企業経営理論

労働組合法と労働安全衛生法(企業経営理論)

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は中小企業診断士試験で登場する労働組合法について解説します。

あまり深く掘り下げないのが診断士試験の特徴ですので、サラッと紹介していきます。

労働組合法とは

労働組合法とは、労働者が使用者と交渉するときに対等の立場になるようにした法律です。

労働者の地位を向上させ、労働組合を組織して団結し、団体交渉の支援することを目的としています。

憲法では労働三権があります。

  • 団結権
  • 団体交渉権
  • 団体行動権

これらが保障されており、これに基づいて労働組合法が規定されています。

 

不当労働行為

不当労働行為とは、「使用者が労働組合を組織することを妨害したり、労働組合員に対して不当な扱いをすること」です。

当然こうした行為は禁止されています。

 

もし不当労働行為を行った時は、労働組合は「労使委員会」に申し立てて救済を求めることができます。

 

労働不当行為は主に5つあります。

不利益な取り扱い

不利益な取り扱いとは、労働者が同労組合に加入や活動を理由に解雇や減給などを行うことです。

 

黄犬契約の締結

黄犬契約とは、労働者が労働組合に入らないことや脱退することを雇用の条件にすることです。

 

団体交渉拒否

団体交渉拒否とは、使用者が正当な理由なく団体交渉を拒否することです。

 

支配介入

支配介入は、労働組合の結成や運営に対して使用者が支配したり介入したりすることです。

 

経費援助

経費援助は、使用者が労働組合の運営に関する経費を援助することです。

経費を援助すると労働組合の自主性が損なわれるからです。

 

労働協約

労働協約とは、労使で合意した労働条件をまとめたものです。

労働組合が団体の力を活用して、団体交渉を行います。

使用者と交渉を行い労使で合意して、労働協約を作成します。

 

労働条件は就業規則が一般的です。

しかし就業規則は使用者側が作成しますので、労働者側が不利になる恐れがあります。

労働協約は就業規則よりも優先されます。

就業規則は労働協約に反してはなりません。

 

労働安全衛生法

労働安全衛生法とは、「労働災害を防止し、労働者の安全と健康の確保や、快適な職場環境の形成を促進するための法律」です。

 

労働災害を防止するために、一定規模以上の事業場では安全衛生管理体制を作ることが義務になっています。

 

では、どれくらいの規模でどのような安全衛生管理体制が必要か?

診断士の試験範囲の中で解説いたします。

 

総括安全衛生責任者

統括安全衛生責任者は「安全管理・衛生管理を総括的に管理する最高責任者」のことです。

一定の規模以上になると、総括安全衛生管理者が必要です。

具体的には

  • 建設業、運送業の場合は常時雇用する労働者が 100 人以上
  • 製造業や小売業の場合は 300 人以上

これらの規模以上になると総括安全衛生管理者を選任することが義務になります。

 

安全管理者

安全管理者は、安全を関わる部分を管理します。

ほとんどの業種は、常時雇用する労働者が 50 人以上の場合に選任することが義務になります。

 

衛生管理者

衛生管理者は衛生に関わる部分を管理します。

常時雇用する従業員が50名以上の場合に選任することが義務になります。

 

産業医

産業医は労働者の健康を管理するために選任します。

当然ながら産業医は医師から選任する必要があります。

常時雇用する従業員が50名以上の場合に選任することが義務になります。

 

健康診断は年1回

事業者は労働者について年1回の健康診断を行う義務があります。

 

詳しく言うと、

  • 常時雇用する労働者を雇い入れるとき(入社の時)
  • その後は年1回受診

といった感じです。

 

ちなみに常時雇用する労働者とはどのような人でしょうか?

以下に示す労働者は、健康診断の義務があります。

  • 期間の定めのない労働者(いわゆる正社員)

パート・アルバイトにおいても下記の2つの条件を満たすと、健康診断の受けさせる義務が発生します。

  1. 期間の定めがある労働者で、契約期間が1年以上の人
  2. 1週間の労働時間が正社員の3/4以上の人(原則は週30時間以上)

またこれ以外にも義務があります。

当然ですが、事業者は健康診断の結果を従業員に通知する必要があります。

また結果に問題があるときには、医師の意見を聞きながら必要に応じて配置転換や労働時間の短縮などを行う必要があります。

事業者は労働者の健康診断の結果の結果を5年間保存します。

 

健康診断は、労働安全衛生法で義務として規定されています。

 

最後に健康診断の費用負担は事業者がするのか労働者がするのか・・・?

実は法律には規定がありません。

つまり労働者負担にしても問題がないということです。

 

しかし健康診断を受けさせる義務が事業者に発生していますので、費用負担についても事業者が行うことが常となっています。

 

最後に

今回は労働組合法や労働安全衛生法について解説しました。

企業経営理論の試験範囲なので頑張って解説しましたが、難しい内容が多くて大変です。

 

あんまり簡単に進むと解説が足りなくなりますが、診断士試験においてはあまり深い内容は出題されないので簡単に解説しました。

勉強のコツですが、

「とりあえずサクサク進んでいく」

です。

 

試験範囲が広いので、あまり一つのテーマにこだわり過ぎると全体をカバーすることができません。

多少理解できなくてもどんどん進んでいきましょう!

過去問を解いていく中で、知識が定着しない場合に振り返る感じで良いです。

私はあいまいな知識は「暗記カードアプリ」を活用してスキマ時間を有効活用していました。

勉強方法については、私がやってきた方法でかなり効果があるので参考にしていただければ幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします(^^)

 

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