企業経営理論

ポーターのファイブフォース(企業経営理論)

投稿日:2020年10月19日 更新日:

こんにちは!中小企業診断士のカズユキです。

今回はポーターのファイブフォースについて解説します。

大事なテーマですのでしっかり学習しましょう!



中小企業診断士試験の重要度

今回の内容を中小企業診断士試験の重要度で表します。

一次試験 ★★★★★

企業経営理論において最も重要な理論です。

かなりの確率で出題されるので、必ず学習しておいてください。

しかも単なる知識問題ではなく、理論を知っているうえで問われます。

どういった時に競争が激しくなるかをチェックしておいてください。

勉強してみると、当たり前のことだったりします。

「そりゃそうだよね」っていう感じです。

しっかり理解できれば十分対応できます。

二次試験 ★★★★★

直接知識を問われるわけではありませんが、考え方は非常に重要です。

競争が激しい業界は価格勝負になって疲弊します。

中小企業は経営資源が限られていますので、価格勝負はあまりしたくありません。

自社の強みを考えて差別化できる商品やサービスを提供できれば交渉力は強くなります。

経験則でわかることですが、理論を勉強しておくと解答の引き出しが増えます。



 ポーターのファイブフォースとは

戦略を立案するためには自社がどのような状況におかれているかを理解する必要があります。

ポーターは自社がいる業界構造の状況を分析することを勧めています。

分析は大きく分けて、

「業界内の競争環境」

→「既存企業の敵対関係」

 

「業界を取り巻く4つの競争環境」

→「買い手の交渉力」、「売り手の交渉力」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」

 

の2つの側面から行います。

 

この5つの要因とその圧力が、その業界の収益性を決定するとポーターは指摘しています。

 

ⅰ)既存企業の敵対関係

競争が激しくなるほど収益性が低下します。

 

競争が激化する要因とは

  • 同規模の業者が多数存在している
  • 業界の成長率が低い
  • 製品の差別化ができておらず、スイッチングコストが安い
  • 設備投資など固定費が高い
  • 撤退障壁が大きく撤退することができない

 

ⅱ)買い手(顧客)の交渉力

買い手の購買力が強いと収益性は低下する

 

買い手の交渉力が強くなる時とは

  • 買い手が集中していて売り手の取引の大きな割合を占めている
  • 買い手の収益が低く、購入する製品が購入物全体の大きな割合を占めている
  • 製品が差別化されておらず、取引先を変えるためのスイッチングコストが安い
  • 買い手が川上統合に乗り出す
  • 売り手の製品が買い手の製品の品質に影響が少ない

 

ⅲ)売り手(供給業者)の交渉力

売り手の重要度で収益性が変化する

 

売り手の交渉力が強くなる時とは

  • 売り手のである供給業者が少ない
  • 買い手業界が売り手にとって重要顧客ではない
  • 売り手の商品が差別化されており、買い手の事業に重要な仕入れ商品である。
  • 売り手が今後川下統合に乗り出してくる

 

ⅳ)新規参入の脅威

参入障壁の大きさ、既存業者の報復によって決まる

 

外部から見て業界の収益率や成長率が高く見えるほど、新たな業者が参加しようとします。

参入障壁を高くすることで新規参入の脅威から守ることができます。

 

参入障壁が高くなるとは

  • 巨額の投資が必要で規模の経済が働いている
  • 製品やサービスの差別化ができている
  • 原材料など、流通チャネルの確保が困難である
  • 特許等の知的財産権の保護、政府の法規制などがある

 

ⅴ)代替品の脅威

代替品の費用対効果が高いと収益率は低下する

 

特に注意しないといけない代替品

  • 現在の製品よりも価格に対する性能の割合が良くなる傾向を持つ製品
  • 高収益を上げている業界によって生産されている製品

 

用語解説

規模の経済

同じ製品をより多く生産するほうが、生産コストが下がること。

生産量が増加すると固定費の割合が相対的に下がる効果と、原材料の大量仕入れにより安く仕入れることが可能になる。

 

スイッチングコスト

買い手が供給業者を変更するときにかかる費用。スイッチングコストが高いと買い手は供給業者を変更しにくくなる。

 

撤退障壁

ある事業を撤退しようとしたときに、それを思いとどまらせる要因。

(例)専門特化した資産の存在、設備の撤去費用、他事業とのシナジーなど

 

川上統合

原材料の調達力強化などを狙って、自社事業領域の上流方向(仕入れ側)へ展開すること。(例)自動車業界が製造部品メーカーへ進出

 

川下統合

販売機能・市場管理の強化などを狙って、自社事業領域の下流方向(販売側)へ展開すること。(例)自動車メーカーが販売店を吸収合併する

 

参入障壁

新たに業界に入ろうとするのを妨げようとする要因。

「特許権」「ブランド力」「技術力」などの内部資源による要因と「法規制」「流通チャネル確保の容易性」などの外部環境による要因がある。


最後に

今回は経営理論の中でも最も有名な「ファイブフォース」について解説しました。

読んでみると実はけっこう当たり前のことです。

中小企業診断士試験では難しい文章で難しそうに見せてきます。

文章が非常にわかりにくいので苦戦します。

しかし書いていることは普通のことなので、常識で考えていきましょう!

 

企業経営理論は勉強をたくさんしても得点が伸びにくいです。

本気で書いている内容がわからないこともあります。

「勉強しているのに理解できない」

と思われるかもしれませんが、私も挫折の連続でした。

理解できない問題はみんな理解できていません。

 

今回のファイブフォースのようなみんなが知っている問題を確実に取っていけば合格できます。

覚えることが多くて大変ですが、ブログを書いて精一杯応援致します!

 

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