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第4回「事業再構築補助金」公募を開始しました

投稿日:2021年11月7日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

10月28日から第四回の事業再構築補助金について、公募が開始されました。

既にどういった補助金であるか、ご存知の方が多いと思います。

「どういう補助金なの?!

「対象になるのはどんな会社?」

「公募に参加するには、何をすればよいの?」

公募要領を見ても文字が多すぎて理解できない方も多いと思います。

私もあれだけの文字を見ると読む気を無くします(^^;)

 

そこでできるだけ単純でわかりやすく解説をします。

ここで予備知識を得ることで、公募要領を見たときに理解しやすくなります。

 

今回の事業再構築補助金はいろんな枠がありますので複雑です。

まずは一般的な「通常枠」に絞って、できるだけ嚙み砕いて解説します。

 

詳しい内容は「公募要領」をご確認ください。

それでは解説を始めます!

事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金の目的は以下の通りです。

本事業は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構 築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。

「公募要領2ページより抜粋」

簡単に言うと、

「コロナにより事業がピンチになった会社を応援するために作られた補助金」

です。

厳密に言うとポイントは3つあります。

  1. コロナの影響で、売上がかなり悪くなった
  2. 現在行なっている事業について、先の見通しが良くない
  3. 新しい事業に挑戦してウィズコロナ・アフターコロナに適応する

このポイント3つとも満たすような会社に対して補助を行う目的でスタートしました。

 

コロナの影響はかなりの企業が影響を受けていますが、新しいことに挑戦するという要件が付いています。

あくまで「再構築」なので、単に既存事業のテコ入れをするための補助金ではありません。

 

対象の企業とは?

対象としている会社の規模ですが、基本的には中小企業です。

その中には、小規模事業者や個人事業主も含まれています。

どんな会社が中小企業に属するかは、「資本金」と「従業員数」で定義されています。

業種によって違いますので、簡単に一覧にします。

業種 資本金 従業員数
製造業、その他 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業 5000万円 100人
小売業 5000万円 50人

この数字以下になっていれば良いです。

以下なので「サービス業の従業員数」は「100人」でも対象です。

ただしギリギリだと採用の関係で、オーバーするかもしれません(^^;)

 

ちなみに「資本金」と「従業員数」の条件は、どちらかを満たせば良いです。

例えば、製造業の場合

  • 資本金3億円
  • 従業員数500人

この会社は中小企業に属します。

従業員数はオーバーしていますが、資本金は枠内に収まっています。

 

どちらも枠に入っていない場合が、中小企業の定義に含まれないのでご注意下さい。

日本の会社の99%が中小企業なので、かなり多くの会社が対象になると思います。

詳しくは公募要領の7ページを参考にしてください。

今回は「資本金が10億円未満の大企業」も一部対象になっています。

補助金は中小企業が対象になることが多いので、珍しいですね。

中堅企業の定義は「10億円未満」なので、10億円は対象外なのでご注意下さい。

 

何に補助金が使えるのか?

次にこの補助金はどんなことに活用できるのか説明します。

公募要領を見ると以下の通りです。

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費

「公募要領9ページより抜粋」

基本的には「設備や機械の購入代金」に補助が出ると考えて下さい。

資産計上されるモノを買わなくてはいけません。

資産は「有形」のモノはもちろん、システムのような「無形」も含まれます。

新しい事業を始めるので、付加価値を生むモノを買う必要があります。

そして設備・機械を設置する建物の建設費や、古い建物の撤去にかかる費用も含まれています。

建物が入るのも、他の補助金ではなかったので驚きました。

建築費が対象になるから、補助額が大きくなっているんでしょうね。

 

その他、新しい事業を宣伝するための「広告宣伝費」や「販売促進費」も対象です。

また、新事業なのでノウハウを教えてもらう必要も考えられます。

専門家に助言をもらうための「専門家経費」、特許を使用するなどの「技術導入費」、ノウハウを学ぶための「研修費」といった費用も補助の対象です。

かなり広い範囲が補助の対象となっていますが、やはり中心となってくるのは「機械装置・ソフトウェア」です。

単に新しい事務所が欲しいから、お金をもらうような内容では補助金は出ません。

 

補助額は?

次にどれくらいの補助がもらえるかです。

補助金では、投資した金額の一部に補助が出ます。

つまり全額は補助してくれません。

ちなみに補助金は「後払い」なので、一旦は全額立て替える必要があります。

補助金ありきで購入しようとしないようにご注意下さい。

肝心の補助内容ですが、公募要領には以下の内容が書かれています。

中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は 1/2)

中堅企業等 1/2 (4,000万円超は 1/3)

「公募要領より抜粋」

例えば中小企業が3000万円の投資をしようとした時で考えます。

2/3は補助が出るので、

  • 1000万円は実費
  • 2000万円は補助

なんと1000万円で済みます。

ただし金額が大きくなってくると補助の割合が小さくなります。

それが、「6000万円を超えたら1/2」という条件です。

6000万円の補助金を得ようとすると、投資は9000万円必要です(補助額6000万円÷2/3=投資額9000万円)

よって投資額が9000万円を超えると、超えたところは補助額が小さくなります。

具体的に1億1000万円の投資をしようとしている中小企業を例に挙げてみます。

投資額 補助率 補助額
9000万円 2/3 6000万円
2000万円 1/2 1000万円
合計 1億1000万円 補助額合計 7000万円

このような金額になります。

ちょっと複雑ですが9000万円オーバーで考えればわかりやすいです。

もう一つ注意しなければならないのは「限度額」です。

投資がいくらでも補助がもらえるわけではなく、ある一定の限度があります。

【従業員数 20 人以下】100 万円 ~ 4,000 万円

【従業員数 21~50 人】100 万円 ~ 6,000 万円

【従業員数 51 人以上】100 万円 ~ 8,000 万円

「公募要領9ページより抜粋」

このように従業員数によって限度額が違います。

それと最低金額も設定されています。

投資する額は最低でも150万円は必要です。(100万円÷2/3=150万円)

ちなみに通常枠以外に「緊急事態宣言特別枠」や「最低賃金枠」といった補助額が優先されている枠もあります。

詳しくは公募要領をご覧ください。

 

公募に参加する要件とは?

対象企業は資本金や従業員数だけでなく、いくつかの要件が設定されています。

それらを全て満たすことが必要です。

ここでは通常枠で必要な要件について解説します。

事業再構築要件

一つ目の事業再構築要件は「新しいことをする」という要件です。

事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること

指針には細かくいろんなことが書かれています。

新規事業といっても、これまでのノウハウが全く使えないような事業だと実現性も乏しく、自社独自の付加価値をつけて差別化することはできません。

これまで宿泊サービス業だった会社が、いきなり車の部品なんて作れませんよね。

いくつか例が示されていますが、方向を180度変えなくても良さそうです。

例えば、

  • ヨガのスクールが対面からオンラインサービスに転換する
  • 飲食店が店内のスペースをリニューアルしてテイクアウト・宅配事業に進出する
  • 鉄道部品の製造から船舶部品に進出する

これまでのノウハウがそのまま通用するわけではありませんが、自社がこれまで培ってきたものを活かすことができるフィールドが望ましいです。

事業再構築指針についてはこちらで確認してい下さい。

売上高要件

次に売上高要件です。

これは「コロナ前よりコロナ後のほうが、売上が落ちている」ということです。

公募要領は細かく書かれています。

2020 年 4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少しており、2020 年 10 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること

※コロナ以前とは、2019 年又は 2020 年1月~3月を指す

組み合わせはいろいろありそうですが、比較は同月になるとのことです。

つまり、任意のコロナ後を2020年10月、12月と2021年2月の3か月を選択した場合、比較対象は2019年10月、12月と2020年2月と比較するという感じです。

ちなみに2月は2019年との比較もOKです。

コロナでダメージを受けて、この補助金を使おうとする会社であれば、どこか合致するのではないかと思います。

 

認定支援機関要件

次に認定支援機関要件があります。

これは、認定支援機関にサポートをしてもらって下さいということです。

認定支援機関とは、中小企業の支援ができる専門的知識や実務経験を持った機関のことです。

そういった支援ができる期間を国が認定しています。

具体的には、税理士・公認会計士・中小企業診断士といった人や事務所、商工会・商工会議所・金融機関といった団体等です。

補助金に応募するには、この認定支援機関に相談する必要があります。

公募要領にはこう書かれています。

事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円 を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営 革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること

更に補助額が3000万円をオーバーのような、金額が大きくなると金融機関に相談する必要があります。

メインバンクが認定支援機関になっていることが多いので、金融機関に相談するのが早いです。

ちなみに認定支援機関はこちらから検索することができます。

連携して取り組む必要があるので、なるべく近くの認定支援機関が良いです。

申請時に認定支援機関のサポートを受けている書類を提出します。

 

付加価値要件

最後は付加価値要件です。

新規事業をきっかけにして付加価値を高めて欲しいという要件があります。

要するに「業績を伸ばせ」ということです。

ちなみに付加価値とは「企業活動によって独自につけた価値のこと」です。

製造に使用した機械や人の費用は付加価値としてカウントします。

逆に自分たちが生み出していない材料や外注費用は、付加価値に含めません。

 

ちょっとわかりにくい内容ですが、決算書から簡単に計算ができます。

付加価値=営業利益+人件費+減価償却費

人件費は製造原価の「労務費」と販管費の「人件費」両方を合計したものです。

補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を 策定すること

付加価値の増加率は「新規事業」のみではなく「会社全体」です。

新規事業によって既存事業も相乗効果で引っ張られて業績が回復するようなイメージです。

あくまで未来の数値なので、とりあえず伸び率を満たしている数値計画を提出すればOKです。

その他、枠によっては特別な要件を満たす必要があります。

公募要領をよく読んで要件を満たせるかを確認して下さい。

 

公募は電子申請

ちなみにどうやって応募するかですが、全て電子申請になっています。

Jグランツで応募する

Jグランツというのは、補助金の電子申請を扱うポータルサイトです。

現在はものづくり補助金なども含めて、電子申請でしか受付ができないものが増えています。

入力の途中でも保存ができるので、紙ベースで申請するよりも楽になりました。

Jグランツへのアクセスはこちらからできます。

「GビズID」が必須

Jグランツを利用するときに必要なのが「GビズID」です。

GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な法人向け行政サービスにログインできるサービスです。

補助金申請だけでなく、さまざまな行政サービスに利用できるよう拡大しています。

GビズIDの取得は3週間くらいかかると言われています。

補助金申請を考えている方は、まずGビズIDプライムアカウントを取得して下さい。

直前になって申請しても間に合いませんのでご注意下さい。

GビズIDプライムアカウント取得についてはこちらからできます。

 

用意するものは?

申請で何が必要かを解説します。

必ず期限までに用意して申請しないといけません。

電子申請なので期間は厳密です。

1回目はサーバーがダウンしたので急遽期限が伸びましたが(^^;)

事業計画書

事業計画書とは「事業内容や企業の戦略・収益見込みなどを説明するための書類」のことです。

つまり「どんな事業をしようと考えているかをまとめたもの」です。

補助金が採択されるには事業計画書の完成度にかかっています。

必要になっているのは以下の4つです。

1:補助事業の具体的取組内容

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

3:本事業で取得する主な資産

4:収益計画

 

私が思うストーリーは以下のように考えます。

  • 自分たちの会社はどんなことをしているか
  • どんな強みがあるのか
  • なぜ再構築する必要があるのか
  • どんな顧客ニーズや事業の機会があるのか
  • どんな事業をしようとしているのか
  • 何を買わなければいけないのか
  • 他社よりも優れたモノ・サービスをどう生み出すのか
  • どんなメンバーが参加するのか
  • 外部の協力体制はどうか
  • 事業化までのスケジュールは
  • 事業化した後はどのようになるか

このような内容をA4サイズ10〜15ページにまとめます。

 

認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書

今回の事業再構築補助金は認定支援機関のサポートが必須です。

サポートを受けていることを書面で示さなければなりません。

書面は様式が用意されています。

認定支援機関にそれを書いてもらえれば良いです。

難しいことはありません。

認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書はこちらから入手できます。

 

コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類

次にコロナ前とコロナ後で売上が減少していることを示す書類を用意する必要があります。

具体的な書類は以下の通りですす

法人と個人事業主では用意する書類が違います。

法人の場合

  1. コロナ前と後の売上が分かる年度の「確定申告書別表一」の控え
  2. 上記2の「確定申告書」と同年度の「法人事業概況説明書」の控え
  3. e-Taxで申告している場合は「受信通知」

 

個人事業主の場合

  1. コロナ前と後の「確定申告書第一表」の控え
  2. 上記2の「確定申告書」と同年度の月別売上の記入のある「所得税青色申告決算書」の控え(白色申告の場合は、対象月の月間売上がわかる「売上台帳」、「帳面」、「その他の確定申告の基礎となる書類」を提出する)
  3. e-Taxで申告している場合は「受信通知」

 

決算書

決算書は2期分が必要です。

2年分の提出ができない場合は、1期分が必要です。

ちなみに決算書の詳細は以下の5点を用意します。

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)
  3. 製造原価報告書
  4. 販売管理費明細
  5. 個別注記表

製造原価報告書と販売管理費明細は、従来から作成している場合のみ添付してください。

損益計算書については、特定非営利活動法人の場合「活動計算書」を用意してください。

PDF化してデータを添付します。

 

ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報

ローカルベンチマークとは、企業の経営状態を調べることができるツールです。

略して「ロカベン」と言います。

こちらのサイトにログインして活動レポート(ローカルベンチマーク)から必要な情報を入力します。

補助金に無理やり絡めて使用させようとする魂胆が見え隠れしますが、必須なので仕方がありません。

ちなみに活動レポート(ローカルベンチマーク)の外部出力にはGビズIDが必要です。

ミラサポPlusにGビズIDで登録することで、外部出力が可能になります。

やっぱりGビズIDは早期に取得しておかなくてはいけませんね(^^)

 

事業計画書のノウハウを提供しています

私は中小企業診断士として補助金の支援も行っています。

しかし事業計画書は誰でも作成できます。

書く順番やストーリーはある程度決まっているので、それに合わせて埋めていけばよいです。

私のノウハウをまとめて販売しております。

実際の採択された事例もWordで提供していますので、そのまま使用していただけます。

※事業の根幹にかかわる部分は隠しておりますのでご了承ください

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