こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
実践的な業務改善活動について、何回かに分けて解説しています。
改善活動はいつからでも始めることはできますが、目的共有ができていないと会社組織全体を巻き込んだ活動は難しくなります。
また、活動をするには誰を責任者にするかを決めておかないといけません。
今回は業務改善活動をする時のメンバー決定について解説いたします。
組織図でメンバーを見ていく
業務改善活動の参加メンバーを決めるときに必要なのが「組織図」です。
その会社がどのような部門があって、どのような人物がいるのかを俯瞰してみることができます。
中には組織図がないような会社もありますが、簡単でも構わないので組織図を作ってもらいようにしましょう。
内部体制を図表でわかりやすく見ることで、業務プロセスの見直しにもつながります。
ちなみに私は中小企業に勤めている時、自分の会社の組織図を見たことがありませんでした(^^;)
途中から作成して貼っていましたが、
「こんなの作って意味あるのか」
「大企業の真似事してどうする」
なんて思っていました。
確かに通常業務をするうえでは組織図をあまり必要としません。
しかし会社全体の活動を考えると、全体最適になっているかを検討する必要があります。
コンサルタントとして企業支援をする場合、組織図の確認を必ずしてください。
活動に参加させる人
活動のメンバーで中心になってくる人物は、それぞれの部門の責任者です。
比較的規模の小さい会社では人材が限られていますので、管理能力が高くない責任者もいますが、外すわけにはいきません。
また、部門の副リーダーや将来的に期待する人材なども、参加していただきます。
活動はリーダーだけでは進みません。
それぞれの部門に所属する社員の力が必要ですが、積極的に巻き込んでいかないと協力を得られません。
活動のメンバーはなるべく多いほうが、参加意欲を促進できます。
活動の進捗等を会議などで確認しますので、通常業務に影響がない程度であれば全員に参加して欲しいぐらいです。
活動に参加して欲しくない人
業務改善活動は重度は高いですが、緊急度が高くないことが多いため、主体的に活動を推進するメンバーの協力が不可欠です。
言われたことだけしかしない社員では、活動に批判的な意見を言うことがあります。
特に批判的なベテラン社員は影響力が高いので要注意です。
本来であれば改善活動にベテラン社員の力が必要なのですが、このような社員の場合は参加させません。
活動のリーダーには事前に目的を浸透させる
活動を本格的にスタートさせる前段階から、進めてほしいのは「活動の目的浸透」です。
改善活動では、それぞれの部門の目標を各責任者に作ってもらいます。
部門の責任者はプレイングマネージャーが多いので、通常業務にプラスして改善活動の負担がかかります。
「めんどくさい内容が増えた」
現場の責任者からは、こんな風に思われることも多々あります。
しかし長期的な経営の安定を図るためには、外部環境に対応する組織づくりが必要です。
自分たちの部門の問題を自分たちが考えて克服するという、成功体験を積んでおけば変化に対応することができます。
経営者はこういった内容を説明しながら、活動の中心となるメンバーに丁寧に説明します。
事前に伝えていくことで、参加メンバーのモチベーションを高めていきます。
活動の積極参加を評価しよう
活動の目的共有と共に重要となってくるのが「評価」です。
活動の目的を浸透させても従業員の心の中は、
「それをやったら自分にメリットがあるのか・・・」
中小企業に多いのですが、評価制度が浸透していなかったり、制度自体が存在しなかったりすることがあります。
昇給も一律なんてことも多いです。
このような評価の状態で改善活動を始めると、参加しても参加しなくても処遇が変わらないので、参加するメンバーの不満になります。
「改善活動に積極的に協力してくれたら評価します」
ということを経営者自らが伝えるようにしてください。
昇給に権限のない部門の責任者が伝えても、みんなのモチベーションは上がりません。
少し手間ですが、目的や評価の部分は経営者自らが力強く伝えて下さい。
まとめ
今回は業務改善活動の参加メンバーを決定する時の話をしました。
まとめると、
- 中心は部門責任者、なるべく多くの人に参加してもらう
- 普段から批判的な人は参加させない
- 活動の目的を事前に伝えて浸透させる
- 活動に参加した人を評価して処遇に反映する
といった感じです。
すぐにでも改善をスタートさせたいところですが、体制や目的共有などをしっかりしておくと、活動が盛り上がります。
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