こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。
今回はベンチャー企業について解説していきます。
ベンチャー企業とは先端技術で業界に革命を起こして急成長を目指している会社のことです。
明確な定義はありません。
いろんな困難を乗り越えて安定成長までたどり着く企業はほんの一握りです。
素晴らしい技術であっても、それがビジネスに結びつくとは限りません。
コンテンツも大事ですが、マーケティング力も重要です。
個人に置き換えて考えても同じことが言えます。
優秀な人材であっても、自分の能力がいかに素晴らしいか、どのように貢献できるかを上手にアピールしなければ企業に採用されません。
私の周りの優秀なコンサルタントの方も、素晴らしいコンテンツを持っているにもかかわらず埋もれてしまっている人がいます。
ニーズがあるところにアピールしていかなければ知られることはありません。
ベンチャー企業のことを考えると、自分自身においてもコンテンツとマーケティングの両輪をうまく回さなければいけないと思います。
少し話がそれましたが、解説に進みます。
ここで学べること
今回のテーマを簡単に解説すると以下の通りです。
ベンチャー企業のステージ
ベンチャー企業が成長していく過程の4つ
「シード期」「スタートアップ期」「急成長期」「安定成長期」
ベンチャー企業の3つの壁
事業を軌道に乗せるまでに訪れる壁
「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」
オープン・クローズドイノベーション
開発をまわりと協力するか、自分たちだけでやるか
ベンチャー企業の4つの成長ステージ
ベンチャー企業には安定成長をするために4つの過程を踏んでいきます。
それが「シード期」「スタートアップ期」「急成長期」「安定成長期」というのがあります。
シード期
シード期は「起業する前段階」です。
シードとは「種」という意味があります。
つまりこの段階では、新しいビジネスになりそうな種を見つけてます。
そして種がビジネスになるように事業のコンセプトを考える段階です。
スタートアップ期
スタートアップ期は起業してから事業がある程度軌道に乗るまでの段階です。
とはいっても売上高もそれほど多くありませんので、赤字が出ている状態の会社もあります。
この時期は事業を立ち上げて軌道に乗せるための先行投資が必要です。
資金力も信用力がそれほどありませんので苦労します。
投資してくれる人も自己負担や家族や親せき、友人・知人などの「スウィートマネー」に頼らざるを得ません。
事業プランが有望であれば、個人投資家である「エンジェル」やベンチャー企業に投資をする「ベンチャーキャピタル」が協力してくれる可能性もあります。
急成長期
急成長期は、市場で認知度が高まって一気に成長する段階のことです。
この時期になると売上が見込めるので利益が出ていることが考えられます。
しかし事業を拡大していかなくてはいけませんので、資金面は必要になってきます。
資金は必要ですが金融機関からの信用はまだ低い状態です。
民間の金融機関よりも政府系の金融機関から資金援助されているケースが多いです。
安定成長期
安定成長期は最終段階です。
収益性が最も高まります。
市場の成長は成熟してきます。
つまり利益の伸びは鈍化します。
今まであった赤字も無事に回収できている頃でしょう。
社会的な信用も高くなっているので資金面の援助は受けやすくなっています。
また株式公開(IPO)をすることで株式市場から多額の資金を調達すして大企業になるような企業もあります。
仮に株式公開をした場合は、ベンチャーキャピタルは保有している株式を売却して利益を得ようとします。
ベンチャー企業が超えるべき壁3つ
4つの成長過程を説明しましたが、ここまで成長できる企業はほんのわずかです。
ほとんどの企業が途中で夢破れます。
それはなぜか紐解いていくと、3つの超えなければならない壁があるからです。
ベンチャー企業が事業を軌道に乗せるにはどんな苦労があるか、3つの壁を説明しながら解説いたします。
魔の川(デビルリバー)
最初に超えるべき壁は「魔の川」です。
魔の川は基礎の研究から応用研究へ移行できるかどうかです。
基礎研究が社会にどのように価値をもたらすかが見いだせないという壁です。
当たり前のことですが、みんなが「それは役に立つ」という研究でないと自己満足で終わってしまいます。
死の谷(デスバレー)
次に立ちはだかるのは「死の谷」です。
これは応用研究から商品化するまでの壁です。
商品化するまでは多額の資金が必要です。
死の谷では商品化する前に資金が底を尽きてしまい開発が止まってしまうという困難です。
ここでは資金が大きなカギを握っています。
投資が活発なアメリカでは、ベンチャー企業に出資をする「ベンチャーキャピタル」や個人投資家の「エンジェル」が援助するケースがあります。
死の谷に投資家が橋をかけて渡らせるようなイメージです。
しかし資金がなくなってしまうと、橋が崩れて谷底に落ちてしまいます。
ダーウィンの海
魔の川や死の谷を突破して商品化に成功しても、更なる困難が待ち受けています。
それが「ダーウィンの海」です。
この壁は、事業に企業を載せることができるかということです。
商品を市場に投入しても売れるとは限りません。
商品がいかに価値あるものか宣伝したり、販売をするためにチャネルを整備したり、競合他社との厳しい競争に打ち勝ったりしていかなくてはなりません。
ダーウィンの海は生き物が生存競争を繰り広げているイメージです。
ベンチャー企業は経営資源が限られていますので、売れる仕組みを作るために苦労します。
せっかく価値ある商品を世に出しても認めてもらえないことがあります。
またニーズがありそうな企業や個人に情報が届かないこともあります。
このように3つの壁を打ち破った企業が安定成長できます。
しかし安定成長できる企業は圧倒的に少ないです。
ベンチャー企業はJカーブを描く
ベンチャー企業は3つの壁の乗り越えるのに最初はもうけが出ません。
特に最初は製品開発費や設備投資、生産や販売の活動費など出ていくお金が多いです。
そしてうまく事業を軌道に乗せると次第に利益が出ます。
言葉では簡単に言っていますが、非常に難しいことです。
製品開発に多額の費用をかけても成功する保証はありません。
これはベンチャー企業だけでなく中小企業の新規事業においても同じことが言えます。
下請けの仕事が忙しくてとても時間と費用をかける暇がありません。
たとえ製品が開発できても、それを誰にどのように販売していくかノウハウがありません。
これを表したものに「Jカーブ曲線」というのがあります。
これは、縦の軸を「お金の増減」、横の軸を「時間の経過」にして、ベンチャー企業が事業を成功させるまでのお金の流れを表しています。
事業の初期段階ではお金が出ていくので右肩下がりになっています。
事業が波に乗ってくると収益が出ますので、次第に右肩上がりに変わります。
そのうちに初期で使ったお金を無事に回収できる感じです。
時間の経過とともにお金の増減が英語の「J」に似ていますよね(^^)
そのまんまです。
これもせっかくなので覚えておいてください!
オープンイノベーションとクローズドイノベーション
オープンイノベーションとは「外部の知識や技術も活用して開発していくこと」です。
小規模の会社ではどうしても技術や設備に限界があります。
立ちはだかる壁を超えるためには、外部と協力する必要が出ます。
異業種で連携、産学官連携、大企業とベンチャー企業との連携などです。
逆にクローズドイノベーションは社内の力だけで開発することです。
以前は資金力がある大企業はクローズドイノベーションで開発を進めてきました。
しかし競争が激化するにつれて、すべて自社で行うにはスピードが追い付かないことに気づきました。
今や大企業でも他社と連携する「オープンイノベーション」の考え方が浸透してきました。
もう一つ覚えていただきたいのが「リバースイノベーション」です。
これは新興国で開発した安価でシンプルな機能の商品を先進国に展開することです。
一般的には先進国で開発した商品を新興国でカスタマイズして販売する手法でした。
リバースイノベーションはこの流れと全く逆です。
実はシンプルな設計のニーズがあったみたいな感じです。
似ている言葉に「リバースエンジニアリング」というのがあります。
これは他社製品がどのような仕組みになっているか分解して分析する手法です。
良く混同されますので、ご注意ください(^^)
まとめ
今回はベンチャー企業について、成長過程と超えなければならない壁について解説いたしました。
最後にまとめるとこんなかんじです。
- ベンチャー企業の成長過程は「シード期」「スタートアップ期」「急成長期」「安定成長期」の4つ
- ベンチャー企業が超えなければならない壁は「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」
- 新規事業は最初は赤字で、次第に黒字転換する「Jカーブ曲線」を描く
- 開発は他社と協力する「オープンイノベーション」が主流になってきている
文字では簡単に表現できますが、世の中にない新しい価値を生み出すためには相当な信念と覚悟と継続する情熱が必要です。
こういった人たちのおかげで世の中が便利になっていってます。
私は本当に価値を生み出している人を尊敬しています。
自分も価値を創り出すことができる存在になっていきたいです。
今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
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