「作業興奮」の状態になるので、最初のきっかけが重要です。

ちなみに「作業興奮」については、別の機会に書いています。

「作業興奮」でやる気を引き出そう!

経営理論の内容は当たり前のことが多いですが、このように文章で読むことで新しい発見があります。

また、実務でも活用できることが多いので、ぜひ勉強して見てください。

中小企業診断士試験の「企業経営理論」については、ブログで紹介していますので、参考にしてください。

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