企業経営理論

サービス・マーケティングについて(企業経営理論)

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こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回はサービス・マーケティングについて解説します。

物理的な製品とは違う要素があるので、サービスの特性を理解してマーケティング活動を行う必要があります。

まずは基本的な「そもそもサービスって何?」から、対応方法までを解説いたします。

 

サービスとは何なのか?

サービス(service)とは何のことを指しているのでしょうか?

簡単に言うとサービスとは「形のない価値の提供」です。

 

日本語では 用役 ( ようえき ) 、 役務 ( えきむ )と訳されます。

用役とは「社会に役立つ働き。特に、運輸・通信、また、医療・教育などの、直接財貨を生産しない業務をいう」

役務とは「公的な仕事。また、他の人のために行う労働」

という感じです。

 

また経済用語においては「売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のこと」とされています。

 

さらにコトラーによる定義を見てみると

サービスとは、一方が他方に対して提供する行為やパフォーマンスで、本質的に無形で何の所有権ももたらさないものをいう。サービスの生産には有形財がかかわる場合もあれば、かかわらない場合もある

とされています。

 

この辺りの特性が物理的な製品と違ってきます。

ではどのあたりが違ってくるのか、明らかにしていきます。

 

サービスは物理的な製品と違う特性

サービスが物理的な製品とどう違うのか?

以下の4つが挙げられます。

  • 不可逆性
  • 無形性(非有形性)
  • 不可分性(同時性)
  • 変動性(非均一性)
  • 非貯蔵性(消滅性)

 

不可逆性

不可逆性は「サービスは一度受けると元に戻すことができない」ということです。

例えば物理的な製品であれば、未使用であれば返品してお金を返してもらうことができます。

しかし病院の診察の場合、診察内容に不満があったとしても診察したことを返品することはできません。

仮に返金に応じてしまうと企業は無料でサービスを行ってしまったことになります。

また、マッサージサービスの場合、サービス品質が悪くてもやり直しができません。

 

無形性(非有形性)

無形性(非有形性)は「サービスというのは目で見たり、手で触ったりできない」ということです。

マッサージのサービス自体は、触って品質を確かめることはできません。

考えたら当たり前のことですが、見えなくても価値を提供できています。

 

不可分性(同時性)

不可分性(同時性)は「サービスは生産と消費が同時に行われるので、サービス提供者がその場にいなければならない」ということです。

つまりわけたり切り離したりできないという意味です。

例えば美容院のサービスはその場に行って、美容師に髪を切ってもらいます。

サービスを持って帰って家で消費することはできません。

 

変動性(非均一性)

変動性は「サービスの提供者やタイミング等によって品質が変動するので、品質を保つことが難しい」ということです。

その日の担当者のコンディションによって違ったり、担当者ごとに対応が違ったり、繁忙期・閑散期によって違ったりします。

あなたも同じお店でも担当者が違うことで不満に思うことがありませんでしたか?

物理的な製品よりも品質にばらつきが生じやすい特徴があります。

 

非貯蔵性(消滅性)

非貯蔵性(消滅性)は「サービスは在庫を持つことができない、提供されたと同時に消滅する」ということです。

例えば忙しい時間帯に備えて、マッサージの提供をあらかじめ作っておくことはできません。

 

このようにサービスには物理的な製品と違う特性があるので、これを考慮に入れてマーケティング活動を行っていきます。

 

サービスの特性にどう対応するか

サービスの特性に対して品質を向上したり、生産性を向上させることは可能です。

物理的な製品とアプローチ方法は違いますが、企業はさまざまな方法で顧客満足度向上に努めています。

 

不可逆性への対応

不可逆性への対応は、品質向上研修や返金サービスが挙げられます。

サービスが顧客の満足を満たすように研修を行い、品質向上を行います。

またサービスを受けた後に満足いかなかったら返金してもらえると、安心して購入することができます。

 

無形性(非有形性)への対応

無形性(非有形性)への対応としては、サービスの無料お試しが挙げられます。

サービスを受けてみたいけれども、いきなりお金を支払うのは不安ということがあります。

その時に少しだけ試しに体験できると安心できます。

例えば教育サービスを提供している企業は、初回無料にして体験してもらってから入会するかの判断ができるようにしています。

 

不可分性(同時性)への対応

不可分性(同時性)への対応は、一度に提供できるサービスの量を増やすことです。

例えば、機械化やIT化を推進することで生産性を向上させます。

また非正規労働者や派遣社員を活用することも考えられます。

また顧客がセルフサービスで動いてくれることで作業負担を分散させることもできます。

 

変動性(非均一性)への対応

変動性への対応はマニュアル化や教育訓練です。

マニュアル化や教育訓練を進めることでサービス品質を均一化することができます。

また従業員満足度を向上させることも重要です。

サービスの品質は提供する従業員のモチベーションにも左右されます。

教育訓練以外にも、ストレスのケアや働きやすい環境づくりを行うことでサービスの品質向上を行っていきます。

 

ちなみに、サービス提供者のことを「コンタクト・パーソネル」といいます。

英語を分解するとこんな感じです。

  • コンタクト(Contact):接触
  • パーソネル(Personnel):社員

念のため覚えておいてください。

 

非貯蔵性(消滅性)への対応

非貯蔵性(消滅性)への対応は、需要の分散です。

需要の分散はピーク時以外の需要を喚起します。

例えば、旅行会社は閑散期の金額を低くして需要を分散させようとしています。

 

サービスマーケティングの方向

サービスマーケティングには3つの方向があります。

  • エクスターナル・マーケティング(企業⇔顧客)
  • インターナル・マーケティング(企業⇔従業員)
  • インタラクティブ・マーケティング(従業員⇔顧客)

図で書くとこんな感じです。

 

エクスターナル・マーケティング

エクスターナル・マーケティングは企業と顧客の間で行われるマーケティングです。

エクスターナル(External)は「外部」という意味です。

企業と顧客の間のマーケティングは、物理的な製品でも行われるので同じです。

エクスターナル・マーケティングではマーケティングの4Pを中心に行われます。

 

インターナル・マーケティング

インターナル・マーケティングは企業と従業員(CP:コンタクトパーソネル)の間で行われるマーケティング活動です。

インターナル(Internal)は「内部」という意味です。

サービスの品質でカギを握っているのは「従業員の能力」です。

従業員の能力向上のためには、教育訓練が必要です。

またモチベーションも品質に左右します。

インセンティブの付与や権限移譲などによって、意欲を向上させます。

 

インタラクティブ・マーケティング

インタラクティブ・マーケティングは従業員(CP)と顧客の間で行われるマーケティング活動です。

インタラクティブ(Interactive)は「双方向の」や「対話型の」という意味があります。

顧客と従業員が対話をしながらサービスを行います。

双方向の対話により良好な信頼関係を築くことで、顧客のロイヤルティ(忠誠心)を高めていくことが重要です。

 

最後に

今回はサービス・マーケティングについて解説しました。

普段何気なくサービスを受けていますが、じっくり考えると興味深いですね。

「サービスは形がないので、見たり触ったりできない」とか「在庫を持てない」って表現がなんか面白いです。(^^)

今回紹介したようなフレームワークがあることで、実際のビジネスで役立てることができます。

例えば「どうやって品質を高めたらよいか」を考える際に、考えないといけない項目をモレなく挙げることができます。

このような「知識」を実務で使える「知恵」に変えて、仕事の品質を上げていきましょう!

 

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