こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
私は組織を活性化する手法として「5S活動」を推奨しています。
5S活動を組織的に実行することで、
- ルールが守れる組織になった
- 自分たちで計画を立てることができるようになった
- 自ら課題を見つけて解決するようになった
といった効果があります。
今回はその中で「あかふだ作戦」という手法とうまくいくコツをお伝えします。
5S活動とは
5S活動とは「工場などの生産現場における改善の基本となる考え」です。
生産現場以外にも間接部門などの職場にも適応して、職場全体をキレイにします。
具体的な活動は5つです。
- 整理:不要なモノを捨てる
- 整頓:必要なモノをキレイに並べる
- 清掃:掃除をする
- 清潔:汚れないようにする
- 躾:ルールを守らせる
といった活動の頭文字をまとめたものです。
あかふだ作戦とは
「あかふだ作戦」というのは、なかなか捨てられないものを一気に捨て去る技法のことです。
いるものといらないものを分ける基準を決め、いらないものに対して赤い札(テープ)を貼って回るという手法です。
赤札の赤は工場の垢を示し、危険な色をイメージするためです。
実施する日にちを決めて、全社一斉に実施します。
作戦のおおまかな手順は以下の通りです。
- 不用品と判断したモノに赤い札(シール)を貼る
- 貼られたモノを一箇所へ集める
- 札が貼られたものはリスト化する
- リストから本当に不要かどうか判断する
赤札の項目としては
- 区分:在庫か機械かなど
- 品名
- 数量
- 理由
- 責任者:赤札を貼った人
- 日付:赤札を貼った日付
こういった内容を札に書いてモノに貼ります。
写真撮影もしておくとよいでしょう。
書く内容が多いと面倒なので、担当者と日付ぐらいでも良いです。
あかふだ作戦のコツ
ある会社に訪問し、この「あかふだ作戦」を一緒にやりました。
最初のうちは「うちの現場には不要なものなどない」「必要なものばかりなので、なぜ捨てるのかわからない」などの声がありましたが、この「あかふだ作戦」の技法を用いると、たった20分の間に、いらないものが山積みになりました。
こんな簡単にできるのに、どうして普段は捨てられないのでしょうか。
それは、
- いるものといらないものを分ける基準がない
- 判断ができる人(工場長や社長)が判断をしないから
の2点に絞られます。
逆に考えると、この2点をしっかり行えば、不要なモノを捨てることができます。
不要な基準を合意する
あかふだ作戦を実施するときに重要になってくるのが、捨てる基準です。
これを実施前に決めておかないと、実行中に混乱することになります。
それは「人によって不要なモノが違う」からです。
例えばある人にとっては全く使用しないものでも、別の人からするとたまに使用しているモノがあります。
基準を決めておかない場合、必要なモノと判断されるでしょう。
しかし使用する頻度が少なかったり、長期間使用されていなかったりします。
あかふだ作戦を開始する前に、
「3か月間使用していないモノ」
「向こう6か月間は使用しないと予想されるモノ」
といった感じでメンバー間で不用品の基準を共有します。
そうすることで、あかふだ作戦をスムーズに実行することができます。
最終判断をしやすくする
もう一つは、決裁者に判断してもらいやすいようにリスト化することです。
あかふだ作戦を実行して、不用品と判断されたモノは即捨てるわけではありません。
明らかに不要なモノを除いて、一か所に集めます。
その時に写真撮影をして、不用品をリスト化します。
不用品のリストを責任者に見てもらうことで、最終的な要不要の判断を行います。
「そんなことしなくても現場に来てもらったらわかるじゃん」
って意見もありますが、責任者の方は毎日いろんな判断をしています。
現場が多いとすべての区画を回るのにかなり手間がかかります。
なるべく時間をかけずに判断ができるようにしておくことで、決断してもらいやすくなります。
現場に来てもらって判断してもらえる時間があればベストですが、リスト化してデスクに置いておくことで「決済しやすい仕組み」を作ります。
まとめ
今回は5S活動の「あかふだ作戦」について解説しました。
最後にあかふだ作戦を成功させるコツは
- 要不要の基準を決める
- 決済者の判断をしやすくする
といった感じです。
個人の部屋の片付けであれば、こうした仕組みがなくても実行できますが、組織的に整理を実行するときには仕組みが必要です。
仕組みがあることで、決断を遅らせることなく確実に実行できるようになります。
不用品がなくなるだけでも作業の生産性は向上します。
探す時間の短縮や、現場の安全性向上、通路の確保といった効果が出ます。
ぜひ実践してください!
5S活動で組織を変えよう
私は5S活動の重要性をこのブログで発信しています。
また組織的に実行するための、ノウハウをまとめています。
参考書と違い、すぐに実行できるツールをふんだんに盛り込んでいます。
ぜひご活用くださいませ(^^)