企業経営理論

経営資源・競争優位について(企業経営理論)

投稿日:2020年10月4日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回は経営資源と競争優位について解説していきます。

内容の概要

今回の概要は以下の通りです。

経営資源

ヒト、モノ、カネ、情報のこと

VRIO分析

バーニーが提唱した持続的な競争優位を築くための経営資源のフレームワークのこと

  • Value(経済的価値)
  • Rarity (希少性)
  • Imitability(模倣可能性)
  • Organization(組織能力)



 

重要度

中小企業診断試験の重要度を示します。

一次試験 ★★★★★

試験にはこの考え方を基にした出題があります。

二次試験 ★★★★☆

経営資源の考え方はぜひとも覚えてください。

「VRIO分析」の考え方はは二次試験でも使います。

 

経営資源とは

経営資源とはその会社が保有している力の源のことです。

では具体的にどういったものがあるか解説いたします。

ヒト

主に人材のことです。

優れた技術者がいる、仕事を獲得してくる営業がいる、サービスをうまく説明できる担当者がいるなどが挙げられます。

モノ

建物や設備のことです。

生産性の高いものや、差別化できる商品を生み出すなどの設備があるなどが挙げられます。

 

カネ

そのままお金のことです。

潤沢な資金を保有していれば、さまざまなビジネスに投資することができます。

 

情報

知的財産、技術などのノウハウ、ブランド力、信用、顧客情報などが挙げられます。

ヒト、モノ、カネは目に見えるものですが、「情報」は目には見えませんが非常に重要な要素が多いです。

 

これらも駆使することで他社に負けない製品やサービスを生み出します。

他社に負けない状態のことを「競争優位を築く」と言います。

では競争優位を築くためにはどうすればよいでしょうか?

 

次に競争優位を続けるために必要な4つのことを説明します。

 

大事な考え方VRIO分析

競争優位を築くために必要なことで有名なフレームワークがあります。

バーニーが提唱した「VRIO分析」です。

バーニーはリソースベース型の経営理論を提唱していることで有名です。

別の記事で紹介しています。

戦略のアプローチ(企業経営理論)

リソースベース型の経営理論は「企業の内部資源に注目した経営論」です。

内部の経営資源を蓄積することで競争優位を築きます。

 

そして持続的に競争優位を築くことができる経営資源の要件を4つにまとめています。

その4つの要件の頭文字をとったものが「VRIO分析」です。

考え方としてはわかりやすく非常に重要ですので、ぜひとも覚えてください。

Value(経済的価値)

その経営資源は経済的な価値を生み出すものか?

当然のことですが会社は利益を上げていかなくては経営ができません。

持っている経営資源がお客様にとって価値のあるものかは非常に重要です。

お客様の課題を解決する経営資源であれば競争優位を築く源泉になります。

 

Rarity (希少性)

その経営資源は希少性が高いか?

価値のある経営資源が手に入りにくいものであるかを問われています。

いつでもどこでも手に入るようなものでは競争優位を築くための経営資源にはなりません。

絶対的な完全にオンリーワンでなくても良いです。

相対的に「オリジナリティがある」という判断で良いです。

 

Imitability(模倣可能性)

その経営資源はマネされにくいか?

お客様に価値を提供できるオリジナリティが高い経営資源であっても、簡単にマネできるものでは持続的な競争優位を築くことはできません。

熟練の技術などすぐにはマネできないということが必要です。

 

Organization(組織能力)

その経営資源を活かすための組織や体制があるか?

ここまでの要件を満たしていても、実行できる組織がないと競争優位を築くことはできません。

個人として製造に関する熟練の技術を持っていても、生み出す設備や販売チャネル、顧客情報などの体制がなければ活かすことができません。



 

持続可能な競争優位のカギは「情報」

VRIO分析では4つの要件を満たすものが競争優位を築く源泉になることを説明しました。

重要ポイントとしては「マネされにくい」ということです。

 

経営資源の中で「ヒト」、「モノ」、「カネ」などの有形資産は比較的マネがしやすいです。

一時的には競争優位を築くことができますが、継続的には難しいです。

 

一方で「情報」のような無形資産は要件に当てはまりやすいです。

例を挙げると、

  • 独自のノウハウや
  • 精度の高い技術
  • 認知性の高いブランド、
  • 顧客の信用

こういったものは長い蓄積が必要ですのでそう簡単にマネすることはできません。

競争優位を築く源泉は絶対数で比較すると中小企業は大手にはかなわないことが多いです。

ですので相対的にどういったことが得意なのか、自分たちで優れているところは何かといった分析をしていきましょう。

どの会社にも相対的に優れた部分があります。

深堀していけば何が貴重な経営資源かが見えてきます。



 

今回のまとめ

今回の解説は2つです

経営資源とは何か?

考え方としては4つ

  • ヒト:主に人材のこと
  • モノ:建物や設備のこと
  • カネ:そのままお金のこと
  • 情報:知的財産、ノウハウ、ブランド、信用、顧客

競争優位を築く源泉とは何か?

要件の頭文字をとった「VRIO分析」

  • Value(経済的価値):経済的な価値を生み出すか?
  • Rarity (希少性):希少性が高いか?
  • Imitability(模倣可能性):マネされにくいか?
  • Organization(組織能力):組織や体制があるか?

フレームワークを覚えておくとミーティングなどで活躍します。

フレームワークは要件を漏れなくダブりなく考えることができます。

 

競争優位の考え方は他にもあります。

次回は他の競争優位の考え方についても紹介します。

 

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