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経営分析の概要|財務・会計

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

私は中小企業診断士試験にストレートで合格し、40歳から経営コンサルタントとして活動しています。

当時の勉強は実務にも活かされています。

中小企業診断士試験はビジネスに必要な知識を広く学ぶことができるので、このブログで解説をしています。

今回は「経営分析」です。

試験の重要度

一次試験 ★★★★★

ほぼ毎年出題されていますので、最重要のテーマです。

一次試験では、単純に計算するだけなので、どうやってその指標を求めるか覚えておけば良いです。

ただし計算する時に電卓が使えないので、小数点の割り算に苦労します。

私もめちゃくちゃイヤでした(^^;)

計算ミスしやすいですが、確実に点数が取れるので、しっかり過去問で対策しておきましょう。

二次試験 ★★★★★

二次試験においても非常に重要です。

なぜかと言うと絶対出題されるからです!

二次試験の事例Ⅳは財務に関する助言を行います。

これがほぼ毎年、1問目に出題されています。

ここでは、事例企業の与件文と財務諸表から、企業の問題点を指摘するという形が典型的なパターンです。

そして、企業の問題点を抽出するために、経営分析を活用します。

これから経営分析の指標を学習していきますが、指標が正しく計算できるだけでなく、その指標の良し悪しを判断し、経営の問題点の診断ができるようにしていきましょう。

経営分析の概要

経営分析とは、「会社が健康なのかどうかを見ること」です。

会社経営では、お金の出入りを管理して運営しています。

お金は会社にとって「血」です。

出血が酷いと死んでしまいます。

これまでに取り上げた財務諸表では「貸借対照表」という「会社の資産がどのような状態か」ストックを見るものと、「損益計算書」という「ある期間の収入と支出の状態がどうなっているか」フローを見るものがありました。

また、原価計算では、「ある製品を作った時にかかる費用」を計算しました。

これらを正しく記録することも大事ですが、記録した数値が良いのか悪いのかを判断する必要があります。

経営分析はこれらのデータを使っていろんな指標を計算します。

 

経営分析の目的

経営分析の目的は多岐にわたります。

大きく分けると「内部分析」と「外部分析」に分けられます。

内部分析

内部分析とは「会社の意思決定に役立てるための分析」です。

大きな投資を考えている場合、実行しても会社の体力があるかを見ます。

また、原価低減を行った結果が出ているかを確認します。

内部分析は管理会計を目的とした経営分析です。

外部分析

外部分析では、企業外部の人が経営分析を行います。

例えば、投資家が企業に投資すべきかを判断するために、経営分析を活用することができます。

また、金融機関などの債権者が、企業に融資をする際の判断材料として、経営分析を活用できます。

このように、企業外部のステークホルダーが行う経営分析を、「外部分析」と呼びます。

分析の目的は立場によって違う

経営分析は活用する人によって目的が変わってきます。

目的が違うと、分析で重視するポイントも変わってきます。

例えば、投資家は企業の収益性や配当などを重視します。

また、債権者は企業の安全性をより重視します。

企業の経営者は、どこが問題点なのか、どうしたら改善できるのかという事をより重視します。

 

ちなみに中小企業診断士の分析は「内部分析」

中小企業診断士が行う経営分析は、内部分析が主流です。

試験の内容も内部分析の視点で出題されています。

 

指標を使って比較する

経営分析の指標の良し悪しはどのように判断するのでしょうか?

単独で判断するだけでは判断が難しいことがあります。

例えば売上高における人件費は業界によって水準が異なります。

機械を使って付加価値を生み出す事業では、売上高に占める人件費率は低いです。

逆に人が直接役務を提供するサービス業では人件費率が高くなります。

このように経営指標は他と比較することで良しあしを判断することができます。

比較の方法には以下の3つが代表的です。

  • 自社の過去の実績と比較する
  • 同業他社と比較する
  • 業界標準と比較する

比較をすることで自社の問題点を発見できます。

また他社と比較したときに自社の強み、弱みなどを分析できます。

 

経営分析の手順

経営分析の手順は

  1. データを取得する
  2. 指標の計算をする
  3. 基準データとの比較
  4. 非財務的なデータの確認
  5. 改善策の提案

経営分析では、分析の元になるデータが必要です。

貸借対照表とや損益計算書、製造原価報告書等を取得すればデータの分析ができます。

次に、経営分析の各種の指標を計算します。

指標は、比率(パーセント)で計算で求めます。

指標を計算した後は基準と比較して分析します。

中小企業では競合の財務データは手に入りにくいのでい、業界ごとの平均的な指標と比較することが多いです。

指標だけでなく「非財務的な情報」も含めて分析します。

つまり数字という結果だけでなく、企業の実態を調査します。

現地を視察したりヒアリングを行ったりすることで、より具体的な問題や課題を発見することができます。

分析は問題点を発表するだけでは不十分です。

中小企業診断士としてどうすれば改善できるのかを提案します。

ここで重要なのは非財務的な情報を知っておくことです。

企業の実態を知らないと表面的な分析で終わってしまいます。

そんな説明を聞いても経営者の心には響きません。

経営者は具体的なアクションプランの提案を求めてきます。

 

ちなみに、中小企業診断士2 次試験の事例Ⅳでは、必ず経営分析の問題が出題されます。

2次試験の事例Ⅳはある企業の財務を分析します。

事例企業の実態が与件文と言う文章の中に紹介されています。

単なる数値の分析だけでなく、与件文と合わせて実態を反映した問題点の抽出が必要です。

 

経営分析の種類

経営分析では、企業を様々な指標で分析し問題点を明らかにします

経営分析で利用する指標には様々なものがありますが、主に4つの種類に分類できます。

  • 収益性分析
  • 安全性分析
  • 生産性分析
  • 成長性分析

収益性分析では、企業が利益を上げる能力を分析します。

売上高総利益率や売上高営業利益率が挙げられます。

 

安全性分析では、企業の財務的な安定性を分析します。

流動比率や自己資本比率が挙げられます。

 

生産性分析では、投入したインプット、つまり経営資源に対するアウトプットの効率を分析します。

労働生産性や資本生産性が挙げられます。

 

成長性分析では、企業を時系列で見たときに、どれぐらい成長したかを分析します。

売上高増加率や付加価値増加率などが挙げられます。

 

今回は経営分析の概要について説明しました。

次回からは中小企業診断士試験でよく出題される、具体的な経営分析の指標や方法をお伝えします。

まずは収益性分析、安全性分析、生産性分析といった種類があることを理解しておいてください。

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