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改めて中小企業診断士について調べてみた

投稿日:2020年5月23日 更新日:

皆さんこんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

中小企業診断士とはどういった資格なのかを説明したいと思います。

中小企業診断士は2016年に「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格ランキング」で1位に選ばれています。

ただ名前ぐらいしか知らない方も多いので、

  • 中小企業診断士とは
  • どういった仕事をしているのか
  • 取得するメリットは
  • 年収はどれくらいか
  • 取得するためにはどうすればよいか
  • 合格率はどのくらいか

皆さんが気なっていることを書いていきたいと思います。

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは国が認める唯一の経営コンサルタントです。

経営コンサルタントとは企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。

適切な助言ができるかどうか経済産業省が一定のレベル以上の能力を持った人を経済産業大臣が登録する国家資格です。

どういった仕事をしているか

中小企業診断士の業務とその役割

中小企業診断士は、企業が正しい方向へと戦略を立てる上の現況分析や助言を行い、その実行のためのアドバイスが主な業務です。

企業にとってはドクターのような役割です。

それ以外にも中小企業と行政・金融機関等を繋いだり、弁護士や社会保険労務士などの他の士業とのパイプ役になったりと活躍の場は多岐にわたります。

中小企業診断士同士で仕事をするときもありますが、他の士業の方と協力して企業が抱える課題を解決することもあります。

 

私の場合は現場の方と一緒に目標を作成して進捗を確認したり、評価制度や賃金制度を作成したり、補助金や助成金の支援をしています。

仕事の性質上具体的な内容を書くことが難しいですが、いろんな会社や士業の方と協力しながら仕事を進めています。

資格を取得してもこれらの仕事をしようとすると更なる勉強が必要です。

資格は相手の方への一定の信頼にはなりますが、実務が伴っていなければ役に立ちません。

企業内でも役に立つ資格

中小企業診断士の資格で独立されている方は全体の1/4ぐらいといわれています。

独立開業することもできる資格ですが、企業内で活躍している方の割合が高いのが現状です。

中小企業診断士は経営理論から財務会計、法律など様々な科目があります。

また実際の中小企業を想定したケーススタディで助言をする筆記試験もあります。

さらに中小企業診断士として登録するためには実務をする必要もあります。

こういった経験を通じて社会人として大きく成長することができます。

つまり資格勉強を通じてどこの業界でも通用する人間として成長することができます。

他の士業と比較すると独占業務がない代わりに多岐にわたる知識を身に着けることができます。

取得するメリットは

中小企業診断士を取得するメリットは以下の通りです。

仕事のレベルが上がる

中小企業診断士の勉強をすると経営に関する知識が幅広く身につきます。

そうすると自ずと仕事の質が向上することになります。

一言でいうと問題解決能力が向上します

ビジネスにおいて大事なことは相手のニーズや課題を解決することです。

自分の持っている専門知識を利用して課題を解決することができれば信頼を得ることができます。

これはどんな仕事においても共通のことです。

 

コミュニケーション能力が上がる

仕事は他人と一緒に進めることが多いのでコミュニケーション能力は重要です。

例えば業務や経営に関することは感覚的や経験的にわかることもあります。

しかしいざ人に伝えようとすると思うように伝わらないことが多いです。

知識として持っていないのでアウトプットするときにどうしても言語化が難しくなります。

中小企業診断士試験の過程で学習することで定型的・網羅的に経営理論を知ることで知識が整理されます。

整理されるとアウトプットしやすいです。

そうすると相手に自分の思っていることがわかりやすく伝えることができます。

また相手が自分のことをわかってもらえていると感じると好感度がアップします。

 

信頼度が上がる

中小企業診断士は国が認める唯一の経営コンサルタントです。

名刺に入れることで初対面の方でも最初から信頼権を得ることができます。

社内においても資格取得によって資格手当が出ることもあります。

新しいプロジェクトに抜擢されたり、重要な仕事を任せられたりと会社からの信頼が厚くなります。

 

幅広い人脈が増える

中小企業診断士の登録にあたっては実務補習を受ける必要があります。

実務補習では実際に企業の助言をします。

講師の先生が1~2人と登録予定者5~6人編成のチームで助言をします。

その中で同じ診断士を登録する仲間やチームをフォローしてくれる先生など、社外の人との人脈が生まれます。

それ以外にも診断士協会に入会すると勉強会や会合等で様々な方と知り合う機会があります。

人脈が増えると情報を入手できるので自分の知識が広がります。

その中にはビジネスにつながる話もあります。

そういった話がどんどん増えて転職につながったり、独立したりする人もいます。

また学生で中小企業診断士を取得すると就職にかなり有利です。

書類選考で落とされることはほぼなくなります。

年収はどれくらい

中小企業診断士の年収はどれくらいか「データでみる中小企業診断士2016」から引用してみていきます。

下図は年間100日以上コンサルティング業務を行っている方の売上・年収を調査したものです。

回答数 構成比(%)
300万円以内 49 8.9
301~400万円以内 46 8.3
401~500万円以内 55 10.0
501~800万円以内 110 19.9
801~1,000万円以内 82 14.9
1,001~1,500万円以内 104 18.8
1,501~2,000万円以内 50 9.1
2,001~2,500万円以内 20 3.6
2,501~3,000万円以内 12 2.2
3,001万円以上 24 4.3
合計 552 100.0

出典:中小企業診断士協会ホームページ「データでみる中小企業診断士2016」https://www.j-smeca.jp/contents/data2016/p05.html#q19

 

年間売上(年収)で最も構成割合の高いランクは、「501~800万円以内」19.9%です。

その次に多いのが「1,001~1,500万円以内」18.8%となっています。

「1,001万円以上」の割合は38.0%となり、3分の1以上を占めています。

高額の売上(年収)になっている方は、弁護士などいわゆる「ダブルライセンス」の方が多いです。

一般的な平均年収がざっくり450万円ですので高い水準にあります。

 

取得するためにはどうすればよいか

中小企業診断士を取得するためには診断士協会が毎年行っている試験に合格する必要があります。

具体的には診断士協会の図を参考にします。

出典:出典:中小企業診断士協会ホームページ https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/002_shindanshi_doushitara.html

一次試験は必須

絶対に合格しないといけないのは一次試験です。

例年は8月の第一週の土日に開催されます。

マークシート方式で7科目を受験します。

1日目

経済学・経済政策
財務・会計
企業経営理論
運営管理

2日目

経営法務
経営情報システム
中小企業経営・政策

一次試験は7科目あり平均60点の合計420点が必要です。

総合計420点なので1科目が50点でも、別の科目で70点あればよいことになります。

ただし1科目でも40点未満の点数を取ってしまうと、足切りで不合格となります。

 

一次試験に合格するとルートは2つあります。

  • 二次試験に進む
  • 養成課程に進む

説明していきます。

二次試験

二次試験は筆記試験と口述試験があります。

筆記試験は10月の第3週ぐらいの日曜日に開催されます。

記述式なので難易度が高いです。

4つの会社に対して助言をします。

それぞれテーマが分かれています。

事例Ⅰ:人事・労務に関する助言
事例Ⅱ:マーケティングに関する助言
事例Ⅲ:生産・技術に関する助言
事例Ⅳ:財務に関する助言

 

二次試験も平均60点の総合計240点で合格です。

1科目でも40点未満は足切りで不合格です。

 

筆記試験の結果は12月の上旬に発表されます。

そして12月の中旬の日曜日に口述試験があります。

筆記試験で出題された事例企業について今度は口頭で答えます。

口述試験は99%合格するといわれています。

コミュニケーションができることができれば大丈夫です。

答える内容が多少ずれていても落とされることはありません。

実務補習

二次試験に合格すると15日間の実務補習に参加するか、実務に従事することによって中小企業診断士に登録することができます。

実務補習は土日だけでなく平日も休みを取らなければなりませんので急に休みを取れない方も多いです。

ですので3年間の間に15日間受ければ登録できるようになっています。

社会人の方にも急いで都合をつけなくても良いので安心です。

養成課程

養成課程というのは正確には「中小企業診断士養成課程」または「中小診断士登録養成課程」と呼ばれるものです。

中小企業大学校やその他民間教育機関で半年から2年間カリキュラムを受講すると第2次試験だけでなく、実務補習・実務従事で条件をクリアしなくても、中小診断士として登録申請するための条件が満たせるものになっています。

細かい話ですが「独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業大学校」で実施されているものを「養成課程」、その他の民間教育機関で実施されているものが「登録養成課程」と呼ばれています。

つまり時間とお金を掛ければ一次試験をクリアすれば中小企業診断士になることができます。

合格率はどのくらいか

中小企業診断士の合格率は以下の通りです。

Wikipediaの情報を加工しています。

一次試験

年度 申込者数(人) 受験者数(人) 試験合格者(人) 試験合格率(%)
平成27年度 18,361 13,186 3,426 26.0%
平成28年度 19,444 13,605 2,404 17.7%
平成29年度 20,118 14,343 3,106 21.7%
平成30年度 20,116 13,773 3,236 23.5%
令和元年度 21,163 14,691 4,444 30.2%

 

二次試験

年度 申込者数(人) 受験者数(人) 筆記合格者(人) 試験合格者(人) 試験合格率(%)
平成27年度 5,130 4,941 944 944 19.1%
平成28年度 4,539 4,394 842 842 19.2%
平成29年度 4,453 4,279 830 828 19.4%
平成30年度 4,978 4,812 906 905 18.8%
令和元年度 6,161 5,954 1,091 1,088 18.3%

 

トータル合格率

年度 トータル
試験合格率(%)
平成27年度 5.0%
平成28年度 3.4%
平成29年度 4.2%
平成30年度 4.4%
令和元年度 5.5%

合格率はトータルで4~5%です。

数値だけ見るとかなりの難易度です。

ただし実際は一次試験には科目合格があります。

ひとつの科目で60点以上獲得すると不合格でも2年間は免除されます。

また二次試験は2回までチャンスがあります。

一度不合格になっても来年は二次試験から挑戦できます。

よって実際は数値よりかは合格しやすくなっています。

最後に

中小企業診断士はビジネスに関することを網羅的・体系的に学習することができます。

ですので資格の勉強を考えているがどれか迷っている方にはおすすめします。

独学でも十分合格を狙うことができます。

実際の仕事に役に立つことばかりなので最悪途中であきらめてしまっても無駄にはなりません。

このブログには独学で合格するためのヒントを魂を込めてすべて書いています。

ぜひ挑戦してください!

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