コンサル実務 経営・改善活動

組織を変えるためには「目的の共有」をしよう

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

このブログでは、私の実務経験を基にして経営理論に結び付けて解説しています。

今回は私が訪問した会社の事例を挙げて、組織を変えるために必要な「目的共有」について解説いたします。

目的の共有ができていなかった事例

ある会社に訪問した時の話です。

その会社では「組織の雰囲気が悪く停滞しているから、もっと元気な会社にしたい」という要望を受けました。

私が訪問した目的を伝えて、改善活動を進めようとしましたが、幹部社員は何をするか全く聞かされていない状態でした。

事前にアンケート調査やヒアリングを行っていたので、まったく初めての顔合わせではなかったのですが、明らかに雰囲気がおかしいので困惑しました。

どうやら経営者はこれからどんな活動を行うか幹部社員に伝えていなかったのです。

事前に目的を経営者からお伝えするようにお願いしていたのですが、

具体的な話をしても、まったく盛り上がりません。

この時点で「こりゃヤバそうな雰囲気」と思いました。

今回行おうとしている改善活動では、ある程度はこちらが主導して計画を立てていくのですが、当然参加される方からの積極的な参加が必要です。

協力してもらわないことには、効果的な改善活動は望めません。

そのような目線があっていない状態で進めても、不満がさらに募るだけです。

目的を説明すれば、わかり合える

「幹部社員の態度からすると、このまま進めても不満が出そうだなぁ」

だんだんとその思いが強くなりました。

そこで経営者の方には少し外してもらい、幹部社員の胸の内を聞かせてもらうことにしました。

すると否定的な意見のオンパレード(^^;)

「改善に取り組んでも無駄」、「社長とは何をやっても一緒」といったあきらめや投げやりな意見が出るわ出るわ‥

話していくにつれて、経営者と幹部社員のコミュニケーション不足が明らかになりました。

「こんな状態では改善活動は失敗してしまう」

誰が見ても明らか出したので、何とかしなければと思いました。

そこで社長から聞いていた思いを、私から伝えることにしました。

  • 将来的に現社長から新社長になる際に、幹部社員の力がかなり必要になること。
  • 自分たちで問題を解決できるような実行力やマインドを身につけてほしいこと
  • これからは幹部社員を含めた、組織の力で会社を運営してほしいこと

社長は将来を見据えて、現幹部社員に期待をしていました。

しかし普段からそんな話をする機会がなかったので、幹部社員は自分たちが必要とされているのか疑問だったのです。

その話をすると「今の会社の雰囲気が悪いことはわかっている」

「何とかしないといけないと気が付いているけれども、何をすればよいかわからない」

「もっと経営に関わっていきたいと思っているが、そんな話は一切ないので、期待されていないと思っていた」

こういった前向きな意見が出てきました。

とりあえず最悪な状態からは抜けられそうなので、ホッとしましたよ(^^;)

 

目的共有は丁寧に伝える!

今回の改善活動は、今起きている問題や課題がどんなものかを明らかにして、それをどのように解決していくかを、自分たちで具体的に進めていきます。

これを繰り返し行うことで、自分たちで解決できる力がつき、コミュニケーションを取る機会が増えるので、会社の雰囲気を変えることができます。

社長の思いや活動の目的を説明することで、最初の一歩を踏み出すことができました。

多くの会社でよくあることですが、社員に会社を良くしたいという思いがあっても、それを実現できる場がなければ難しいです。

提案しても、

「どうやって管理していくの?」

「そんなのなくても、その都度やったらいい」

「みんな否定的で参加してくれない」

あれこれとできない理由を言われて頓挫することがほとんどです。

 

私が行っている改善活動は、そうした意欲を実践できる場を設けることです。

社歴が長くなってくると、会社のいろいろなことがわかってきます。

そうすると問題点や課題が感覚的にもわかります。

そしてその解決方法もすでにわかっていることもあります。

それを動かすには、仕組みが必要です。

今回のケースでは、コミュニケーションが希薄になり、互いの気持ちを理解できない状態にしていました。

しかしよくよく話してみると、経営者と幹部社員という立場こそ違いますが、会社をどうしていきたいかのベクトルは同じでした。

改善活動は何のためにするのかを、しっかり丁寧に話しておかなくてはいけません。

「改善活動は利益を出すためにするんでしょ」

説明されなくてもある程度目的は理解できますが、直接の説明がないと

「余計なことを始めたので、仕事量が増える」

「社長の思い付きに付き合わされるのでイヤだ」

といった感情が芽生えてしまいます。

 

しかし、改善活動の目的をしっかり説明しておくと、そういった不満が少なくなり、積極的に意見を出してくれる人が出てきます。

逆に目的を定めずに実行するようなことは、途中で活動が止まってしまったり、かえって不満が出てきたりします。

例えば、評価制度を導入することになった場合を考えます。

働いている人からすると、点数をつけられるので、いやと感じる方は多いです。

しかし、「あくまで評価が目的ではなく、会社が期待する人物像を示して、人材育成として使いたい」

と説明すると、周りも腑に落ちてくれます。

これが「評価制度がないから導入したい」

ぐらいの目的であれば、みんな納得してくれません。

幹部社員の方も部下に説明する時に、

「社長が導入したいって言うから」

といった納得性のかけらもない説明になってしまいます。

そうすると、従業員から、

「社長は自分たちの給料を下げるために、評価制度を導入しようとしている」

といった間違った目的が広がってしまいます。

そんなこと言った覚えが全くなくても、いつの間にか広がります。

そうすると協力してくれる従業員は事情に少なくなります。

私は度々物事を進めるときに、目的の確認を行っています。

これを見失うと、手段が目的化してしまって、いつの間にか本来の達成したいことと違う結果を生むからです。

皆さんも仕事を進めるときに、目的の共有・目線合わせはしっかり行って進めてください!

 

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